高校入試を終え、やっと一息。華の高校生活をエンジョイするぞ!と新たな生活を迎える生徒のみなさんが思っていることでしょう。
しかし、高校に入学したその瞬間から大学入試はスタートしています。
「そんなおおげさな・・・」
と思っているそこのあなた!これは全くおおげさではないのです。
さて、筆者は長年塾講師として仕事をしているのですが、私が長年見てきているたくさんの生徒で、もちろんその中には志望大学に合格できる人、残念ながらそうでない人がいます。
なにが違うのか?とみなさん疑問に思っています。
はっきり言えます。
志望大学に合格できる人は高校生活のスタートから全然違います。
高校1年生、もしくは2年生でこの記事を読んでいてドキッとした人。今日から自分の生活を見直しましょう。明日とは言わず、今日この日から。
今回は数学編でお送りします。自分の日々の数学の学習はどうだったかな・・・と照らし合わせてみてください。
なにが違うの?最初から勉強の波に乗れる生徒、乗れない生徒
さて、志望大に合格できる人とできない人はスタートから違うと言いました。
では実際になにが違うのか?ここで説明していきます。
その日習った学習範囲の問題集はその日のうちに解く!
数学はひらめきが必要な教科でしょ・・・と思っている生徒のみなさんがあまりにも多くいます。
違います。数学だって積み重ねの教科なのです。
高校数学で習う内容は中学で習うものとは比べ物にならないくらい膨大な量です。
普通科の高校でしたら基本的に数学の授業は毎日ありますよね?1週間に進む教科書のページ数はどれくらいでしょう。
1週間が終わって週末課題が出て、その多さに呆然。「あれ、この週の最初の方に習ったやつどうやって解くんだっけ?」なんて思ったことはありませんか?
週末課題を週末にやるなんてナンセンスです。週末課題は週末にやるべきものではありません。
ではいつやるのか?
その日習った内容の問題集の問題はその日のうちにやってしまいましょう。
1週間ためてしまうと膨大になってしまうその量も、1日で考えるとそこまで呆然とするような量ではないはずです。
B問題や応用問題までは明日の予習もあって手が回らないよ!という生徒さんは、A問題だけでもいいです。
ただしきちんと残りの問題はその週のうちにこなしてしまいましょう。
この、習った内容はその日のうちに復習するというのは長期記憶と結び付けるのにかなり有効です。
またその日に解いた内容を週末の休みの日にもう1回できなかった問題が取れければさらに強く記憶として定着していきます。
公式は羅列された文字として覚えないこと!きちんとどうやって成り立っているのか理解する!
数学が苦手な生徒さんに共通するのが、公式を書かれている文字のまま覚えようとすることです。
高校数学で出てくる公式はたくさんあります。細かい式変形のものまで暗記で覚えようとすると、その量の多さに諦めてしまう生徒さんが見られます。
しかし高校数学で習う公式は、すべてがすべてそのまま覚えなくてよいものもたくさんあります。
もちろん中には自分で導き出そうとすると時間がかかってしまうものもあるので、そのまま覚えてしまった方が良いもの、1つだけ覚えておけば他は導けるものなど見極めが非常に大切になります。
また、公式がどうやって成り立っているのか理解することは応用力を身に付けることにもつながります。
例えば、数学Ⅱで習う三角関数という分野の中に、加法定理というものがあります。その中の一つに、
という公式があります。
この公式はそのまま覚えてしまった方が速いものなのですが、例えば、さらに三角関数の公式の中で2倍角の定理というものがあります。
その中の、Cos(2α)を求めたいとします。
このCos(2α)という値は式変形を含めて3つ知っておくべきものなのですが、ただ暗記でいくとすると、
Cos(2α)=cos^2(α)-sin^2(α)
=2cos^2(α)-1
=1-2sin^2(α)
この3本をそれぞれ覚えなければなりません。
どこがsinでcosなのかわけわからなくなってしまいそうではないですか?またそれぞれの係数もややこしいですよね。
ところが、この3本は、この最初の「Cos(α+β)=cos(α)cos(β)-sin(α)sin(β)」という公式さえ覚えておけば導き出せます。
正確に言えば数学Ⅰで習う三角比の知識も少し必要ですが。しかしこの三角比の知識というのも、その分野できちんと覚えるべき公式を使っています。
Cos(2α)=cos(α+α)=cos(α)cos(α)-sin(α)sin(α)
=cos^2(α)-sin^2(α)
そしてこの式に、三角比の相互関係の式の1つである「sin^2(α)+cos^2(α)=1」の式をそれぞれsin、cosに解きなおしてから代入すると2本目と3本目の式も出てきます。
どうですか?覚えなければいけないことが一気に減りました。
ポイントは、公式を覚えるのではなく、導き方を覚えることです。論理で覚えているかどうかででも記憶力は俄然違ってきます。
高3の夏が大学受験の勝負だと思うな!高2の夏が勝負だと思え!
多くの現役生が、高3の夏休みの頑張りで大学受験の合否を左右するとわかっています。なので、ほぼ全部の高3生が夏休みではがっつりと勉強します。
しかし、はっきりと言って高3の夏から頑張っても大学受験は遅いのです。
では本当の勝負の鍵を握っているのはいつなのか。それは高2の夏です。
周りの高2生は、「来年は勉強しなければならないから、今年の夏は遊ばなきゃ!」と思っています。そしてダラダラとした高2の夏休みを送ってしまいます。
もちろん、遊ぶときはがっつり遊んだっていいのです、まだ高2なのだから。しかし、高2の夏を遊びだけで過ごしてしまうのは非常にもったいないです。高2の夏こそしっかりと勉強しましょう。
では、なにをすれば良いのか。予習はしなくて良いです。もちろんできることに越したことはないですが、それよりも高2の夏は苦手をなくしましょう。
復習に時間をたっぷり使っていきましょう。これまでの定期テストや模試を引っ張り出してきて、自分がどこが苦手で点を落としているのかまず知ることから始めます。
根本の公式からわからなければ教科書から戻ればいいですし、その時には授業で取ったノートも役立ちます。
公式はわかっているけどいまいち問題に生かせていないな、と思えば問題集の該当範囲の問題を全部やってみれば良いのです。さらなるレベルがほしければ、これまでにやった模試の問題をもう1回解くのも効果的です。
高2の夏で苦手を克服できているのといないのとでは、本格的に受験生になった高3でかなり違ってきます。
周りがようやく苦手を潰し始めた時にあなたは問題演習にしっかりと時間を使うことができます。
後で必ずしなければいけないことなのであれば、先にやっておけば後々の自分を大きく助けることになりますよ。
まとめ
いかがでしたか?早めにやれば後で楽だ・・・とわかっていてもなかなかできない生徒がたくさんいます。
そして後であの時しっかり勉強しておけばよかったと後悔する声をたくさん聞きます。
目標大学のレベルが上がれば上がるほど求められるレベルは上がりますし、そのためにしなければいけない勉強量も増えてきます。
後回しでできる量には限界があるのです。
難関大学を目指しているのであれば、高1・高2のうちからしっかりと勉強しましょう。でないと、高3になってからでは間に合いませんよ?
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