眠りたいのに眠れない!『不眠症』の原因と対策について徹底解説







眠りたくても、眠れない!

目がさえて寝つけない、眠りが浅い、寝てもすぐ目が覚めるなどは、誰もが経験する睡眠のお悩みですよね。

一過性であれば心配いりませんが、十分な睡眠をとれない日が続いたら要注意。

「眠れない」ために、仕事や生活に支障が出る状態が「不眠症」です。

 

不眠症になると、まず目覚めた時に倦怠感や眠気などの不快感が生じ、日中も続くようになります。

さらに、不安や気分の落ち込みなどに悩まされることもあります。

また、不眠が病気のサインの場合もあるので、注意が必要ですね。

今回は、成人の約1/3が訴えるといわれる不眠症状をとりあげ、「不眠症」の原因と対策などをお届けします。

 

睡眠の種類について

鳥類と哺乳類の睡眠は、レム睡眠ノンレム睡眠の2種類あります。

 

脳は作業中だけど、からだは休める「レム睡眠」

浅い眠りの「レム睡眠」は、身体がお休み、脳は作業中の状態です。

レム睡眠中、脳のなかでは記憶を定着させたり、情報を整理しているとされています。

眼球がピクピクといそがしく動いており、夢を見やすい睡眠です。

レム睡眠は、精神的なストレスを多く受けると増えるでしょう。

 

脳が休む「ノンレム睡眠」

深い眠りの「ノンレム睡眠」は、脳がお休み、身体は作業中の状態です。

眼球運動が止まり、脳波の活動も低下しているので、ノンレム睡眠時に起こされると目覚めが悪いです。

成長ホルモンが分泌され、組織の修復や免疫の増強が行われるでしょう。

ノンレム睡眠は、肉体的なストレスを多く受けると増えると言われています。

 

寝ている間、レム睡眠とノンレム睡眠が交互にあらわれることで、身体と脳が休息をとり健康が保たれます。

 

不眠症のタイプは4つに分類される

睡眠障害の一つである「不眠症」は、4タイプに分類されます。

 

①寝つけない「入眠障害」(入眠時不眠、初期不眠)

最も訴えの多いタイプで、寝床に入ってから30分以上寝つけない不眠症です。

高齢者だけでなく、若年者もなりやすいと言われています。

 

②何度も目が覚める「中途覚醒」(睡眠維持不眠、中期不眠)

夜間何度も起きたり、目が覚めた後30分以上眠れなくなる不眠症です。

中高年者や高齢者に最も多くみられる症状です。

泌尿器疾患で夜間頻尿になると、何度も目が覚めます。

 

③早く目覚める「早朝覚醒」(後期不眠)

起床予定時間より30分以上早く目覚め、睡眠が6時間半以下の不眠症です。

原因は加齢により体内時計が早まるためで、高齢者や躁うつ病の人に多いでしょう。

 

④眠りの浅い「熟眠障害」

睡眠時間は十分なのに、寝た気がしないと感じます。

必要な睡眠時間より、寝床にいる時間が長すぎるとなりやすいです。

高齢者や神経質な人に多いでしょう。

 

これらの症状が1週間に3回以上、1~3ヶ月間続く状態を「非器質性不眠症」と呼びます。

 

不眠症の原因を5つ紹介

次に不眠症の原因についてです。

不眠症には様々な原因がありますが、その中から最も原因として挙げられやすい5つをピックアップしてご紹介します。

 

①生活習慣、寝るときの環境

夜勤者の昼夜逆転や長時間の昼寝、早寝やよふかしなどの不規則な睡眠習慣が、不眠症の原因になるでしょう。

寝室の不適切な照明や温度と湿度、騒音などが眠りを妨げます。

また、寝具が身体にあっていないと、スムーズに寝返りが出来ないため、睡眠の質が低下します。

 

②不安、興奮

精神的なストレスやショック、日常生活や健康、経済面などの不安は、不眠症の原因となります。

さらに「また眠れないのでは」といった不安感は、不眠を悪化させます。

寝る前に激しい運動をしたり、気分が高揚するようなことがあると、交感神経(活動時に働く)が興奮して、なかなか寝つけません。

日中の適度な運動はよいのですが、疲れきってしまうと、かえって目が冴えて眠れなくなります。

また、寝る前のスマホやパソコンも脳を刺激して興奮状態になるので、不眠の原因になります。

 

③飲み物、タバコ、薬

寝る前のカフェインや過量のアルコール、タバコや刺激物(唐辛子や胡椒など)は、交感神経を刺激して睡眠を阻害します。

高血圧や高脂血症の薬、 副腎皮質ステロイドや抗潰瘍薬、抗うつ薬やパーキンソン病の薬などは、不眠の副作用があります。

 

