これって五十肩?五十肩の症状と治し方。日々の生活でできることは?







肩が痛くて、腕があがらない! 中高年者の多くが患う五十肩……

最初はとても痛みが強くてつらいのに、時間がたてば自然に症状が軽くなってくる疾患です。

 

ただし、痛みがなくなっても、早めにリハビリを始めないと、肩関節の運動制限が残ってしまいます。

でもご安心ください。自宅でできる簡単なストレッチを毎日続けるだけで、動く範囲を改善することができるのです。

五十肩をしっかり治すためには、根気よくリハビリを続けることがとても大切なのです。

今回は、五十肩の症状と治療法、特におすすめのストレッチをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

これって五十肩?五十肩の症状について

五十肩の好発年齢は50歳代ですが、30~80歳といった広範囲の年齢層にも発生します。

原因は様々ですが、ケガがきっかけになることは、比較的少ないでしょう。

五十肩の特徴は、経過の前半に痛みが強く、後半では痛みがおさまると共に、動きが制限されるところにあります。

 

中高年で、肩が痛くて上がらないからといって、五十肩と判断するのは、早計かもしれませんね。

頚椎や他の疾患が原因の症状だったり、手術が必要なケースもあります。

ケガの場合は勿論、思い当たるような原因がないときでも、痛みが長引いたり、悪化するようなら、早めに整形外科を受診してください。

 

五十肩の主な原因は加齢

 

五十肩は、肩関節を固定する筋肉や肘をまげる力こぶの筋肉などの腱の炎症から始まります。

加齢変性や繰り返しの動作による、腱の摩耗や炎症が誘因となります。

 

長頭腱炎、腱板炎、腱板断裂、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性腱板炎が主な原因ですが、

なかでも40~50歳代に発生した、長頭腱炎と腱板炎が進行して、関節炎を合併し、やがて運動制限をおこした肩関節周囲炎を五十肩と呼びます。

 

五十肩の症状の特徴は?

主な症状は、痛みと運動障害ですが、脱力感や倦怠感、こり感や重苦しさなどを訴える場合もあります。

痛みは病状が進行すると、安静時や夜間の痛みが強くなり、患部を下にして寝ると痛みで目が覚めることもしばしばです。

 

運動障害は、痛みのために腕が上がらず、後頭部に触れたり腰に手を回しづらくなります。

着替えや寝返りも辛くなってきます。

原因疾患によっては、重い物を持ち上げようと力を入れると痛んだり、腕を外に挙げる時に一定の角度で痛みが増すケースも見られるでしょう。

 

筋肉の緊張や関節包などの癒着が進行すると、「痛いから上がらない」から「固まって上がらない」状態に移行します。

痛みが激しい約2週間の急性期、そして約6ヵ月の慢性期の後、回復期といった経過をたどることが多いようです。

 

五十肩こんな症状には要注意!

 

40歳以上の男性の右肩に多くみられる「肩腱板断裂」は、夜の痛みと肩を上げたときの雑音が特徴です。

外側へ上げる途中で痛みが発生しやすいですね。

ステロイドと局所麻酔剤の注射やヒアルロン酸の注射、運動療法などで7割は軽快するといわれています。

 

夜、突然の激しい痛みに襲われる「石灰沈着性腱板炎」は、40~50歳代の女性に多く発生します。痛くて眠れず、肩を動かせなくなります。

注射針による石灰の吸引や内服薬、注射が有効なので、我慢せずに整形外科を受診しましょう。

 

首を動かすと痛みが増したり、腕から手にかけてしびれがあらわれたら、頚椎の疾患が疑われます。

また、痛みや腫れとともに、「朝のこわばり」が肩以外の関節、特に指の関節などに見られたら、関節リウマチかもしれません。

特に痛みが激しく進行性で、腫れや発赤、熱感があるときは、重い病気が隠れている可能性も考え、早急に専門医にかかってください。

 

五十肩の治し方の基本は保存療法です

 

