ドライアイの症状と原因、対策など ドライアイについて徹底解説







10秒間まばたきを我慢できなかったら「ドライアイ」かも!?

近年、パソコンやスマホなどの画面を見続けることで、まばたきの回数が減って目が乾きやすくなる、ドライアイの患者さんが急増しています。

なんとデスクワークに従事する人の、3人に1人がドライアイといわれています。(疑いも含めると60%以上とも)

 

ドライアイは、涙の量や質と分布の異常による、目の表面の疾患です。

目がごろごろしたり、乾いた感じがして目が痛むときは、ドライアイが疑われますので、症状をチェックしてみてください。

目の疾患や薬の副作用が原因の場合もあるので、目に異常を感じたら我慢しないで、早めに眼科医を受診しましょう。

今回はドライアイの症状と原因、対策などをお届けしますので、治療を受けるときの参考にしてください。

 

涙の病気「ドライアイ」が急増

ドライアイは、「涙の量の減少や質の低下により、目が乾燥する慢性疾患」で、目の傷をともない、目の不快感や視力の低下などをおこします。

近年は、涙の安定性(目の表面に留まる力)の低下も、ドライアイの原因と考えられています。

目の表面にある「膜型ムチン」が出にくいと、涙が不安定になるとされています。

目の角膜(黒目を覆う透明な膜)は、ドライアイの症状などによって乾燥すると傷ついてしまうので、注意が必要です。

 

日本眼科学会によると、ドライアイの患者数は約800~2,200万人とされ、年々増加しているそうです。

患者さんの男女比は1:2で、中年すぎの女性が最も多いのですが、近年はオフィスワーカーの罹患も増えています。

 

涙は乾燥や外敵から目を守っています

涙は上まぶたの外側にある「涙腺(るいせん)」で作られて、絶えず少量ずつ分泌され、眼球を潤します。

まばたきで、目全体に広がった涙は、目がしらのほうへと流れ、「涙点(るいてん)」から吸収されて鼻の奥へ注ぎます。

 

涙は、油層と液層(水層とムチン層)で構成されます。

油の層は目の外側を覆い、涙の蒸発を防いでくれます。

油の量が減ったり、油が固くなると涙の状態が不安定となり、ドライアイの原因となるでしょう。

液層は、角膜へ栄養を運んだり、免疫などの働きがあり、粘液のムチンは、涙を均一にひろげ、涙の安定性を保っています。

 

涙は目の乾燥を防ぐ以外にも、様々な働きがみられます。

目の表面を覆って異物を洗い流し、外からの刺激や病原菌から目を守り、目の傷を治します。

目の細胞に栄養と酸素を運んだり、目の表面を滑らかにして、はっきり見えるようにするのも大切な仕事です。

 

ドライアイの症状をチェックしてみましょう

ドライアイの主な症状をご紹介します。

  • 目の乾いた感じ
  • 目の痛み
  • 目がごろごろするなどの異物感
  • 目がしょぼしょぼする
  • 目を開けているのがつらい
  • 目の疲れ
  • 目のかすみ
  • まぶしい
  • 目が赤い
  • 目の不快感や重たい感じ
  • 目のかゆみ
  • めやに
  • コンタクトレンズが痛い
  • 視力の低下
  • 涙があふれるように出る

 

これらの症状が5つ以上当てはまった人、10秒以上目を開けていられない人はドライアイの疑いがあるでしょう。

 

※疲れ目や眼精疲労でも、同様の症状がみられますので、こちらの記事もご覧ください。

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2018.08.27

 

ドライアイのタイプと原因は?