④病気の症状、加齢

痛みや痺れ、痒みやせき、発熱や頻尿などが眠りを妨げます。

坐骨神経痛や糖尿病による神経障害、ぜんそくやがんなどの症状が不眠症の原因になるでしょう。

眠ろうとすると脚に異常な感覚が生じ、じっとしていられない「むずむず脚症候群」や、手足が勝手に動いてしまう「周期性四肢運動障害」、睡眠中呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」なども原因になることがあります。

また、加齢により、睡眠が維持できなくなったり、睡眠時間帯がずれたりします。

加齢と共に必要な睡眠時間は短くなるのに、寝床にいる時間が長くなってしまうと、自然と中途覚醒や早朝覚醒が増えてきます。

高齢になると日中の活動量が減り、昼寝の時間が長いのも、不眠症の原因となります。

 

⑤精神疾患

うつ病、神経症、総合失調症などの患者さんは、不眠を訴えることが多いです。

神経質な人や、心配症で些細なことでも気に病む人は、不眠になりやすいでしょう。

 

生活習慣病から不眠になることもある

また、高血圧や高血糖、肥満などが不眠症の原因となることもあります。

  • 高血圧症:自律神経の交感神経が優位なため、不眠になります。
  • 糖尿病:のどが渇くのでトイレがちかくなり、脚の痺れや痛みのために、睡眠が妨げられます。
  • メタボリックシンドローム:睡眠時無呼吸症になりやすいため、睡眠が障害されます。

 

高齢者の不眠症の特徴

加齢とともに、覚醒と睡眠のリズムがくずれてきます。

起きているときと、眠っているときの境界線が曖昧になり、メリハリがなくなってしまいます。

夜間の眠りが浅くて昼間眠い、すごく早く目覚める、何度も目が覚めるなどの訴えが増えてくるでしょう。

中途覚醒や早朝覚醒は、ある程度は加齢によるものですが、症状によっては「うつ病」「泌尿器疾患」が原因の場合も考えられるので、注意が必要です。

 

不眠症の「眠れない」以外の症状は?

 

夜間眠れないために、昼間さまざまな症状に悩まされます。

 

身体的には、日中の眠気倦怠感作業効率の低下集中力記憶力の低下過度の緊張状態などがみられます。

さらに、頭痛胃腸障害が生じることもあります。

 

精神的には、不安抑うつ(気分の落ち込みと体の不調)があらわれます。

いらいらして怒りやすい、くよくよして気分が安定しないなどの状態になることが多いでしょう。

また、不眠に対して恐怖心を抱くようになると、重病や死を連想することも。

精神的に追い詰められて、さらに眠れなくなる悪循環に陥りやすくなります。

 

正常な睡眠時間が極端に短くなると、心身に大きな負担をかけ、うつ病や生活習慣病、心臓病や脳卒中のリスクが高まるとされているので、要注意です。

 

不眠症の薬物治療は?

不眠症に処方される睡眠薬は、血中濃度が半減するまでの時間で、4種類に分類されます。

 

  • 超短時間型(6時間以内に半減する):入眠障害、一過性の不眠
  • 短時間型(6~12時間以内):入眠障害、早朝覚醒
  • 中間型(12~24時間以内):早朝覚醒、中途覚醒
  • 長時間型(24時間以上):中途覚醒、熟眠障害

 

睡眠薬の副作用は、昼間の眠気とだるさ、一時的な物忘れなどです。

最近は、依存性の少ない睡眠薬が増えているので、担当医とよく相談して処方してもらいましょう。

睡眠薬を止めたいときも、医師に相談し少しずつ減量してください。

 

睡眠薬は床に入る前に内服し、アルコールと一緒には飲まないでください。

また、夜間トイレに行くときは、ふらつきやすいので、転倒などに気をつけましょう。

 

不眠症の対策について

不眠症の対策としては、まず寝るときの環境や、生活習慣を改善しましょう。

 

快適な睡眠の為に寝室の環境と寝具を見直す

寝室の照明は明るすぎず、暗すぎず、騒音は耳栓などで防ぎましょう。

エアコンなどで、快適な室温と湿度を心掛けてください。

寝返りしやすい、布団やマットレスの硬さ、枕の高さや形を選ぶことも、快適な睡眠には重要です。

 

睡眠の質を上げる為に生活習慣の改善

起きてから14~16時間後に、眠気は生じるとされています。

起床時間を毎日同じにすると、寝つきが良くなるでしょう。

 

朝起きたときに日光を浴びると、体内時計が整い、覚醒と睡眠の切り替えがスムーズになります。

また、日中の適度な運動は、寝つきを良くしてくれます。

昼間眠いときは、午後3時までに30分以内の昼寝をしてもよいでしょう。

 

コーヒーや紅茶、日本茶や栄養ドリンクなどに含まれるカフェインは、数時間ほど睡眠を妨げるので、寝る前は飲まないようにしましょう。

寝る前のアルコールは、トイレが近くなり睡眠の質を低下させますが、少量であれば入眠作用があります。過度にアルコールを摂ってしまうと睡眠の質が下がってしまいますので、飲み過ぎないようにして下さい。

 

適切な睡眠時間は、6~8時間?

