山登りにおいて登山靴は非常に重要なアイテムです。
リュックにレインウエアを加えて三種の神器といわれていますが、極端な話、リュックやレインウエアがなくても山に登ることは可能です。
1~2時間程度なら水だけあれば十分ですからリュックは必ずしも必要ではありません。
晴天で寒くなければレインウエアもなくても問題はないでしょう。
しかし、登山靴がなければ山登りは不可能です。
底が剥げるというトラブルが発生すると重大事故にもつながりかねないのです。
それほど大事なものだということを最初に知っておいてください。
目次
初心者の登山靴!基本はソフトタイプのトレッキングシューズ
山登り用の靴を大きく分けるとトレッキングシューズとクライミングシューズになります。

トレッキングシューズ

クライミングシューズ
以前は軽登山靴という呼び方をしていましたが、現在ではトレッキングシューズというのが一般的です。
クライミングシューズは岩山、雪山にアタックするためのものですから、ここでは除外しておきましょう。
トレッキングシューズの中にもソフトタイプとハードタイプがあります。
このソフト・ハードというのは靴底の硬さを表すもので、ハードタイプは非常に硬く、まず曲がりません。
石や岩がゴロゴロしているところでも足を守ってくれますから疲れにくいという特徴があります。
半面、硬いから重いという難点もあります。
ソフトタイプはそれに比べると軽いのですが、石・岩が多いと疲れやすくなります。
つまり、石・岩がゴロゴロしていない山ではソフトタイプがお勧めで、そうでないところはハードタイプということです。
比較的歩きやすい山にしか行かないのであれば初心者にはソフトタイプが向いているといえますが、将来的にいろいろな山に行きたくなるとやはりハードタイプがほしくなります。
最近では軽いハードタイプも登場していますから、最初の1足はこれを選ぶといいかもしれません。
初めての登山靴は必ずハイカットモデルを
登山靴の分類の仕方として、ハイ・ミドル・ローカットというのもあります。
ハイカットはバスケットシューズでおなじみのタイプで、足首までしっかり包み込みます。
ローカットはランニングシューズに代表されるように足首が自由に動けるようになっています。
ある程度は想像できるでしょうが、ハイカットは勾配や凹凸が激しい山向きで、足首のネンザや骨折をガードしています。
ローカットは歩きやすい反面、足首を守っていませんからトラブルが発生する可能性は高くなります。
つまり、トラブルが発生するようなところでは使わないということです。
ところが、たまたま私が登山靴のコーナーにいたとき、販売スタッフがお客にこういうのを聞きました。
「初心者なら歩きやすいからローカットの方がいいでしょう」
確かにハイカットは慣れないと疲れやすい面はあります。
しかし、足首を守るという理由があってのことなのです。
歩きやすいことを優先させてローカットを選び、その結果ネンザしたとすれば、その責任は誰が負うのでしょう。
アドバイスする立場にあるスタッフがこのような考えでいることに慄然としたのは私ひとりではないでしょう。
ハイカットモデルは小石が靴の中に入るのをある程度防ぐというメリットもあることを知っておいてください。
登山靴を購入するときはできれば登山専門店で
登山用品を販売しているショップには二通りあります。
登山専門店とスポーツ量販店です。
平均するとスポーツ量販店の方が価格は安く、その点は大きな魅力です。
しかし、例外はありますが登山専門店の方がスタッフの資質は高いと思っていいでしょう。
登山靴についての造詣も深く、どのようなところに注意して選べばいいかも細かく教えてくれます。
初心者にとっては非常に有難い存在です。
前述した「初心者ならローカット」と発言したのもスポーツ量販店のスタッフでした。
これが、山の経験が長い友人に選んでもらうとなると話は変わります。
適切なアドバイスをしてくれますから安い価格で自分に合った登山靴を購入することができます。
もっとも、最新の商品に関する情報はショップスタッフの方が詳しいでしょうから、その点はマイナス要素として押さえておきましょう。
ビジネス用ソックスやパンストで登山靴を試着しない
さて、いよいよ登山靴を購入しましょう。
このとき、必ず欲しいのが登山用靴下です。
一般的に登山用は厚手のウール、またはパイルを素材としていますが、例えば仕事帰りにショップへ行くという場合は別に登山用を持参しておきます。
そして、それを着用して登山靴を履きます。

決してビジネスソックスやパンストで試着しないでください。
知らない人が多い事実のひとつに、足の形は顔と同じくらい千差万別としいうのがあります。
サイズが同じだったらどの靴も同じということは絶対にあり得ないのです。
だからこそ、販売店の登山靴コーナーにはあれだけたくさんの商品が並んでいるのです。
同じサイズだけでもたくさんの靴があるはずです。
その中から自分の足の形に合ったものを選ばなければならないのですから、初心者にとっては荷が重い作業かもしれません。
信頼できるスタッフのアドバイスが欠かせないという所以です。
さて、登山用の靴下を履いて新しい靴を着用してみたとします。
このときチェックしなければいけないのが足のどこかの部分が靴に当たり、違和感を覚えていないかという点です。
先ほどいいましたように、足の形はみんな違います。
ほかの人にはぴったりしていても、自分には合っていない可能性が高いと思ってください。
特に、甲の高さ、幅の広さ、親指や小指の外側などの接触箇所は重点チェック箇所です。
つま先でトントンと床を軽く蹴ったとき、かかとの部分に指1本分の余裕ができるのが理想サイズです。
逆に、かかとをトントンとたたいたとき、指先が靴の内側に当たっていないことも確かめてください。
そうすれば爪を傷める心配もなくなります。
そして、最後は靴紐をしっかり締めた状態で30分ほどいることが理想です。
店内を歩き回ったり、傾斜板を設置していればそれを上り下りしてみるのもいいでしょう。
30分というのは長いでしょうが、予備の靴ひもやその靴専用のインソールを品選びしておくのもいいでしょう。
まとめ
繰り返しますが、山登りでは靴が非常に大きな位置を占めています。
自分に合っていれば疲れにくく、逆に合っていなければ疲れやすくなります。
多少は面倒でも念入りに選んでください。
チェックポイントは本文で詳しく説明しています。
それにショップスタッフのアドバイスがあれば靴選びで失敗することはまずありません。
快適な靴で山歩きを楽しんでください。
次回記事:山登り初心者が気を付けることVol.7 登山靴は履き方にも注意!
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