ドライアイのタイプは、『涙の量が不足する』『涙の蒸発が亢進する』『涙を目の表面に保てない』の3つです。

ドライアイの原因は、加齢や環境、コンタクトレンズやストレス、薬や病気などです。

 

ドライアイは目の酷使や目に負担をかける環境が原因

ドライアイの患者さんは、涙の量や質が低下する中年以降の女性に多いとされていますが、若年層の患者さんも増加しています。

パソコンスマートフォンゲームなどの画面を長時間見続けると、まばたきの回数が減ってドライアイになりやすいのですね。

オフィスワーカーやコンタクトレンズ使用者に増えている「BUT短縮型ドライアイ」は、涙の量は正常なのに5秒以内に涙が乾いてしまう、新しいタイプのドライアイです。

 

ドライアイの症状は、空気が乾燥する冬に増悪しやすいので、室内のエアコンの風にも注意が必要です。

また、タバコの煙はドライアイを悪化させるので、なるべく目に当たらないようにしましょう。

 

コンタクトレンズやストレスでも涙が減りドライアイになりやすくなる

コンタクトレンズは、装用者の約4割にドライアイの症状があり、ドライアイを悪化させる原因のひとつとなっています。

レンズが涙の層を2分してしまうため、涙が不安定になりドライアイが発症するとされています。

角膜の感度が落ちたり、まばたきが不完全になっても、涙の分泌量は減ってきます。

また、ソフトコンタクトレンズは、涙の蒸発を促進してしまいます。

 

ストレスにより、自律神経のバランスがくずれることも、ドライアイの原因となるでしょう。

緊張すると交感神経が優位になり、涙の分泌量が減少します。

また、昼夜の生活リズムや食生活、運動不足や女性ホルモン、アレルギーなども影響するといわれています。

 

薬の副作用やドライアイをおこす疾患に要注意

血圧降下剤向精神薬かぜ薬抗がん剤などの副作用で、涙の量が減ることがあります。

ドライアイの人は、目薬に含まれる防腐剤(ベンザルコニウム)が、角膜を傷つける場合もあるので、要注意です。

 

涙の蒸発を防ぐ油分は、まぶたの縁にあるマイボーム腺から分泌されます。

加齢やホルモンの影響により「マイボーム腺機能不全」になると、油が固まりやすくなるため、分泌量が減ると考えられています。

アイメイクでもマイボーム腺をふさぐことがあるので、女性はご注意ください。

最新の治療法として、幅広い波長のキセノン光を短時間照射する「IPL(Intense Pulse Light)治療」が注目されています。

※治療費の1例:ある眼科クリニックでは、1回1万円(別途初診料、検査料)で、IPL治療を行っています。

 

結膜(白目を覆う半透明の膜)のゆるみが、加齢やコンタクトなどにより強くなった状態を「結膜弛緩症」と呼びます。

下まぶたの結膜のたるみに涙がたまり、こぼれ落ちるために角膜の涙が不足して、ドライアイを悪化させます。

また、たるんだ結膜が摩擦により傷つくことがあります。

 

涙腺や唾液腺に慢性的な炎症がおこる「シェーグレン症候群」は、中年以降の女性に多い疾患です。

重症のドライアイとなり、涙腺が破壊されるために、悲しいときや痛いときでも涙が出ません。

角膜の傷から細菌感染をおこし、角膜潰瘍が生じると失明する場合もあるので、注意が必要です。

ドライアイに、口の乾きや関節痛などの症状を伴う場合は、眼科医に相談して専門医を紹介してもらいましょう。

 

※日本眼科学会専門医 http://www.nichigan.or.jp/senmonlist/map.jsp

※ドライアイ研究会会員クリニック http://www.dryeye.ne.jp/member/index.html

 

ドライアイは涙の量や安定性、目の表面を検査

涙の量を検査:「シルマー試験」

下まぶたの外側に、角膜に接触しないように試験紙をはさみ、5分間でろ紙が濡れる長さを調べます。

検査中は、自然にまばたきする方法か、目を閉じる方法が選択されます。

また、点眼麻酔を施してから測定を行う眼科もあるでしょう。

 

目の表面の状態を検査:「顕微鏡検査」

スリットランプという眼科用の顕微鏡で、染色した目の表面を観察します。

 

角膜と結膜の傷を調べる検査:「染色試験」

特殊な染色液を点眼してから、青い光を当てて観察し、傷の有無を調べます。

 

涙が目の表面に留まる力を調べる検査:「涙液層破壊時間(BUT)検査」

角膜と結膜を染色後、目を開いた状態で涙の層がなくなる時間を計ります。

 

