国宝や重要文化財の展示も多い神社。
年齢を重ねるほどにその魅力に気付き、訪れる回数も増えていると聞きます。
最近では観光客も非常に多く、日本人としての振る舞い方が問われるようになってきました。
しかし、今更参拝の作法についてなんて人には聞けない!
そんな方のために、参拝の作法や観念などについてまとめてみました。
神社参拝の基本!通ってはいけない神様の道
知らない人も多く、参拝者のたくさんいる神社では気にせず歩いている方をよく見かけます。
実は神社には通ってはいけない場所や決まりごとが多くあります。
完璧に覚えなくてはいけないわけではないですが、知識として頭に入れておけば役に立つと思います。
鳥居(とりい)
鳥居は神様のいる神域への入り口です。
左右どちらかの柱に寄り、お邪魔しますという気持ちを込めて立ち止まり一礼します。
そのまま真ん中を避けて、鳥居をくぐりましょう。
参道(さんどう)
参道を通る時も、真ん中を通らないようにしましょう。
真ん中は神様が通る道であって、人間である私たちが通る場所ではないからです。
禊(みそぎ)の代わり『手水舎』
鳥居をくぐってすぐ、龍などの口から水が出ていて柄杓が置いてある場所があります。
ここは手水舎(ちょうずや)といって、身を清める場所になっています。
読み方に決まりはなく「ちょうずしゃ」「てみずや」「てみずしゃ」などの読み方があります。
禊の代わりになる俗界の穢れを落とす大事なことで、決まった手順があります。
- 柄杓は『右手』で持ち、『左手』を洗う
- 洗った『左手』に柄杓を持ち替えて『右手』を洗う
- 『右手』に再度持ち替えて『左手』で柄杓の水を受けて『口』をすすぐ
- 口を付けたので『左手』をもう一度洗う
- 水が入ったままの柄杓を立てて、持っていた柄杓の『柄』の部分を洗う
これで左右の手と口、柄杓が清められました。
柄杓に口を付けて直接口をすすいだり、柄杓の柄を洗わずに終えるのは作法として良くありません。神社によっては手順を掲示してくれている場合があるので、きちんと身を清めてから参拝に臨みましょう。
”身体に罪や穢れのあるとき,または神事の前に,川や海の水につかって,身体を洗い清めること。特に祭りの当事者や神役は,禊によって身体を清浄な状態にすることが必要であった。「記紀」によるとイザナギノミコトが黄泉 (よみ) 国から帰ったとき,筑紫日向の橘の小戸 (おど) の檍原 (あはぎはら) の流れで禊をしたのに始るとされる。”
参拝の作法
神前も同じく真ん中には立たないようにして、小さくお辞儀します。
鳥居をくぐる時から真ん中を歩かない癖を付けていると安心かもしれません。
お賽銭(おさいせん)
お賽銭を入れるときは投げたりせず、そっとお賽銭箱の中へ納めます。
お供え物として食べ物の代わりにお金を入れるのがお賽銭です。
半紙などに包んで納める場合もあります。
就職や進学、結婚などの御縁(ごえん)を望む場合は『5円玉』、不幸や厄を遠ざけたい場合は遠(とお)に掛けて『10円玉』を納めるというのが一般的です。
ゲン担ぎが好きな日本人らしいことですね。
もちろんのことですが、神社には両替機などはありません。お賽銭用の小銭は事前に用意しておくようにした方がいいでしょう。
鈴を鳴らす
上の方にある大きな鈴は本坪鈴(ほんつぼすず)、垂れ下がっている縄は鈴緒(すずお)といいます。
この鈴緒の下の方を持ち、優しく揺らして鈴を鳴らすことで邪気を払い、神様に呼びかけることが出来ます。
鈴を鳴らすタイミングはお賽銭の後や願掛けの後に行われます。
詳しくは決まっていないようですが、お賽銭を納めた後に鳴らす方が多いそうです。
神様を呼んで話しかけるわけですから、お祈りの前に鳴らすのがいいかもしれませんね。
拝礼(はいれい)
お祈り前には『二拝二拍手一拝』するという決まりがあります。
『二礼二拍手一礼』と呼ぶ神社もあります。
出雲大社だけは『二拝四拍手一拝』と、他の神社とは作法が異なります。
『二拝』まずは神様の方を向いて大きく2度お辞儀をします。
『二拍手』胸の前で2度手を叩き、手を合わせたまま願掛けを行います。
『一拝』感謝やお願いの意味も込めて、最後に1度頭を下げます。
願掛け
参拝が初めての神社であれば『氏名』『住所』と、お願いを聞いてもらうことへの感謝の気持ちを込めてお願い事を伝えるのが良いです。
神様にも何処の誰であるかを伝える必要があるんですね。
きちんと伝えておけば、もしかしたら自宅まで様子を見に来てくれるかもしれません。
二度目以降の参拝であれば、氏名や住所は省略しても問題ないです。
敷居は踏んではいけない
参拝の後、神社の敷地内を見せてもらうことがあると思います。
国宝や重要文化財など、貴重なものが保管されている建物の中に入る際に気を付けたいのは『敷居を踏まない』ことです。
神道に関する礼儀として、建物の中に入る際は敷居は踏まずに跨ぐようにしましょう。
敷居には火事などから家を守ってくれている神様がいて、そこを踏むことはとても失礼なことになります。
そんなことをしてしまっては、家を守る神様は出ていってしまいますね。
年配の方や神道に詳しい方、育ちの良い方はとても気にすることなので、気を付けましょう。
まとめ
いろいろと決まりごとが多いですが、絶対にその通りにしなければ神様はお願いを聞いてくれないなんてことはありません。
多少間違ってしまっても、きちんと参拝してくれようとしたんだなというのは伝わります。
気持ちが一番大切なんですね。
鳥居から神前まで『真ん中は通らない』、
手水舎で『両手・口・柄杓の柄』を清める、
『お賽銭』の後に『鈴』を鳴らして神様に呼びかけ、
『二拝二拍手一拝』を守って願掛けをします。
願掛けは『氏名』と『住所』も伝えましょう。
そして、『敷居は踏まない』
これさえ知っていれば恥をかくようなことはありませんし、神様もお願いごとに耳を傾けてくれることと思います。
最近は観光客も多いですが、参拝の作法を知らない観光客がたくさんいたとしてもお手本になることが出来ます。
さすが日本人だ、と言われるような振る舞いが出来ればいいですね。
お寺の参拝についてはこちらの記事をどうぞ
(Author:仁科はる)
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