コカ・コーラ秘密のレシピ“製品7X”







世界中で毎日17億杯飲まれているコカ・コーラ。

これだけ日常的に親しまれている飲み物でありながら、なにやら怪しげな噂話が付いて回るのも事実です。

 

その1つに、「原液のレシピは100年以上前に紙に書かれて、それ以来銀行の金庫で厳重に保管されている」との話が有ります。

すでに都市伝説となったこの話に迫ってみましょう。

 

いつどのようにして最初のレシピは作られた?

コカ・コーラの歴史は、1886年アメリカ、ジョージア州アトランタの薬剤師ジョン・ペンバートンに始まります。

 

この人は、「フレンチ・ワイン・コカ」(ワインとコカインを調合した薬用酒)や、毛染め薬などの人気商品を開発していました。

 

当時は全米で禁酒運動が高まっており、1885年、アトランタでも禁酒法が施行されます。

アルコール分を含んだワインを原材料にしたままでは、まずいと思ったペンバートン、対応に乗り出します。彼はノンアルコールの「フレンチ・ワイン・コカ」作りに没頭し、そうして出来上がった“茶色のシロップ”を、万能薬として売り出そうとしました。

 

ここで歴史的な偶然が起こります。ペンバートンはこの“茶色のシロップ”を、近所に在ったジェイコブスファーマシーという薬局に持ち込み、どうした思い付きか炭酸水に混ぜてみたのです。

 

その場に居合わせた町の人たちにすすめてみたところ、試しに飲んだみんなの評判は上々。「今までに無い魅力的な味だ」と絶賛。

 

ジェイコブスファーマシーは早速この新しい飲みものを、グラス1杯5セントで売りに出しました。「コカ・コーラ」と言う名前もこの時名付けられました。

現在世界中の人々に愛されている、「スカッと爽やか」な飲み物が誕生した瞬間です。

 

偉大な発明の影には、往々にしてこうした“歴史的な偶然”が起こります。

 

その後の経緯

このペンバートン、薬剤師としてはまずまずの頭脳を持っていましたが、ビジネスの才能はからっきしでした。

時々いますね、こういう人「あの人、頭はいいんだけどねぇ」って。

 

ともあれペンバートンは、“茶色のシロップ”を原料とする飲み物の事業化権利を、1888年に売り飛ばしてしまいます。

 

相手はエイサ・グリッグス・キャンドラーと言う人物で、お値段はたったの2,300ドル。

当時の2,300ドルですから、このシロップの値打ちが分かっていなかったペンバートンにすれば、「良い小遣い稼ぎができた」ぐらいに思えたのかもしれません。

 

さてレシピを手に入れたキャンドラー、この人はビジネスの才能が有ったようで、このシロップの独特の風味は金になると直感しました。

 

1894年、キャンドラーの手で、初めてのボトル入りコカ・コーラが発売されました。

もうけの基になるレシピが盗まれるのを恐れた彼は、その内容を紙に書き留めることを社員に禁じました。

 

コカ・コーラ世界へ、レシピは銀行の金庫へ

その後順調に売り上げを伸ばして行ったコカ・コーラ、1900年を迎えるころには、全米に販売店網を広げるようになりました。

 

1904年には、年間販売量が3,800,000リットルに達しています。

1935年には、全世界でのコカ・コーラの販売地域は70ヶ国に達しました。

以後の発展はご存知の通りで、いまや世界を席巻しています。

 

一方気になるレシピですが、1919年、アーネスト・ウッドラフが率いた投資家グループは、キャンドラー一族から事業を買収。

ウッドラフはキャンドラーを説得して、レシピを紙に書かせることに成功します。そしてそれを、ニューヨークのギャランティ銀行の金庫に預けます。

 

1925年、ジョージア州アトランタのトランスカンパニー銀行に移されたレシピは、そのまま2011年までそこに保管されました。

銀行の方はその間に合併により、サントラスト銀行と名前が変わりましたが。

 

2011年の11月、この問題のレシピはサントラスト銀行の金庫室を離れ、ほど近い距離にある、ワールド・オブ・コカ・コーラ博物館へと運ばれました。

そして現在は、博物館内に造られた専用の保管庫に、厳重な警備のもと大切にしまわれています。

 

このレシピの移動は、創業125周年記念事業の一環として行われたそうですが、2007年にサントラスト銀行が、保有していたコカ・コーラ社の株を売却した事実も有ります。

 

とっても大事な秘密のレシピ“製品7X

これほどコカ・コーラ社が大切にしているレシピ、その中心部分が“製品7X”と呼ばれているものです。

 

実はコカ・コーラの基本原料のほとんどは、すでに解析されています。

カフェイン、カラメル、コカ、クエン酸、ライム果汁、砂糖、水、バニラエッセンスなどを調合したものです。

 

ただその中の、全体量のわずか1%に過ぎない“製品7X”と呼ばれている成分、これが謎のままなのです。

そしてこの“製品7X”こそが、あのコカ・コーラの独特の風味を醸し出しているのです。

まさにコカ・コーラ(社)の命綱なのです。

 

ついに突き止めたか?秘密のレシピ“製品7X

いままで何度もこのレシピの開示をせまられたコカ・コーラ社ですが、現在まで頑として応じようとはしません。

 

ですが2011年、ラジオ番組ジィス・アメリカン・ライフが、ジョージア州アトランタの地元紙に掲載された記事について報じました。

それは、1979年2月28日付のアトランタ・ジャーナル・コンスティテューション紙の記事です。

 

そこには、地元の薬剤師エヴェレット・ビールが考案したレシピ、との説明が付いたノートの写真が、掲載されていました。オリジナルレシピの開発者ジョン・ペンバートンは、親しい友人に自作のレシピを伝えていたようです。

そしてその1人が、このエヴェレット・ビールでした。

 

このレシピが本物かどうか、大いに気になるところです。

実際にこの通り作ってみればわかるはずだと言うので、この記事発見を伝えたラジオ局が試してみました。

 

当時とは香料の製造技術なども変わっていますが、その辺りを調整して作ってみたところ、「言われなければ、ほぼ本物と思うだろう」と言うレベルのモノが出来上がったそうです。

 

はたしてこれが、コカ・コーラ社が懸命に守って来た、本物のレシピだったのでしょうか?

なお、コカ・コーラ社は現在でも「正しいレシピを見つけられた人は、まだ誰も居ない」と断言しています。










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