こんにちは。ボードゲーム愛好歴20年のシグルンです。
ボードゲームに慣れてくると手軽にワイワイするのも楽しいですが、ちょっと歯応えのあるゲームもしたいものですよね。
でも上級者がやっているような重量級ゲームにはまだ参加出来る気がしない…。
そんなあなたにおススメする”上級者向けゲームを簡略化した入門用ゲーム”があるんです。
今回紹介するおススメのボードゲームは「魔法!モンスター!」な世界の『グリムリーパー』です。
泥棒から魔法使いに
2009年にドイツから発売された『ラングフィンガー(泥棒稼業)』が2017年にグループSNEでリメイクされました。
それが『グリムリーパー』です。
『ラングフィンガー』は、
- 泥棒が”窃盗用の道具”を揃え、
- ”お宝”を盗み、
- ”換金”して得点を獲得
といった流れになります。
『グリムリーパー』では、
- 魔術師が”呪文を記した巻物”を用意し、
- ”魔物”を倒し、
- ”報酬”を受け取って得点に加算
に置き換えています。
泥棒をテーマにしたものから、魔法でモンスター退治にテーマ替えしたのは(日本の)万人受けを目指したのでしょう。
前作の泥棒の絵もコミカルで良かったのですが、ボックスアートもラノベやコンシューマゲーム寄りになりました。
更にSNEがデザイナーのC.フィオーレ&K.ハッペルとやり取りして、飽きが来ないよう新たな要素も加えられています。
ワーカープレイスメントというジャンル
ゲーマーズゲームと呼ばれる、主に中級者以上向けのゲームに位置するジャンルです。
ゲームは複雑になりがちなので中級者以上向け…と書いていますが、ルール自体は”ワーカーを配置する”というシンプルなゲーム、という特徴があります。
プレイヤーはワーカー(労働者)と呼ばれる使役出来る駒をそれぞれ規定数持ちます。
ボードもしくはカードには「木材を得る」「石材を得る」等の効果が書かれており、その部分(通称ワーカーボックス)にワーカー駒を出向/配置(プレイスメント)することによって効果を得ます。
プレイヤーは得た効果を利用(消費)し「建物を建てる」等をして、より生産性を向上させ自分の資産を豊かにしていき、その資産の大きさ等を競います。
運の要素はまずなく、自分の戦術がものを言う…とてもやり応えのあるゲームです。
しかし多くのワーカープレイスメントは、ワーカーを働かせるために食料もしくは給料を必要とし、その運用が厳しめに出来ています。
経験者は上手くやり繰りしてワーカーを増員し、どんどん資産を増やしていけますが、初心者は運用がカツカツのままで増員が出来ず、いつまでも後手に回る…という経験差が如実に出てしまうゲームでもあります。
『グリムリーパー』は初心者に優しいワーカープレイスメント
「そんなゲームはいきなり出来ないな…参戦しにくい…。」という方に朗報です。
入門向けワーカープレイスメントというものがいくつか存在します。
入門用の特徴としましては
- ワーカーは最初の規定数から増えない
- 食料や給料を用意する必要が無い
という点があります。(『グリムリーパー』は増える場合があります。)
飲食店の場所取りのような感覚で気軽にワーカー駒を使用出来ますので、ゲームの目的に集中できます。
自分の手番で取る行動を、宣言する代わりにワーカー駒を置く、といった認識で遊べます。
ゲームの準備と遊び方
『ラングフィンガー』は、ボードに場所が描いてありましたが、『グリムリーパー』は複数枚あるカードに場所が描かれており、ランダムに選定します。
これが冒頭に申し上げた新たな要素で、場所カードの組み合わせによってゲーム毎に巻物の相場が変化します。
この新要素により、シンプルだった前作より変化や念頭に置く情報などが楽しめるようになっています。
ゲームを始める前に
- 好きな魔術師カードを選び、自分の前に置きます。同じ色のワーカー駒を3個ずつ受け取ります。
- 巻物カード、魔物カード、国王カードをそれぞれシャッフルし裏向きの山札としてセットします。
それぞれの隣に捨て札置き場も用意します。 - 場所カードの「魔術師の学院」を筆頭に、「国王の城」を末尾になるよう場に配置します。
次の1枚は「運命の森」か「炎の洞穴」から選び、残り3枚はランダムに選んで計6枚を配置するようにします。 - 「魔術師の学院」そばにプレイヤー人数に応じて必要な分の巻物カードを山札から引き、表向きに置きます。
- 「国王の城」そばにプレイヤー人数に応じて必要な分の国王カードを山札から引き、表向きに置きます。
- 「運命の森」か「炎の洞穴」そばにプレイヤー人数に応じて必要な分の魔物カードを山札から引き、裏向きに置きます。
- その他場に並べられた場所カードに応じて準備をします。
- スタートプレイヤーは巻物カードの山札から2枚引き最初の手札とします。
左隣のプレイヤーは3枚、残りのプレイヤーは4枚ずつ引きます。
ゲームの目的
いずれかのプレイヤーの所持金が「20コイン以上」になった場合、そのラウンドの終了時にゲーム終了となります。
その時点で最も所持金が多かったプレイヤーが勝利となります。
進め方
1.ワーカー駒の配置
スタートプレイヤーから順に、好きな場所カードの上にワーカー駒を1個ずつ配置します。
ワーカー駒を置くマスは左詰めで配置します。
2.アクションの実行
場所カードの列頭から(「魔術師の学院」→他の場所カード4枚→「国王の城」)処理していきます。
場所カードの一番左側に置かれたワーカー駒からアクションを行います。
3.次のラウンドの準備
・「魔術師の学院」に巻物カードを補充します。
・魔物がいる場所カードそばに、魔物カードを補充します。
・スタートプレイヤーが左隣のプレイヤーに移り、新たなスタートプレイヤーからワーカー駒を配置します。
まとめ
『グリムリーパー』はワーカープレイスメントの重要な要素である「順番」に力が入っている、拡大生産の要素は皆無のゲームなので、ワーカープレイスメントでは一番軽いゲームではないでしょうか。
故にワーカープレイスメントに慣れている方にはあっさりし過ぎている感があるかもしれません。
勿論、上級者が遊ぶ場合は、何時、どの行動を取るかのタイミングがシビアなゲームへと変貌しますので、初心者から上級者まで楽しめるおススメのボードゲームです。
次回:サイコロを改造・強化できる!サイコロを使ったおススメのボードゲーム~ダイスフォージ~
グリムリーパー 日本語版
プレイ人数:2~5人
プレイ時間:20~30分
状況:発売中
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