妖怪の伝説と関わりのあるヤバイ神社仏閣【厳選3か所】







全国各地にある『妖怪の話』

今回紹介するのは妖怪界のボスとも言われる『酒呑童子(しゅてんどうじ)』を含めた3体の妖怪に関わるお話です。

なんと、この妖怪たちが関わる寺社があったのです。

 

最近は『妖怪ウォッチ』や漫画『ぬらりひょんの孫』など妖怪を題材にしたアニメや漫画作品が多く、妖怪の名前を聞く機会も増えました。

元になった昔話とともに、詳しくご紹介したいと思います。

 

酒呑童子の首塚『首塚大明神』

京都最大の心霊スポットでありミステリースポットでもある『首塚大明神』は、京都市内から亀岡方面へ向かう国道9号線の途中にあります。

ここには『女性一人では近付かない』『遊び半分で行かない』という人がいるほどで、本格的にヤバい場所です。

それもそのはず、あの『酒呑童子』の首が埋められているからです。

 

『酒呑童子の伝説』とは、昔話『大江山の鬼退治』のことです。

平安時代にいた絶世の美男子。

彼はとても大酒呑みだったので『酒呑童子』と呼ばれていました。

その美男子っぷりときたら大勢の女の人を一目惚れさせてしまうほどだったそうです。

しかし酒吞童子は言い寄られても全部断っていました。

報われない恋をした女性たちは恋煩いを拗らせて死んでしまいます。

しかし酒呑童子は申し訳なく思うことも無く、貰った恋文を焼き捨ててしまいました。その煙を浴びて、酒呑童子は鬼になってしまったのです。

 

酒吞童子が鬼になってからは仲間と悪行三昧。

陰陽師『安倍晴明』に占わせて酒呑童子による犯行だと突き止めた一条天皇は、ついに鬼退治の命令を出します。

この時、鬼退治に出たのが『源頼光』と、家来である四天王『渡辺綱』『碓井貞光』『卜部季武』『坂田金時(金太郎)』でした。

頼光たちは酒呑童子に深い眠りに誘う毒入りの酒を飲ませ、源氏の重宝『鬼切丸(髭切)』でその首を切り落とします。

 

討ち取った首を持ち帰る際、お地蔵さんが現れて「不浄なものを持ってくるな」と言いました。

そして酒呑童子の首はどんどん重くなり、ついには動かせなくなってしまいます。

仕方がないので、困った頼光たちはその場所に酒吞童子の首を埋葬したのでした。

そしてそこに建てられたのが『首塚大明神』というわけです。

 

『首塚大明神』は参拝すると首から上の病気が治ると言われていますが、周辺は昼間でも薄暗く人通りも少ない場所です。

また、遊び半分で近付いたり悪戯をして事故に遭ったりという話が非常に多く、相当強い力が眠っているので本当に困って神頼みをする時にだけ参拝に行くのがいいのかもしれません。


 

 

土蜘蛛塚(つちぐもづか)『上品蓮台寺(じょうぽんれんだいじ)』

京都府京都市北区紫野十二坊町にある『上品蓮台寺』は京都市営バス『千本鞍馬口』が最寄りのバス停です。

上品蓮台寺の境内墓所に『蜘蛛塚』とも呼ばれる『源頼光朝臣塚』があります。

お気付きの通り、ここにも『源頼光』が関わっています。

何故『蜘蛛塚』と呼ばれているのか、、、

 

頼光はこの場所でも妖怪に出会います。

 

酒呑童子を退治した源頼光が謎の熱病にかかってしまいます。

ある日の夜、枕元に怪しげな法師が現れて『もっと苦しめ』と言って襲い掛かってきました。

この時に使った刀は源氏の重宝『膝丸』です。

膝丸で斬り付けると、法師はふわりと姿を消してしまいます。

翌朝、自分を襲った法師を始末するよう命令して四天王に追わせます。

斬り付けられた法師の血を辿っていくと、塚の中でうごめく巨大な蜘蛛を見つけました。

四天王たちがその蜘蛛を退治して賀茂川に晒すと、頼光の熱病はすぐに治ったといいます。

 