ちょうど良い睡眠時間は、成人では6~8時間と考えられていますが、個人差があります。

昼間に眠くて困らないくらいの睡眠時間を目安にしてください。

 

寝床にいる時間は7時間以内がよいと言われています。

布団に入っている時間に対して、実際に眠っている時間の割合が、85%以上だと「良質の睡眠」とされています。

 

寝つきが悪いからと、早めに床に入り無理に寝ようとするのはおすすめできません。

眠くなるまで、時間を気にせずにリラックスして過ごしましょう。

寝床に入ってからは、呼吸に意識を集中させると、雑念がはらわれて寝つきやすくなりますよ。

「眠れないときは、寝床で過ごさない」ことも、睡眠習慣の改善に役立ちます。

 

睡眠習慣を表に記録する「睡眠日誌」は、不眠の解消に有効です。

1~2週間、寝床に入った時間から、床を離れる時間までの経過を記録することで、睡眠習慣の問題点を見つけられます。

 

寝つきを良くする為に身体を温め、深い呼吸を心がけましょう

手足が冷たいと、寝つきが悪くなりやすく不眠になりやすいでしょう。

寝る前に適温の手湯や足湯で、血行を良くして身体をリラックスさせましょう。

末梢の血管が拡張するため手足は温かく、体温はおだやかに下がるので、入眠しやすくなります。

また、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かると、副交感神経が優位になるので、緊張が和らいで寝つきが良くなりますよ。

 

ゆったりとした腹式呼吸も、自律神経を整えて心身をリラックスさせるので、不眠症には効果があるでしょう。

鼻からゆっくりと大きく息を吸って、口からゆっくりと吐きだします。

吐く時に口をすぼめて、息を細くゆっくり吐くのがコツです。

 

不眠の症状別、ツボ療法!

原因がはっきりしない不眠症や、治療しても症状が軽減しない不眠症などには、ツボ療法をお試しください。

不眠の症状別に、効果が期待できるツボをご紹介します。

 

[床に入っても寝つけない]

・失眠(しつみん):足の裏でかかとの中央

 

[体力の低下による不眠に]

・湧泉(ゆうせん):足の裏の中央より、やや指寄りのくぼみ

 

[体が冷えて眠れない]

・三陰交(さんいんこう):内くるぶしの中心から、指幅4本上の骨のきわ

 

[イライラして眠れない]

・太衝(たいしょう):足の甲で親指と人差し指の骨が交わるくぼみ

 

[交感神経が緊張して眠れない]

・安眠点:耳たぶの後にある骨の突起と、耳たぶの間にあるくぼみから、髪の生え際に向かい、指幅2本と指幅4本の2点

・耳の神門(しんもん):耳の上部でY字型の軟骨の間

 

[不安や心配で眠れない]

・耳の心(しん):耳にある下部のくぼみの中央

 

[精神的疲労による不眠に]

・鳩尾(きゅうび):胸の真ん中の骨の下端のすぐ下、みぞおちの上部

 

押してみて痛気持ちよいツボ、他の箇所にひびくツボが治療ポイントです。

ゆっくりと3秒ほど押してから、そっと離すツボ押しを、数分間繰り返しましょう。

不眠の特効ツボ「失眠」は、こぶしでゆっくりと30回くらい叩く方法もおすすめです。

市販されている「せんねん灸」のような温灸で、ツボを心地よく温めてもよいでしょう。

なお、不眠の症状が悪化するときは、中止してください。

 

ストレス社会で快適な睡眠を手に入れるためには

 

「睡眠」は人が生きていく上で、食事・運動とともに、必要不可欠なものです。

寝る間を惜しんで頑張ることも大切ですが、心身を壊してしまっては、元も子もありません。

ストレスの多い現代社会では、多くの人が不眠に悩み、心も体も追い詰められています。

眠りに異常を感じたら、まずは睡眠の専門医に相談しましょう。

また、睡眠環境や生活習慣の見直しも、不眠症の改善に役立ちますので、ぜひ心掛けていただき、快適な睡眠を取り戻してください。












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