肩の高さが左右で違う?姿勢が悪い?その原因や治療法!もしかしたら側弯症かも?







肩の高さが左右で違う、片方の肩甲骨が飛び出しているなど、お子さんの姿勢で気になることはありませんか。

背骨が曲がる「側弯症(そくわんしょう)」は、10歳以降の女の子に発症しやすい疾患です。

側弯症は早期発見が大切な病気ですので、まずはご自宅でお子さんの身体をチェックしてみましょう。

 

また、大人の側弯症も近年の高齢化にともない、増加傾向にあります。

側弯症になると背中や腰が痛み、脚に痛みや痺れなどが生じはじめると、日常生活にも支障が出てしまいます。

 

そこで今回は、子供と大人の側弯症の原因や治療法などをご紹介していきます。

ただ姿勢が悪いだけだと思って側弯症を放置していると段々と悪化してしまいますので、こちらの記事を読んで側弯症が疑われる場合はすぐに病院に行って診察を受けて下さい。

 

思春期の女子に多い、原因不明の『側弯症(そくわんしょう)』

脊柱側弯症の80%前後を占める、原因不明の「特発性(とくはつせい)側弯症」は、思春期のやせ型の女子に多くみられます。

 

頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨と尾骨からなる背骨を脊柱(せきちゅう)と呼びます。

この脊柱を前や後ろから見たとき、左右に曲がり、ねじれた状態が「脊柱側弯症(せきちゅうそくわんしょう)」です。

側弯症は自宅でのチェックと学校検診などで、弯曲が進行する前に見つけて治療することが重要です。

 

背骨が元に戻らない「構築性脊柱側弯症」

構築性脊柱側弯症には、原因不明のものと原因の疾患がわかっている側弯症があります。

 

10歳以降に発症しやすい「特発性側弯症」

特発性側弯症では、背骨のねじれや変形肋骨と胸郭(胸部のカゴ状の骨格)の変形がみられます。

10歳以降に発症したものは、思春期特発性側弯症と呼ばれ、年齢とともに症状は進行しやすいでしょう。

 

いまだ原因は不明ですが、特定の遺伝子が関与しているとの報告があります。

重いカバンの持ち方が原因と思われがちですが、側弯症との因果関係は不明です。

 

青年期は痛みが少ないですが、容姿にコンプレックスを抱き、うつ状態になることがあります。

側弯の角度が高度の患者さんは、閉経後に骨粗鬆症を患うと、側弯が進行して背腰部痛が生じやすいでしょう。

 

自宅での側弯症チェック

お子さんの姿勢が気になったら、立位で後ろから確認してみてください。

側弯症を早期に発見することが、側弯症の進行防止に役立ちます。

 

  • 肩の高さが左右で違う
  • 腰のくびれ方が左右で違う
  • 体のバランスが悪い
  • 骨盤の高さが左右で違う
  • 片側の肩甲骨がとび出している
  • 片側の背中や腰が盛り上がっている
  • スカートのすそが傾く

※これらの兆候があれば要注意です。

 

前屈テスト

子供の側弯症の早期発見には、「前屈テスト」が有用です。

軽く足を開いて立ち、両手のひらを合わせて、ヘソをのぞくように90°前屈します。

背中や腰の盛り上がりに左右差(1~1.5cm以上)があれば、側弯症が疑われます。

 

特発性側弯症の検査と治療は?

特発性側弯症は整形外科医による視診と触診、前屈テストなどのあと、X線検査で診断をします。

X線の負担がないモアレ撮影も、体表のひずみを発見するのに有効とされています。

 

治療は、側弯の程度(角度)と骨の成熟度などにより、経過観察や装具治療、手術が検討されます。

経過観察では、年に2~3回の定期検診をおこないます。

なお運動療法などのリハビリで、背腰部痛を軽減することはできますが、側弯症を治すことはできないとされています。

また、カルシウム摂取による側弯症の予防効果については、未だ科学的根拠はありません。

 

