こんにちは。ボードゲーム愛好歴20年のシグルンです。
今回ご紹介する『クトゥルフ・ウォーズ』は、テーブルトークRPGの金字塔「クトゥルフの呼び声」を作ったサンディ・ピーターセンがデザインしたボードゲームです。
出資者を募るキックスターターでは驚異のスピードで目標金額を達成し、最終的に3500%の出資金額…140万ドルを集めたモンスター級のゲームです。
ゲームの世界観
~再度この地を統ぶる定めなるが故、<旧支配者>その力を秘めて弛まず待ち受けたるが、時節来らば何者も<旧支配者>に刃向うを得ず、なべては<旧支配者>の支配下に置かれけり~
1920年代のアメリカが生んだH・P・ラブクラフトの幻想怪奇小説「クトゥルフ神話」大系に見え隠れする、邪神(旧支配者)及びその配下(奉仕種族)に焦点を当てたゲームです。
「クトゥルフ神話」をモチーフとしたボードゲームはいくつか存在しますが、多くは邪神の復活を阻むべく、カルト信者や邪神の配下を撃退するタイプの協力型ゲームになります。
『マンション・オブ・マッドネス』『エルダーサイン』『エルドリッチホラー』『クトゥルフ・パンデミック』等がそれにあたります。
少数派は邪神を奉ずるカルト信者となり、正義の味方を撃退するタイプの互いに競い合うゲームです。
『キングスポート・フェスティバル』『クトゥルフダイス』等がこれにあたります。
今回ご紹介する『クトゥルフ・ウォーズ』は、世界を終焉に向かわせつつ、この地球の覇権を懸けて、4柱の邪神の勢力が争うというゲームです。
少数派寄りのゲームに入りますが、邪神そのものを各プレイヤーが操作するゲームというのは類を見ないゲームです。
(『キングオブトーキョー』の拡張「クトゥルフ・パック」は大怪獣の1種という扱いでクトゥルフゲームではないので除外しておきます。)
ゲームの概要
カルト信者を使って次元の扉を開いて邪神、及びその配下の怪物を地球上に召喚し、世界を破滅へと導きます。
この工程で世界の終焉をカウントする「破滅ポイント」を稼ぎ、一定の条件を満たすことで「呪文書(更なる特殊能力)」の封印を解いていきます。
ゲームの勝利条件
勝利点である「破滅ポイント」を誰よりも多く得て、呪文書を6冊解放したプレイヤーが勝利します。
ゲームの準備と遊び方
色毎に分かれた4つの勢力(以後「陣営」)から任意で1つ選択し、そのユニットと、対応する呪文書、陣営カード、マーカー類を全て自分の手前に並べます。
(勢力によってユニットの数、能力が異なります。)
中央に世界地図が描かれたボード、ダイスやトークンを種類ごとに分けて脇に置きます。
手番にすることは
- 怪物召喚や移動などのアクション
- アクションを起こす上で使用したコスト(魔力)の回復
- 次のラウンドのスタートプレイヤーの決定
- 獲得した破滅ポイントの処理/破滅ポイントの追加
となります。
各プレイヤーが上記手順を順番に行い、勝利条件を満たすまで繰り返されます。
ゲームの準備
それぞれカウント用ボード(トラック)とマーカーが存在します。
1.儀式トラックの「5」に▲儀式マーカーを置く。
2.破滅トラックの「0」に各プレイヤーの●破滅マーカーを置く。
3.陣営カードの魔力トラック「8」に各自■魔力マーカーを置く。
4.陣営カードに描かれた開始位置に★次元扉マーカー1枚、カルト信者コマ6体を配置。
各プレイヤーは手持ちのユニットとして邪神などを保持しますが、最初に設置できるのはカルト信者ユニットのみです。
5.「大いなるクトゥルフ」陣営のプレイヤーがスタートプレイヤーとしてゲーム開始。
ゲームの進め方
「アクション」「魔力召集」「プレイ順決定」「破滅」の4つのフェイズを進めていきます。
1.アクション・フェイズ
アクションは更に「一般」「固有」「呪文書獲得条件」「自由行動」の4種類に大別出来ます。
各プレイヤーは1回ずつ順にアクションを行い、再びスタートプレイヤーの手番に戻りアクションを行っていきます。
