こんにちは。ボードゲーム愛好歴20年のシグルンです。
今回紹介するおススメのボードゲームは『ラー』です。
新作のボードゲームが多く出回るようになった今日で、1999年に発売されたゲームはあまり話題にならないかもしれません。
ですがこのゲーム、現在もまだ発売されている名作ゲームの一つです。
通常競りゲームというのは敷居が高いイメージがありますが、『ラー』はとても遊びやすいので、競りゲームが苦手な人や始めての方に向けてご紹介していきます。
太陽神ラーと古代エジプト
タイトルは古代エジプトの太陽神の名前で、ハヤブサの頭を持つ神です。
このゲームの箱絵や駒、時間の経過を表すタイルに使われています。直接ゲームに関わる神ではないので、シンボルの意味合いが強い神です。
ボードゲームは古代エジプトが舞台のものが比較的あります。やはり象形文字や神々の姿、建造物が魅力的だからでしょうか。
このゲームのデザイナーであるライナー・クニツィアも他に「アメン・ラー」「ツタンカーメン」「ラムセス王のピラミッド」などを手掛けています。
デザイナーのライナー・クニツィア
数学博士号を取得しており、これまでに600以上ものゲームを作っています。通称クニチー。
クニツィアの作品は、ゲーム大賞はなかなか取れないものの大賞候補にはまず入っています。
競りや、ジレンマを与える軽めのゲームを得意とするデザイナーで、クニツィアの作品は最初に買うボードゲームとしてもおススメです。
『ラー』というボードゲーム
『ラー』の特徴を簡単に紹介します。
ゲームのジャンル
コンピュータゲームですと「RPG」「アクション」「シューティング」「シミュレーション」「パズル」など、どんなゲームかすぐ分かるジャンルが用いられます。
ボードゲームも同様で、どういうゲームなのかすぐ分かるようジャンルで表現されることが多くあります。
『ラー』は競り+セットコレクションのゲームです。
競り
ゲームで使用されるカードや厚紙のタイル等に描かれたアイテムや効果を所持金を使って競り落として手に入れます。
また、そのカードやタイルを欲しがっている人に対し、値を吊り上げ相手の所持金を干す…という戦略も取れます。
『ラー』はゲーム上、上記戦略が取れないゲームですが、多くの競りゲームはそういった戦略を用い、読み合い、勝利を目指します。
セットコレクション
トランプや麻雀で言う所の「役」です。ボードゲームでは主にセットコレクションと呼ばれます。
同じシンボルが描かれたものや、1つずつ異なるシンボルで揃えることで得点を得られます。
ゲームの目的
古代エジプト的に言うと、【①古王国、中王国、新王国の三時代を通じて、②文明を興し、ナイルを潤し、建造物を建て③繁栄させる】のが目的です。
ゲームシステム的に言うと、【①ラウンドもしくはゲーム終了までに、②文明/ナイル/建造物タイルを競り落として役を作り③得点を得る】のが目的です。
古代エジプト面とゲームシステム面の①~③はそれぞれリンクしています。
この後詳しくご説明します。
『ラー』の準備と遊び方
細かい所はルールブックを読めばすぐ分かりますので、ここではザックリと、大まかな流れが分かるように説明します。
ゲームを始める前に
1.全てのタイルを袋に入れます。
タイルには、
・時間の経過を表す「ラー」
・役を作るための「文明」「建造物」「ナイル」
・せっかく集めた役・ファラオタイルを場から取り除いてしまう「災厄」
・オマケで得点になる「金貨」
・得点もしくは、競り前の公開タイルと交換が出来る「神」
・条件次第で得点にも失点にもなる「ファラオ」
があります。
2.所持金を用意します。
『ラー』には1~16まで書かれた駒があり、人数によってその数字の組み合わせが決められているのです。
例えば3・6・9・12の駒を持っているとしたら、競りの時に「5」や「10」と言った競り値の付け方は出来ません。
「7」を出している人に競り勝ちたい場合は「9」か「12」を出します。
『ラー』の所持金は公開情報となっており、誰がどの数字の駒を持っていて、あと何回競りに参加できるか等が一目で分かります。
なので複雑な読み合いの無いスッキリとした競りになるので、競りゲームの入門におススメのボードゲームなのです。
3.「1」の数字駒をゲームボードの中央に置きます。
進め方
自分の手番が来たら、以下の3つのうち1つ選んで行動を取ります。
1.袋からタイルを1枚引き、ゲームボードの所定の位置に置く。
「ラー」を引いたら「ラー・トラック」に置きます。右端まで埋まったらラウンド終了となり一部の得点計算が行われます。
それ以外のタイルは「オークション・トラック」に置きます。
2.競りを開始する。
オークション・トラックに置かれた全てのタイルに対して一括で競りを行います。
競りの開始を宣言した者から順に、競り値をを付けていき、一番高値をつけた者が全てのタイルを獲得し自分の前のスペース前の(場)に並べます。
落札者はゲームボード中央にストックされている数字駒も取得し、代わりに今回競り値に使用した駒をゲームボード中央に伏せておきます。
次の競りで落札した者は、この中央にストックされた数字駒を取得出来ますが、今ラウンドの間は伏せたままで使用出来ません。次ラウンド以降に使用出来るようになります。
3.「神」タイルを使用する。
自分の場に置かれた「神」タイルがあれば、オークション・トラックに置かれた「神」タイル以外の好きなタイルを、手持ちの使用したい「神」タイルと同じ枚数を取得出来ます。
使用した「神」タイルはゲームから取り除かれます。
決算
自分の数字駒が全て伏せられたものになった場合か、「ラー」タイルが右端まで届いた場合、ラウンドが終了となります。
「神」「金貨」「文明」「洪水」タイルは得点計算をし、これらのタイルはゲームから取り除かれます。
「ファラオ」「建造物」「ナイル」は場に残したままにし、最終ラウンドで決算します。
以上を3回行い(古王国ラウンド、中王国ラウンド、新王国ラウンド)最後の得点計算で一番得点が高い者が勝者となります。
まとめ
『ラー』は”クニツィア三大競りゲーム”と呼ばれるものの一つです。
恐らく競りゲームが好きな方は残り二つの「モダンアート」か「メディチ」を推すでしょう。
ですが競りの相場観が分からない…競りゲームが苦手・初めてという方には『ラー』はおススメのボードゲームです。
『ラー』は皆の所持金が見えているので競り値をつけるのにそれほど悩まないのが特徴です。
実は筆者も競りゲームは苦手意識が強く、そんな折に NPO法人 世界のボードゲームを広める会ゆうもあ で活動されているT氏と、Catan ワールドチャンピオンシップ日本大会 のファイナリストだったN氏に薦められたゲームが『ラー』だったのです。
「こんな競りゲームもあるのだな。」と目から鱗の思いでした。
機会があれば是非プレイしてみて下さい。
次回:財宝を手に入れろ!海の無法者が競うおススメのボードゲーム~デッドマンズドロー~
ラー 日本語版
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:45~60分
状況:発売中
(Author:シグルン)
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