体に青あざが出来たり、鼻や歯茎から血が出やすいということはありませんか?
ちょっとぶつけただけ、ちょっと血が出やすくなっているだけと思って放っておくと、もっと大きな出血を引き起こしかねません。
特に心臓や脳に持病があって血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は注意が必要です。
今回は血が出やすくなる原因についてご紹介します。
血が出る、血が止まるってどういうこと?
血が出るというのは、血管が破れて中を通っていた血液が外に漏れ出ることです。
この血管が破れたままでいると、血液が漏れ続けて失血してしまいますので、この血管をふさぐ必要かあります。
血管が破れると、まず血小板という細胞が破れた部位に集まって、穴をふさぎます。
この現象を「一次止血」と言います。
血小板による一次止血は非常に弱く壊れやすいもので、そのままではまたいつ血液が漏れてしまうかわかりません。
ですから、この一次止血した部位に「凝固因子」と呼ばれる多くのタンパク質が集まって、「フィブリン」という網を作ります。
「フィブリン」の網に血小板が絡まることによって、止血がより強固になります。
このフィブリンによる止血を「二次止血」といいます。
「一次止血」と「二次止血」がなされることでしっかりと傷口が塞がり、血が止まるのです。
血が出やすくなる出血傾向の症状とは?
血が出やすい状況のことを「出血傾向」といいます。
出血傾向になると、以下のような症状が現れます。
- 鼻や歯茎から血が出る
- 青あざが出来る
- 下血(お尻から出血)や、黒色便が出る
- 吐血
- 血尿
- 脳出血
出血傾向の度合いは様々ですが、脳で起こると脳出血となり、命にかかわる場合もあります。
出血傾向の原因
出血傾向の原因は大きく分けて3つあります。
- 血管がもろくなり、破れやすくなる
- 血小板の数が少なくなったり機能が弱まったりして、一次止血がうまくできなくなる
- 凝固因子が少なくなったり機能が弱まったりして。二次止血がうまくできまくなる
出血傾向がこの3つのどの原因で起こっているかを調べないことには、適切な治療は出来ません。
病院を受診すると、まず血液を調べて②③の原因がないか調べることが多いです。
ちなみに、これらが原因で起こる出血傾向の場合、出血症状は全身で見られます。
「毎日鼻血だけ出る」とか「歯茎からだけ血が出やすい」という場合には、出血傾向というよりは鼻や歯茎に原因があると考える方が自然でしょう。
ただし、鼻血や歯茎からの出血から、「青あざもよくできる」など他の部位の出血があることに気がつくケースもあります。
たかが鼻血・歯茎からの出血と考えず、他の症状も現れていないかセルフチェックすることが大切です。
血が出やすく血液を固まりにくくする薬を飲んでいて心配
心臓や脳に持病があって血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人もいるでしょう。
血液を固まりにくくする薬は大きく分けて次の2つに分けられます。
抗血小板薬
血小板の働きを抑制することで一次止血を抑制し、その結果血液が固まらないようにしています。
薬の種類としては
- アスピリン
- チクロビン
- クロビドグレル
などがあります。
抗凝固薬
凝固因子の働きを抑制することで二次止血を抑制し、その結果血液が固まらないようにしています。
薬の種類としては
- ワーファリン
- ヘパリン
などがあります。
医師は患者さんの状態をよく観察し、患者さんそれぞれに最適な種類と量になるように薬を処方しています。
ですから、出血傾向が心配だからと自己判断で薬を減らすようなことはしてはいけません。
医師の指示通りに薬を服用するというのが最も大切です。
もし薬を服用していて前に述べたような出血傾向の症状が現れた場合は、次の診察時まで様子を見るのではなく、すぐに病院に連絡をしましょう。
また、ワーファリンは食べ物によって効果に影響が出ることで有名です。
納豆や緑黄色野菜などはワーファリンの作用を弱めてしまいますので、服用中は食べないようにしましょう。
最近はワーファリンに代わる新薬も登場しています。
新薬は同じような作用で食事制限が不要なので、どうしても食事制限が辛い方は考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
初めはわずかな出血でも、そのままにしておくと他の場所で大きな出血を引き起こすかもしれません。
ちょっとした出血と甘く見るのではなく、出血傾向の症状が続く場合は医師の診断を受けるようにしましょう。
- 出血は血管が破れ、血液が外に漏れだすことをいう。
- 止血は血小板による一次止血と、凝固因子による二次止血がある。
- 出血傾向とは血が出やすい状態のことをいい、鼻血や歯茎からの出血を始め、消化管からの出血、血尿、脳出血などがある。
- 出血傾向の原因は「血管が破れやすい」「一次止血がうまくいかない」「二次止血がうまくいかない」の3パターンがある。
- 血液を止まりにくくする薬は、大きく分けて抗血小板薬と抗凝固薬の2つに分けられる。
- いずれの薬を服用している場合でも、医師の処方通りに服用し、出血傾向が見られたら早めに病院へ連絡する。
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