大人の心に響く絵本5選!大人の方に読んでほしいおすすめの絵本をご紹介







「大人向けの絵本」という言い方をよくしますが、文章が難しかったり、内容がシビアなものばがりが「大人向け」というわけではありません。

子供を対象とした絵本であっても、大人だからこそ感じ取ることのできる思いや、見えてくる情景があります。

読み手の心次第で、その世界は無限に広がっていく。それが絵本の最大の魅力ではないでしょうか。

 

今回ここでは、大人にこそ読んでほしい、「心に響く絵本」を5冊厳選しました。

自分の手もとにおいて、繰り返し読んでほしい。そんな絵本です。

あらすじを細かく説明することは避け、「何を感じたか」といった実感を込めて紹介していきます。

 

『生きる』  谷川 俊太郎 (詩)、 岡本 よしろう (絵)

生きる (日本傑作絵本シリーズ)

「生きる」という詩が発表されたのは、今から40年以上も前の1971年のこと。

詩人・谷川俊太郎さんの代表作とも言われ、その素朴でまっすぐな詩は、長きに渡ってたくさんの人々から愛され続けていることでも有名です。

 

この絵本の描写は、セミの「死」から始まります。

考えに考え抜かれた絵の構成で、何気ない日常の1コマ1コマが、まるでスナップ写真のように生き生きと描かれています。

ページをめくるたびに、綴られた詩の言葉が、すーっと心に深く染み込んでくるようです。

 

淡々と繰り返される詩のリズムは、まさに「生」と「死」が互いにつながっていることの象徴のようにも思えます。

郷愁を帯びた温かな絵に、読み手は自らの過ぎ去った日々へと、思いを馳せずにはいられないかもしれません。

 

『あさになったのでまどをあけますよ』 荒井 良二(著)

あさになったのでまどをあけますよ

さまざまな土地に住む子供たちが、朝の訪れと共に窓を開けていきます。

「あさになったのでまどをあけますよ」という言葉に始まり、ページをめくると、見開きいっぱいに描かれた「朝」が、色鮮やかに目に飛び込んでくる……。その繰り返しが何とも清々しく、朝という「希望」が、そのまま絵本になったかのようです。

 

この絵本が出版されたのは2011年12月のこと。

つまり、東日本大震災の年に出版された絵本だという点も重要なポイントです。

著者である荒井良二さんは、「2011年」という奥付にどうしてもこだわりたかったと語っています。

そうしたことを知った上でこの絵本を読むと、朝が訪れることの喜びや、日常のあることの尊さといったものが、より一層強く感じられるかもしれません。

 

『3日ずつのおくりもの』 レミ・クルジョン (作)、こだま しおり (訳)

3日ずつのおくりもの

うさぎの曾おじいさんは、腰がすっかり曲がってしまうほどの長生きなお年寄り。その姿を不思議に思っていた曾孫うさぎが、唐突な質問をすることから物語が進んでいきます。

 

曾おじいさんと曾孫の会話のやりとりが最高です。ウィットに富んでいて、読みながら思わずニヤリとしてしまうかもしれません。

「生」と「死」という重くなりがちなテーマが、ユーモアと優しさに満ちた表現で描かれています。

 

曾おじいさんは、「死」を怖がる様子もなく、かといって軽んじているわけでもないのです。曾おじいさんの言葉には、「生」への感謝が、穏やかに漂っています。

著者であるレミ・クルジョン氏の個性的なイラストと色使いも印象的です。

この絵本の世界観をさらに味わい深いものにしているといえるでしょう。

 

『悲しい本』マイケル・ローゼン (作)、 クェンティン・ブレイク (絵)、 谷川 俊太郎 (訳)

悲しい本 (あかね・新えほんシリーズ)

最愛の息子を亡くした一人の男の悲しみが、独白という形で詩的に淡々と綴られています。

自分の悲しみを分析するかのような語り方は、俯瞰的な印象さえ受けるかもしれません。

 

「生」があるから、「死」がある。「死」があるからこそ、「生」が愛おしく思える。

この絵本は、ただ悲しいだけの本とは違います。悲しみとともに生きていくための本です。そんなふうに紹介したくなります。

 

幸せだったころの記憶に、思いを馳せること。そして、命あることを慈しむということ。

誕生日を祝うロウソクの灯りが、どこか切なく、温かなものに思えるのは、誰もが「自分だけの悲しみ」というものを抱えているからなのかもしれません。

 

『貝の子プチキュー』 茨木 のり子 (作)、 山内 ふじ江 (絵)

貝の子プチキュー (日本傑作絵本シリーズ)

海底でじっと生きていた貝の子プチキューは、さびしがっていつも泣いてばかり。

ところが、波の嘆く声を聞いた途端、自分自身に目覚めたかのように、突如歩み出します。

行ったことのないところへ行くのだと、見たことのない「きれいなもの」を見るのだと……。

 

プチキューという名の示すがごとく、とても独創的なお話です。

詩人である茨木のり子さんの文章が耳に心地よく、画面いっぱいに描かれた幻想的な美しい世界が、心の中へとそのまま広がってきます。

 

この絵本は、「かわいい」とか「可哀相」とかいった、単純明快な言葉では言い表せません。

深い深い静けさに包み込まれていくような、そんな感覚なのです。大人だからこそ感じ取ることのできる、不思議な読後感が胸に残ります。

 

【まとめ】

「心に響く絵本」ということで、死生観がテーマとなっているものが多くなりました。

絵本だからこそ、そのメッセージが、深い奥行きをもって読み手の心にまっすぐ届いてくるのではないでしょうか。

絵本が描き出す世界は、まさに無限大。そこから何を感じ取れるかは、自分自身の心次第です。












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