こんにちは。ボードゲーム愛好歴20年のシグルンです。
今回ご紹介するのはスチームパンクなボードゲーム『イマジナリウム』です。
ドイツ年間ゲーム大賞を取った『キングドミノ』や『世界の七不思議:デュエル』を作ったデザイナー、ブルーノ・カタラの2018年作品です。
前評はあまり聞こえてこなかったのですが、ボードゲームデータベースサイトのBoardGameGeek(BGG)では「キングドミノ」が7.4/10点に対し、『イマジナリウム』は、7.8/10点ととても評価の高いゲームです。
ゲームの世界観
”~我々は巨大な入口から工場へと入っていく。
注意することだ。この重い鋼の扉の後ろには、夢の本質そのものが形作られている場所だ!
この巨大な金属の階段が何だかわかるか?
この先にあるのは壊れた機械を運ぶベルトコンベヤで、そのどれもが修理を待ち望んでいる。
おお、この奇妙で見事なる原材生産機よ!
こちらは設計室だ。プロジェクトを完成させることで、君は闇の中からスポットライトへと歩み出せるのだ。
この先の詳細に関してつきあっては差し上げるが、ここで創られる信じられないような夢の数々を明かすようなことは出来ない…守秘義務があるもので…~”
ゲームの概要・ジャンル
まずは美麗なアートワークが目を惹きます。
スチームパンクと呼ばれる蒸気時代のファンタジー世界が舞台寄りです。
世界観が凝っていてゲームボードのスペースや助手などの雰囲気がとても良いです。
『イマジナリウム』はワーカープレイスメントとリソースマネジメントのゲームですが、『キングドミノ』時のように、手番順を欲しいカードの前に置くことによって決定するルールを採用しています。
ゲームの準備と遊び方
プレイヤーは夢の世界で機械を分解したり組み合わせたりしながら、プロジェクトに必要な黒炭素や資材を獲得していきます。
様々なプロジェクトを完成させて多くの勝利点を得たプレイヤーが勝利します。
内容物と使い方
- がらくた場…中心となるゲームボード。
- 資源キューブ…木材、銅、水晶の3種。
- 黒炭素…このゲームにおける通貨。資源や助手、勝利点の購入に使用する。
- スクリーン…手元の資源や勝利点を隠すための衝立。
- 作業場…個人ボード(プレイヤーボード)。ここでアクションを選択し、修理品を格納する。修理品は4つまで格納できる。
- 機械カード
生産機械…資源や黒炭素を生産
変換機械…資源や黒炭素を他の資源に変換
攻撃機械…他のプレイヤーの資源を盗んだり邪魔をする
防御機械…攻撃機械からプレイヤーを守る
特殊機械…勝利点を生み出したり、破壊された機会を再利用する - 助手カード…作業効率を上げる。最大3人まで雇える。
- プロジェクトタイル…勝利点を獲得するための基本的な手段。
- プロジェクト完成トークン…完成したプロジェクトがあればトークンを置いて提示
- 勝利点トークン…プロジェクトを完成させたり、一部の機械のアクションによってもらえる
- 雑用係…プレイヤーコマ。
ゲームの準備
- 「がらくた場」をプレイエリアの中央に置く。
- 資材と黒炭素を収納箱に入れ(リザーブ)、「がらくた場」の中央に配置する。
- 「作業場」をランダムで選び、「作業場」に描かれた資源と機械を初期所有物として受け取る。
- スクリーンを1枚選び、受け取った資源の背後に置き、他プレイヤーから見えないよう覆う。
- スクリーンと同じ「雑用係」を受け取り、「作業場」右上に描かれたホイールの番号に合わせて「がらくた場」のイニシアチブトラック(階段)に配置する。
- スクリーンと同じ色の「プロジェクト完成トークン」を受け取り、スクリーンで覆う。
- 残りの「機械カード」をよく切り、山札として「がらくた場」のロボットが描かれたスペースに裏向きに置く。
上から7枚のカードを引き、カードのレベルの昇順になるよう「がらくた場」のベルトコンベアスペースに表向きに並べる。
※「攻撃機械」がある場合は山札のランダムな位置に戻し、新たに引き直す。 - 「助手カード」をよく切り、山札として「がらくた場」の会議テーブルが描かれたスペースに裏向きに置く。
