復刻版の『Franchise』とはどんなボードゲーム?原版の『胡椒袋』から紐解いてみよう







こんにちは。ボードゲーム愛好歴20年のシグルンです。

今回ご紹介するのは1998年に発売された『胡椒袋/豪商』です。

 

近年のボードゲームブームに伴い、かつて高評価を得たボードゲームの復刻版やリメイクが次々発売されております。

『胡椒袋/豪商』もその一つで、1998年ドイツ年間ボードゲーム大賞で10位を受賞した作品が、2018年にアメリカン・ドリームをテーマとした『Franchise』というゲームにリメイクされることになりました。

 

昨今は新しいボードゲームの発売情報も多く入ってくるようになりましたが、ボードゲーム歴が長いユーザーは主にリメイク版より新作の話題を追っていきます。

なので最近ボードゲームを始めたユーザーも同じように新作ばかりに視点が向くと思いますが、是非過去の名作作品も遊んで下さい。

最近のゲームほどコンポーネントが凝っていたり、ルールが洗練されていたりはしないゲームもあるかもしれませんが、「なるほど名作だ」と頷けるプレイ感と面白さがあります。

 

ゲームの世界観

胡椒袋

~あなたは裕福な商人で、交易権を獲得して、大きな影響力を持つことを目指します。

そのためには、出来るだけ多くの都市に自分の商館を立てなければなりません。

都市の中で一番大きな商館を持っているものが、そこでの交易権を獲得し、都市マーカーを貰います。

同時に、各地の領主に対して商行為を展開して、大きな影響力をもたらすために、より多くの地域に商館を広げていくことを目指します。

ゲーム終了時に、最も大きい影響力を持っているプレイヤーの勝利になります。~

 

 

ゲームの概要・ジャンル

 

12~17世紀に各地に商館を建てて、商品の取引をしていたハンザ同盟をテーマにした陣取りゲームです。

富裕な商人は、お金持ち=当時最も高価な貿易品だった胡椒をもっているがめつい商人という意味で「胡椒袋(Pfeffersack)」と呼ばれていたことが、このゲームのコンセプトとなっています。

 

ゲームの準備と遊び方

 

並べるのはゲームボードと、小都市カウント用のチャートで、それぞれにマーカーを配置します。

受け取るのは商館を表す家型のコマ、陣取り得点用の都市マーカー、ボーナスアクション用の通行証になります。

 

内容物と使い方

  • ゲームボード…10の地域、25の大都市、20の小都市が描かれています。
    大都市…中央に数字が描かれた円形の部分。
    小都市…白い家が描かれた部分。収入は得られないが、ここを通じて移動することが可能。
  • 通行証…2ラウンド目以降の、自分の任意の手番に使用可能。
    商館を2つ開いたり、2軒分拡張出来たり、収入を倍にしたりといった「ダブルアクション」が使用出来ます。
  • 家コマ…商館。一箇所に複数配置することで「大きな商館」となります。
  • 都市マーカー…獲得したプレイヤーが得点トラックを進められます。
  • 小都市チャート…まだ商館が建っていない小都市がいくつあるかを示すチャート。
    小都市に商館を建てたらチャート上のマーカーを「0」に向かってを下げていきます。

 

ゲームの準備

  1. 各プレイヤーは任意の色の家コマを受け取り、そのうち1つを得点マーカーとしてゲームボード外周の得点トラックの「1」に置く。
  2. 「小都市チャート」をゲームボード脇に置き、各家コマを「20」のスペースに置く。
  3. 各プレイヤーは「通行証」を2枚受け取る。
  4. 各プレイヤーはプレイ人数に応じた資本金を受け取る。
  5. プレイ人数が5人以外の場合は「Wittenberg」の上に数値が「2」の都市マーカーを置く。
  6. 数値が5~8の「都市マーカー」を裏向きにして混ぜ、全てのプレイヤーに同じ枚数になるよう配る。
    それ以外の「都市マーカー」も同様に混ぜて同じ枚数になるように配る。
  7. スタートプレイヤーから全員、任意の小都市を1つ選んで自分の商館を建てる(家コマを置く)
  8. 「小都市チャート」に置いたマーカーを一段階下げる。

 

ゲームの進め方

  1. 都市マーカーの配置
  2. 商館の拡張 もしくは収入の獲得
  3. 基本収入の獲得
  4. 新たな商館の開設
  5. 影響力ポイント(勝利点)を解決