問診と診察、画像検査(レントゲン、MRI、超音波検査、関節造影など)で、診断を確定させます。

通常は、手術以外の保存療法で痛みを和らげ、動かせる範囲をひろげていきます。

保存療法(ほぞんりょうほう)とは、整形外科疾患の範疇では人体を傷付けず、つまり出血させずに治療する方法の総称である。出血させて治療する観血的療法とは反対である。

 

薬物療法は、非ステロイド性消炎鎮痛薬や湿布、塗り薬などが処方されます。症状によっては、筋弛緩剤や精神安定剤を組み合わせることもあります。

注射療法はステロイド剤と局所麻酔剤の混合液、そして痛みが軽減してきたら、高分子ヒアルロン酸ナトリウムが使われるでしょう。

ホットパックやマイクロ波による温熱療法や低周波治療、超音波療法などの物理療法も有効です。

そして、これらの治療と同時に、肩関節の可動域と運動痛の改善には、運動療法が欠かせません。

 

五十肩のリハビリはストレッチ

 

痛みの激しい急性期は、肩に負担をかけないように気を付け、安静を保ちますが、痛みのピークを過ぎたら早めに運動療法を始めましょう。

五十肩のリハビリには、自宅で毎日続けられるストレッチが最適です。

 

  • 振り子運動(急性期で、まだ痛みがある時に)

椅子の座面に良い方の手をつき、前かがみになります。痛い方の肩は、だらんと垂らし、完全に力を抜きましょう。

そのまま痛い方の腕全体を円を描くように、ゆっくりと回します。小さい円から徐々に大きく、左右に50回づつ回します。

痛みに慣れてきたら、少しずつ前かがみの角度を増やしていきましょう。

 

  • 引き上げ運動(腕を前に上げると痛い時に)

良い方の手で、痛い方の手首をつかみ、肘を伸ばして腕全体を前方に引き出します。

そのまま、痛みが生じる角度まで、ゆっくりと上に挙げていき、10~20秒間保ちます。

痛みが少し軽くなってきたら、わずかに角度を増して、再度保持しましょう。

 

  • 背かき運動(後ろに手がまわりづらい時に)

お尻の後ろで痛い方の手首を良い方の手でつかみ、肘を伸ばします。

そのまま、ゆっくりと後ろに引き上げていき、限界で肘を曲げます。

なるべく、背中の高い位置に触れるようにしましょう。

 

  • よりかかり運動(腕を外側にあげると痛い時に)

壁から適度に離れて横向きに立ちます。

痛い方の手を壁につけ、よりかかりながら、ゆっくりと指を上にはわせていきます。

痛みが強い時は、肘を壁について、膝を少しずつ曲げていっても良いでしょう。

 

無理は禁物。痛みを我慢して続けると、炎症が悪化したり癒着が進むこともあります。

その日のコンディションに応じて、運動量を調整してください。

運動の前に、ホットパックで肩を温めると、楽に動かせますよ。

 

五十肩にはこんな体操もおすすめ

 

いつでも、どこでも出来る、おすすめの簡単ストレッチを2つ。

 

痛い方の肘を出来るだけ曲げて、体からなるべく離します。

肘の先端で円を描くようにゆっくりと左右に回します。

小さい円から、徐々に大きい円にしていきましょう。

腕を上げると痛い時に有効ですよ。

 

痛い方の肘を90度に曲げ、体から少し離します。

手首をぐるぐると、左右にゆっくりと円を描くように回します。寝て行っても良いでしょう。

腕をひねると痛い時に有効な運動です。

 

 

腕を動かすと痛い五十肩は、日常生活動作がとても辛いです。

しかし、痛いからとあまり動かさないでいると、筋肉や靭帯などが硬くなり、ますます可動域がせまくなり、痛みが改善しないという悪循環におちいります。

 

五十肩のほとんどの患者さんは、自然に回復はしますが、肩が固まって動かしづらさが残ってしまう方も多くいらっしゃいます。

それを改善してくれる最良の方法は、肩関節のストレッチ体操なのです。

 

決して難しいリハビリではありません。必要なのは、根気だけです。

患者さんご自身が前向きに取り組み、続けていただければ、きっと良い結果が望めるでしょう










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