この巨大な蜘蛛というのが『土蜘蛛』です。

最近ではメジャーな妖怪で、この土蜘蛛退治の話は能や歌舞伎の演目にもなっています。

 

『蜘蛛塚』の場所は、境内北端の墓所です。

葉の生い茂る時期にも関わらず、葉も花も何も付けていない枝を不気味にくねらせた巨木があり、見るからに怪しげで出来れば夜には近寄りたくないような場所です。

その巨木の下に『源頼光朝臣塚』と書かれた石碑がありました。

退治された土蜘蛛が埋められた場所だと言われていて、この木を切ろうとした人が謎の病に伏したりと事故が相次いだそうです。

納得の不気味さがあり、ゾクッとします。

土蜘蛛の正体ですが、天皇に恭順しなかった者たちを指した名だということで元々は人間だそうです。


 

安珍・清姫伝説『道成寺(どうじょうじ)』『妙満寺(みょうまんじ)』

和歌山県日高郡日高川町にある『道成寺』と京都市左京区岩倉幡枝町にある『妙満寺』は、あの有名な『安珍・清姫伝説』と深い関わりのあるお寺です。

 

『安珍・清姫伝説』とは、能楽や歌舞伎の演目になった有名なお話

旅の途中、一晩泊めてくれと言ってきた僧侶『安珍』に、家の主庄司清次の娘『清姫』は恋をします。

言い寄る清姫に安珍は「帰りにまた寄る」と約束をして去ります。

 

しかし帰りに立ち寄ることはなく、騙されたのだと知った清姫は激怒して逃げる安珍を追いかけます。

安珍は『道成寺』に逃げ込みました。

清姫は諦めることなく執拗に追い回し、気付けば火を噴く大蛇の化け物になっていました。

そして鐘の中に隠れていた安珍を見つけると、その鐘に巻き付きついには火で安珍を焼き殺してしまいます。

清姫自身も、この後蛇の姿のまま入水自殺しました。

 

数百年後、道成寺では鐘の供養を盛大に行います。

そこへ白拍子が現れ舞を踊りました。

踊りが終わると鐘は落下し、白拍子は大蛇になって日高川へ姿を消します。

白拍子は清姫が化けて出た姿で、呪われた鐘は山に捨てられることになりました。

さらに200年後

豊臣秀吉の配下が呪われた鐘を京都まで持ち帰り『妙満寺』の日殷大僧正が供養し祓い清めて呪いが解かれ、音色の美しい霊鐘となったのだと伝えられています。

 

安珍が逃げ込み、清姫に殺された『道成寺』、そしてその鐘を宝物殿に安置している『妙満寺』。

道成寺では絵巻を使った日本唯一の『絵説き説法』が行われ、妙満寺では解説本の販売が行われているということです。

道成寺


 

妙満寺


 

スマホアプリ『陰陽師』に出てくる『清姫』も、毒を噴く蛇の妖怪です。

なるほど、背景を知るとさらに愛着がわきますね。

ちなみに『酒呑童子』も出てきます。

キャラクターとして脚色はされていますが、名前を知ることで伝説を知る良いきっかけになるのではないでしょうか。

 

まとめ

 

有名どころの妖怪たちの昔話はいかがだったでしょうか?

酒呑童子も土蜘蛛も清姫も、元は普通の人間でした。

強い感情は時に人を化け物に変えてしまうんですね。

 

ものすごく怒った顔のことを『鬼の形相』なんて言いますし、昔の人は鬼だとか蛇だとかに例えて後世に話を伝えやすいようにしたのかもしれません。

よく考えれば幽霊も元は人間で、呪いは人間の強い情念です。

この世で一番怖いのは、やはり人間なのでしょう。

妖怪にゆかりのある寺社巡りをする際には、祟りをもらうようなことの無いようにしたいものです。










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