 

都市マーカーの配置

配られた「都市マーカー」のうち、同じ数字が書かれ、まだマーカーが置かれていない都市に該当の「都市マーカー」を置きます。

 

商館の拡張/収入の獲得

商館を開いている大都市毎に、商館を拡張するか、収入を得るかを決めます。

【拡張】

・「都市マーカー」が該当都市に残っている場合

自分のストックから家コマを1個取り、暫定的にマーカーの中央の数字の上に置きます。

 

・「都市マーカー」が該当都市から取り去られている場合

同様に家コマを中央に配置し、プレイ人数に応じた拡張費用を支払います。

 

【収入】

収入を得たい大都市にに対し、以下の条件を満たしている場合のみ収入を得られます。

・商館をすでに建てていること

・該当の大都市でこのラウンドに新たに商館を建ててないこと(中央の数字の上に家コマが無いこと)

・該当の大都市の「都市マーカー」が残っていること

収入は空きがあるマスと、プレイ人数によって決まります。

 

基本収入の獲得

第2ラウンドから発生します。(第1ラウンドはゲーム開始前に資本金が分配されるため)

プレイ人数に応じた基本収入を得ます。

 

新たな商館の開設

手番毎に1回だけ、新たな都市に商館を開くことが可能です。

A大都市に商館を開設する場合

・プレイヤーが既に商館を開いている都市から直接交易路で繋がっている

・その都市に空きマスがある

・「都市マーカー」が既に置かれた都市

以上の条件を満たしている場合、交易路に書かれた交通費を支払い、都市の中央の数字の上に家コマを置きます。

 

B小都市に商館を開設する場合

・交易路に書かれた交通費を支払い、その都市の上に置く。

・プレイヤーの得点マーカーを1進める

・「小都市チャート」のマーカーを1つ「0」の方に移動させる。

小都市には1つしか家コマを置けません。

 

影響力ポイント(勝利点)を解決

このラウンドで配置した家コマを、大都市の中央部分から「都市マーカー」外周の空きスペースに移動させます。

その都市の最初の商館であれば外周マスの矢印の部分から、2つ目以降は順に時計回りの配置になります。

 

Ⓐある都市で過半数の商館を建てた場合

1)置かれた「都市マーカー」を受け取り、表向きに自分の場に置く。

2)「都市マーカー」に乗っていた家コマはゲームボードに直接同じマスに置く。

3)「都市マーカー」に書かれた数字を勝利点として、得点マーカーを同じ数だけ進める。

 

Ⓑ誰も過半数に達してないが、その都市の最後の商館が建てられた場合

1)その都市で最も多くの商館を建てたプレイヤーが「都市マーカー」を獲得する。

2)「都市マーカー」に書かれた数字の半分を勝利点として、得点マーカーを同じ数だけ進める。(端数切捨て)

3)複数プレイヤーが同数の場合、それらのプレイヤーの中でより先に商館を建てていたプレイヤーが都市マーカーと勝利点を得る。

 

ゲームの終了

以下の条件を満たした時にゲーム終了となります。

・小都市チャートのマーカーが「0」の所に達した時

・全ての大都市マーカーが取り除かれた時

・手番が1巡する間、どのプレイヤーも新たな商館を開設しなかった時

 

商館を開いている地域、所持金を勝利点に換算して得点マーカーを進め、最も勝利点の高いプレイヤーが勝利します。

 

まとめ

 

1960年代のアメリカを舞台に起業家となり、新規事業を興してビジネスを他の町や都市に展開していく『Franchise』というゲームにリメイクされるそうで、ニュンベルクで行われるボードゲーム見本市でお披露目されました。

詳しい事はまだ分かりませんが、ルールやコンポーネントが洗練されているかもしれません。

 

近々日本にも入ってくるでしょう。

原版が「ドイツ年間ゲーム大賞10位」なのですが、この位置が計りにくいかもしれません。

ですが、この1999年は『ティカル』や『ラー』、『フェレータ』『マンマミーア』など今なお売れ続けている、ロングセラーのボードゲームが多数発表された年でした。

ドイツで年間400タイトル以上発表されるボードゲームの中でトップ10に入る実力を持つおススメのボードゲームです。

 

プレイ人数:2~6人
プレイ時間:60~90分
状況:絶版。リメイク作が後日発売
1999年ドイツ年間ゲーム大賞10位










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