魔力が無くなり全てのプレイヤーがアクションフェイズをパスしたら「魔力召集」フェイズに移ります。
アクションは
- 好きな回数「自由行動」を実行
- 一般、固有、呪文書獲得アクションを(それぞれ1つだけ)実行
- 好きな回数「自由行動」を実行
というように進めます。
- 一般アクション…どの陣営でも実行出来る共通の7種のアクションです。
- 固有アクション…特定の陣営でしか実行できないアクションで、陣営カードや呪文書タイルに書かれているものです。陣営自体の固有能力、獲得した呪文書の能力、邪神の特殊能力を実行します。
- 呪文書獲得条件…陣営カードの呪文書を置くマスに、呪文書の獲得条件の中には「アクションとして」の文言があるものは独立したアクションとして実行します。
個々の呪文書獲得条件アクションはゲーム中に1回ずつしか実行出来ません。
- 自由行動…特別なアクションで、一般、固有、呪文条件のアクションに付随して追加で実行出来ます。
具体的には「次元扉の支配」または「放棄」などを実行します。
一般アクション
Ⓐ信者の徴募…自分のユニットがいるエリアに、場外にいるカルト信者を1体配置出来ます。
コスト:1魔力
Ⓑ怪物召喚…自分の支配下にある次元扉マーカーがあるエリアに、場外にいる怪物1体を配置出来ます。
コスト:色々
Ⓒ邪神覚醒…陣営カードに書かれた特定の条件を満たす事が可能であれば邪神を配置出来ます。
コスト:色々
Ⓓ次元扉の作成…自分のカルト信者のいるエリアに次元扉を設置出来ます。
コスト:3魔力
Ⓔ移動…魔力を1消費する毎に1体のユニットを隣接エリアに移動させることが出来ます。好きなだけ魔力を消費してエリア間でユニットを移動させることが出来ます。
コスト:移動させるユニット毎に1魔力
Ⓕ攻撃…自分と、攻撃を仕掛けたい陣営の互いに1体以上のユニットがいるエリアにおいてのみ実行出来ます。
攻撃アクションを実行するには、戦闘力1以上のユニットが必要です。
互いに総合戦闘力に等しい数のダイスを振り、出目によって結果を割り振り、死亡したユニットをボードから除く等の処理をします。
コスト:1魔力
Ⓖ信者の捕獲…自分の邪神がいるエリアに敵のカルト信者がいる場合にのみ実行できます。
敵のカルト信者1体を地図上から除去し、次の「魔力召集フェイズ」で自分の魔力に換算します。
コスト:1魔力
2.魔力召集フェイズ
ゲームボードに配置しているカルト信者や次元扉の数、捕獲した敵の信者数などに応じて魔力を回復します。
3.プレイ順決定フェイズ
魔力招集フェイズで一番多くの魔力を獲得したプレイヤーが次のスタートプレイヤーになります。
4.破滅フェイズ
支配下に置いている次元扉の数だけ、破滅トラックに置かれたマーカーを進めます。
儀式マーカーが置かれている数値分の魔力を消費して、更に破滅ポイントを得ることが出来ます。
まとめ
陣営ごとに能力やユニットの数が異なるので、どれの陣営を使用するかによってプレイスタイルがガラリと変わります。
プレイ時間も物理的にも値段的にもヘビー級ではありますが、各陣営プレイスタイルが異なるためにリプレイ性が高いゲームです。
独特なフォルムのフィギュアが話題になりやすいですが、特殊能力はクトゥルフ神話に基づいたもので雰囲気も出ており、テンポよく進む陣取りゲームもバランスが取れています。
(海外では拡張セットが出ており、バランス修正もされています。)
プレイ時間は長いようで、あっという間に勝利点を集められるので、開始時にどうプレイしていくか作戦を練っておくことが重要です。
サンディ・ピーターセンが究極のクトゥルフゲームを目指しただけあるおススメのボードゲームです。
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:90~120分
状況:発売中
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