装具治療は14~15歳以下の患者さんに適用され、3~4ヵ月ごとにX線検査でチェックします。

良好な治療効果を得るためには、お風呂と体育の時以外は装着することがすすめられるでしょう。

側弯の角度(コブ角)が50度以上になってしまうと、成長期が終了しても側弯が進行しやすいので(1年に1度)、成長期にしっかり装具治療を行うことが重要です。

 

手術は、側弯の矯正と痛みの軽減、側弯の進行と心肺機能悪化の防止、容姿の矯正を目的とします。

術前には、自己血輸血のための採血と、CTやMRI検査、血液検査や心電図、胸部X線検査などが行われるでしょう。

手術では、チタン合金などの器具で、背骨を矯正固定し、自分の骨や人工骨を移植して、背骨どうしをくっつけます(骨癒合)。

通常、手術時間は約6時間、入院期間は2~4週間ですが、症状や年齢により変わります。

 

背骨の変形が原因の「先天性側弯症」

先天性側弯症椎体(背骨を構成する円柱状の骨)の変形のため、成長期に背骨の左右差が生じ側弯します。

泌尿器や心臓などの臓器の異常を伴い、何度か手術を受ける場合が多いです。

 

さまざまな疾患が原因の「症候性側弯症」

  • 神経疾患:脊髄などの異常により、背中やわき腹の筋肉が麻痺し、脊柱を支えられずに側弯します。(脊髄空洞症、脳性麻痺など)
  • 筋肉疾患:筋ジストロフィーなどの筋肉が委縮する疾患のため、脊柱を支えきれずに側弯します。
  • 間葉系疾患:先天性疾患のマルファン症候群など、血管や結合組織の異常で側弯します。
  • 神経線維腫症:神経線維に腫瘍ができる先天性の疾患です。ミルクコーヒー色の斑点ができ、側弯は重度になりやすいです。
  • その他の原因:病気やケガによる脊髄麻痺、ケロイド、くる病、脊椎の腫瘍など。

 

背骨が元に戻る「機能的脊柱側弯症」

 

機能的脊柱側弯症では、背骨の弯曲は軽度で、ねじれを伴わず、背骨そのものに原因はありません。

腰の疾患や悪い姿勢、骨盤のねじれなどの原因を解決すれば、症状は軽減または消失するので、側弯症の治療は不要です。

腰椎椎間板ヘルニアの痛みを避けるための「疼痛性側弯(とうつうせいそくわん)」、脚の長さに左右差がありバランスをとるための「代償性側弯」などがあります。

 

近年増加している大人の側弯症

中年以降の女性に多い大人の側弯症は、後弯症(こうわんしょう)を合併しやすいです。

 

大人の側弯症は、「成人側弯症」と「変性側弯症」の2種類

大人の側弯症には、思春期の側弯症が悪化しておこる「成人側弯症」と、加齢による椎間板(背骨の間のクッション)変性などが原因の「変性側弯症」があります。

 

成人側弯症

側弯の角度が高度の患者さんは、成長期終了後も1年に1度ほど側弯が進行して、成人側弯症となります。

また、特発性側弯症の女性が、骨がもろくなる骨粗鬆症になり、転倒などで背骨を圧迫骨折すると、側弯が急激に進行してしまうことがあります。

 

変性側弯症

変性側弯症は、思春期に側弯がなくても、中年以降の加齢変性で発症する側弯症です。

特に、背骨を支える腹筋や背筋の弱い、高齢の女性に多くみられます。

腰椎に多く、腰椎近くの胸椎に生じることもあります。

 

座位や立位がつらい「腰椎変性側弯症」

「腰椎変性側弯症」は、椎間板や椎間関節(上下の背骨がつくるの関節)が加齢変性をおこし、背中や腰が痛む疾患です。

背骨が後に曲がる後弯症(こうわんしょう)を合併しやすく、「成人脊柱変形症」とも呼ばれます。

 