ドライアイには点眼薬や涙点をふさぐ治療が有効

 

点眼薬

人工涙液、ヒアルロン酸製剤、液層の分泌を促進する目薬(ヒアレイン、ジクアス)などが有効です。

市販の人工涙液は、点眼後も短時間で元に戻りやすく、配合されている防腐剤の副作用も心配なので、乱用は避けたほうがよいでしょう。

また、充血を改善するだけの目薬の副作用にも、注意が必要です。

 

涙点プラグ

目頭にある涙点を、コラーゲンやシリコーン製のプラグ(長さ 約1.5mm)で栓をする治療法です。

点眼麻酔下で、片目3分ほどの処置になるでしょう。

涙の排出口がふさがれるので、涙が溜まるようになり、ドライアイの症状が軽減します。

涙が溜まり過ぎてあふれてしまう場合は、プラグを抜けば元に戻りますのでご安心を。

 

※治療費の1例(医新会グループHPより)
涙点プラグ挿入術:片眼1,890円 両眼3,780円
涙点プラグ代:1涙点 1,458円
(健康保険 3割負担の場合)

 

涙点閉鎖手術(涙点焼灼術)

涙点プラグが適応しない症例では、涙点を焼灼して閉鎖する外科的治療法が検討されるでしょう。

主にシェーグレン症候群などの、重症のドライアイ患者さんが対象になります。

 

自己血清点眼

患者さんから採血し、分離した血清を薄めて点眼する治療法です。

目の表面の傷を修復したり、目の不快感を軽減させるのに有効とされています。

人工涙液を点眼しても、症状が改善しない場合に検討されるでしょう。

 

TFOT(眼表面の層別治療)

TFOTは、目の表面と涙を層に分けて各々治療していく、新しい治療概念です。

各層の治療に、人工涙液やヒアルロン酸ナトリウムの点眼液、ムチンを正常にする点眼液、免疫抑制剤やステロイド剤などが使われます。

 

ドライアイの対策は?

ドライアの対策には、ドライアイを悪化させる要因を改善しましょう。

 

パソコンやスマホ操作時に気を付けること

まばたきの回数が減る、長時間のパソコンやスマホ、運転などは目を乾燥させます。

モニターや前方を凝視することで、通常1分間に20回のまばたきが、5~10回に減るといわれてます。

作業や運転時は、まばたきの回数を意識して増やしましょう。

 

パソコンやスマホ操作時は、1時間に10~15分間は他の作業をしたり、休憩をとるようにしましょう。

休憩中は、軽い体操や腹式呼吸がおすすめです。

自律神経の副交感神経が優位になり、涙の分泌が促進されます。

 

画面が見づらいと、目をこらして見ようとするので、まばたきが減少します。

日光や照明が、画面に映り込まないように調整しましょう。

小さい文字も見づらいので、適正なフォントサイズに変更してください。

 

パソコンの画面を見上げると、目の表面の露出面積が広がり、涙は蒸発しやすくなります。

画面の高さは、視線がやや下向きになるように設置しましょう。

 

作業中は、エアコンや扇風機などの風が、目に当たらないようにしましょう。

乾燥しているときは、加湿器を使用し、湿度を50%以上に保ってください。

室内に濡れたタオルを干すだけでも、加湿できるのでおすすめです。

 

フード付きのドライアイ専用眼鏡は、涙の蒸発をおさえて、風による乾燥から目を守ります。

フードのみをフレームに付けられるので、既存のメガネも使用できます。

 

作業中、コンタクトレンズの使用で目に不調を感じる人は、ドライアイが悪化しやすいです。

角膜がレンズとこすれて傷つき炎症がおこると、目の充血や目やにが生じ、かすみやくもりが生じることもあります。

目に異物感があったり、目が赤くなるときなどは、コンタクトの使用を中止するか使用時間を制限して、眼科を受診してください。

コンタクトレンズは、適切な洗浄と保存方法でケアし、コンタクト用の点眼液で、目を乾燥から守りましょう。

また、酸素透過性にすぐれた製品や保湿成分配合の製品が販売されていますので、担当医に相談してください。

 