上から3枚のカードを引き、表向きにして山札の隣に並べる。 - 「プロジェクトカード」をよく切り、プレイヤー人数に合わせ「がらくた場」の設計室スペースに並べる。
- 勝利点トークンを「がらくた場」のそばにまとめて置く。
ゲームの進め方
1.計画
「がらくた場」のイニシアチブトラックの順に、各プレイヤーは自分の雑用係を空いている以下のいずれかのスペースに置きます。
- 入手可能な機械の前
- 3つある黒炭素抽出機のいずれかの前
2.実装
「機械カード」の山札に一番近い雑用係矢印の順に従って(「機械カード」の山札→黒炭素抽出機)各プレイヤーは以下を実行します。
- 作業場の機械の使用
手元の作業場にある「機械カード」を好きな順に使用し「機械カード」に描かれた資源や勝利点を産出します。
獲得した資源や勝利ポイントは自分のスクリーンで隠れるように置きます。
- 確保した機械の入手や黒炭素の抽出
「計画」フェイズで選んだ方を獲得します。
機械…カードに描かれたコストと、「がらくた場」のベルトコンベヤに描かれたコスト分黒炭素を支払い、「機械」を確保します。
黒炭素抽出機…該当スペースに描かれた黒炭素を受け取り、自分のスクリーンで隠れるように置きます。
- アクション2つの実行
「作業場」に描かれたアクションの中から実行可能なものを2つ選び、アクションを実施します。
「雇用」…黒炭素で「助手カード」に描かれたコストを支払い作業場に1人配置します。
「抽出」…「リザーブ」より黒炭素3つを受け取り、自分のスクリーンで隠れるように置きます。
「修理」…確保した「機械カード」に描かれた資源を支払い稼働させます。
「取引」…資源の購入や売却、勝利点の購入が出来ます。
「分解」…所有する「機械カード」を1つ分解し、「機械カード」に描かれた資源や勝利ポイントを回収します。
「整理」…「作業場」の修理品を並び替えたり、合成したりして「作業場」に空きスペースを作ることが出来ます。
- プロジェクトの完成
条件を満たしたプロジェクトがあれば、「がらくた場」の設計室スペースにある「プロジェクトカード」の上に自分のプロジェクト完成トークンを置き、指定の勝利点トークンを受け取ります。
3.チェックとリセット
- チェック
手持ちの勝利点をチェックし、20点以上持っているプレイヤーがいればゲームは終了となります。
- リセット
20点獲得しているプレイヤーがいない場合
- 「がらくた場」の公開されている機械カードの中で一番右側の機械カードを捨て札にします。
- 残った「機械カード」を右端に詰めるように移動させます。
- ベルトコンベヤの空いたスペース全てに機械の山札のカードを引いて埋めていきます。
- 会議室の空いたスペース全てに助手の山札のカードを引いて埋めていきます。
ゲームの終了
いずれかのプレイヤーの勝利点が20点になった時点で終了となります。
各自スクリーンを取り除いて資源と黒炭素を公開し、各資源と黒炭素のそれぞれにつき最も多く所持しているプレイヤーは勝利点を2点追加できます。
最も多くの勝利点を持つプレイヤーが機械技師の命を受ける第一雑用係となります。
まとめ
使用するキューブやカード類の殆どがゲームボード上に乗せられてスッキリまとまる点も視覚的に分かり易いので遊びやすい印象を受けます。
プレイするなかでいくつか選択肢はありますが、大きく分けると《資源を集めるか》《お金を受け取るか》の2択です。
そのため、プレイ自体は比較的シンプルなルールで、勝つには戦略が必要な好バランスのボードゲームです。
効率よく絡めて新たな助手や機械を入手していきながら、妨害などの他プレイヤーとの絡みもあり、他プレイヤーの動向や対策にも気を配る必要がある丁寧な作りのおススメのボードゲームです。
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:90分
状況:発売中
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