腰椎変性側弯症では、長時間の座位や立位で腰が痛み、寝ると楽になります。

側弯や後弯が進行すると、坐骨神経痛症状(脚の痛み、痺れ、筋力低下など)が生じることがあります。

これらの症状の原因には、脊柱管狭窄症が関与していることも多いでしょう。

 

※坐骨神経痛はこちらを参考にしてください。
「坐骨(ざこつ)神経痛の原因と症状!治し方のポイントはツボにあり!」

※脊柱管狭窄症はこちらを参考にしてください。
「腰部脊柱管狭窄症の症状と原因、治療について徹底解説!」

 

デスクワークや体重過多の人は、側弯が進行するリスクが高いとされています。

適度な運動と適切な食事、特にカルシウムやビタミンDに配慮してください。

また、お酒やたばこ、コーヒーの多量摂取は、骨密度に影響するのでなるべく控えましょう。

 

X線やMRI検査で診断し、保存療法(安静、内服薬、ブロック注射など)が施されます。

運動療法は側弯を治せませんが、痛みを制御する効果は期待できます。

側弯が進行して痛みが強く、呼吸器機能や歩行能力が低下して、日常生活が困難な場合には手術を検討します。

 

脊柱変形症の手術は、長い範囲を矯正固定する大手術ですが、近年は新しい手術法が導入され、患者さんの負担が少なくなってきています。

手術をご検討の際は、脊椎脊髄病専門医の診察を受けることをおすすめします。

 

※日本脊椎脊髄病学会 指導医リスト https://area18.smp.ne.jp/area/table/9662/6cPeec/M?S=ljrhm2pbmjp

※日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医名簿 https://www.joa.or.jp/search_doctor.html

 

腰骨が後に曲がる「腰椎変性後弯症」

腰骨が後に弯曲する「腰椎変性後弯症」の患者さんが女性に多い理由は、背骨を支える筋肉が弱く、骨粗鬆症で骨が弱くなっているためで、女性ホルモンの関与も指摘されています。

また、家事や仕事など、日常生活で前かがみの姿勢をとることが多いため、後弯症が多いとも考えられます。

 

症状は主に、背骨の周りの痛みと脚の痛みで、長時間同じ姿勢がつらいので、立位での調理を苦痛に感じる患者さんが多いです。

腰が曲がって胃腸を圧迫するので、胸焼けをおこす逆流性食道炎を合併しやすいでしょう。

さらに肺機能の低下したり、バランスが悪くなるために転びやすく、骨折により寝たきりになることもあります。

 

X線検査で診断、鎮痛剤などの薬物療法で、痛みをコントロールし、日常生活で動きやすくします。

うつ伏せの姿勢をとることから始め、背筋と腹筋の筋力を維持、増強させる筋肉トレーニングが有効とされます。

 

保存療法が無効で、痛みが強く日常生活に支障がある場合は、手術が検討されます。

長い範囲を矯正固定する大手術で、特に骨の弱い高齢者の場合は、手術時間が6~12時間におよぶこともあるでしょう。

矯正手術は、最も難しい脊椎手術のひとつとされているので、手術経験の豊富な病院を選択しましょう。

 

※日本側彎症学会に所属している医療機関 http://www.sokuwan.jp/society/docters_kanto.html

 

側弯症治療の第一歩は、セルフチェック

 

側弯症の学校検診は、2016年から「運動器学校検診」となりました。

家庭での背骨の評価に基づき、学校医が判定、必要であれば整形外科を受診します。

お子さんの姿勢が少しでも気になったら、側弯症のセルフチェック前屈テストを行ってみてください。

他の疾患と同様に、側弯症も早期発見と早期治療が重要なので、家庭での気付きが大切です。

 

特発性脊柱側弯症の場合、装具治療と手術以外の治療は医学的根拠に乏しく、また運動による予防法や矯正法も確立されていません。

しかし最近は側弯症のリハビリとして、側弯トレーニングなどに力を入れている医療施設も増えています。

側弯症は治らない病気だと諦めず、専門病院のもとで前向きに取り組んでみてはいかがでしょうか。










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