温熱や洗眼、生活習慣の改善もおすすめ

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湯につけて絞ったタオルなどで目を温めると、マイボーム腺からの油分の分泌が改善されるので、ドライアイの症状が緩和されます。

濡れたタオルを、電子レンジで1~2分温めてもよいでしょう。

1回5分、1日2回ほど行ってください。

目の周りの血流が改善して、目の筋肉がほぐれるので、疲れ目や眼精疲労にも有効です。

なお、目が充血して赤いときは、温めずに冷やしたほうがよいでしょう。

 

眼科で処方された目薬で、目を洗い流す「洗眼」は、ドライアイの人におすすめです。

目薬を多めにさしてから、目を全ての方向に動かして洗眼し、ティッシュペーパーなどで優しく拭ってください。

起床時や帰宅時、目にほこりなどの異物がついたと感じたら行いましょう。

なお、目薬の防腐剤などの副作用や、洗浄液の使用により症状が悪化することがあるので、洗眼時は眼科医の指示に従ってください。

 

乳酸菌のサプリメントや、シェーグレン症候群の口腔乾燥症治療薬が、ドライアイに有効との報告があります。

抗酸化作用が期待できる食品(青魚、ブロッコリーなど)は、ドライアイの症状改善によいかもしれません。

ビタミンA・B1・B2・C、ラクトフェリン、カロテンなども目の健康を保つのに大切な栄養素なので、積極的に摂取しましょう。

 

夜は涙の分泌量が減るので、生活が夜型の人はご注意ください。

規則正しい生活と適切な食事、適度な運動などを心がけましょう。

 

ドライアイのセルフケアは、ツボ押しと簡単体操

目の周りや後頭部にあるドライアイのツボを押して、症状をやわらげましょう。

 

目を丸く囲む骨のキワを、円の外側に向けて優しく押してみてください。

押して気持ち良い点、目にひびく点などを、ゆっくりと3秒間押してから、ゆっくり力をぬくツボ押しを数回繰り返します。

後頭部は、「ぼんのくぼ」にある骨のでっぱりから、耳に向けて押していき、くぼみや目にひびくツボを見つけてください。

ぼんのくぼより少し上のライン上にもツボがあるので、探ってみましょう。

 

作業の合間にできる、簡単なドライアイ体操を行ってみてください。

 

  1. 両目をつぶり、3秒間しっかりと力を入れて目を閉じてから、ゆっくりと目の力を抜きます。
  2. 次に、3秒間しっかり閉じたあと、パッと目を大きく開けましょう。

上記を数回繰り返すことで、涙の分泌を増やす効果が期待できます。

 

ほんべ眼科の本部院長が推奨する、「まばたき体操」もおすすめです。

  1. 両方の下まぶたを人差し指で、軽く下に引きさげます。
  2. そのまま、完全に目を閉じるように、まばたきを3回しましょう。
  3. 目を閉じた状態で、円を描くように目をゆっくりと回します。
  4. 通常のまばたきを3回おこない、終了です。

1日数回行うことで、目を乾燥から守る助けになるでしょう。

 

※ツボ押しや体操で、ドライアイの症状が増悪するときは中止してください。

 

眼精疲労の原因「ドライアイ」は、悪化させる前に眼科へ

 

今回はパソコンやスマホの普及で急増している、身近な目のトラブル「ドライアイ」の詳細をお届けしました。

ドライアイは、「疲れ目」の症状が改善せずに続き、目以外の症状を伴う「眼精疲労」の原因となるので、早期の治療がのぞまれる疾患です。

 

中年女性やオフィスワーカーを中心に、多くの人がドライアイの症状でお悩みですが、残念ながら眼科の受診率は約1割程度だそうです。

放置すると、目の表面の傷が悪化したり、重症の角膜感染症になることもありますし、生活の質や仕事の生産性の低下なども問題となっています。

 

症状をチェックしてドライアイが疑われたら、まずは作業や生活の環境など、ドライアイを悪化させる要因を改善しましょう。

また、市販の目薬で症状が軽減しない場合は、我慢しないで早めに眼科医に相談してください。












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