魔術やオカルトに興味を持つと必ず出会うであろう占いの世界。
最近占いはかなりメジャーになって、タロットカードが本屋さんで変えたり、占星術データをスマホアプリで見れたりととっても便利な時代です。
しかし本来 魔女たちは「魔術や占いで使う道具は使い手が “手作り” すること」、つまり《DIY精神》を大切にしてきました。
ある程度占いに触れていくと
- 「自分で占いをやってみたい!」
- 「自分の占い道具を持ちたい!」
- 「一歩踏み込んで占いに触れてみたい!」
さらには
- 「自分のオリジナル占いを作りたい!」
そんな方も多く出てきます。
今回はオカルトDIYの初歩として、自分で占い道具を作る手順を学びましょう!
なぜ魔術、占いにDIYが大切なの?
魔術・占い道具のDIY=ひとつの大切な儀式
魔術や占いに使う道具を手に入れると「これは私が魔術や占いだけに使う神聖な道具です」と宣誓する《聖別》を行います。
エネルギーを込めたり、自分の波動と調和させる役割もあるのですが、イチからの手作りは、作っている過程も聖別の一つになるといっても過言ではないほどの力があります。
また一つ一つ刻むシジル(マーク)や数字、絵柄の意味を覚えたり、ときには再解釈をしてあなた自身の思いを付け加えることも可能です。
占いがもつご神託に心を込め、あるいは自分の心に向き合いながら手作りする時間は、ひとつの立派な儀式。
作っている過程の苦労や学び、そのとき受けたメッセージはあなたの指先を伝わって道具に染みつき、必ずや占いにも生きてくるでしょう。
オカルトDIYのコツ 2つ
①無理のない範囲でやろう
必ず心に留めていただきたいのが
《絶対に格式高いお店で高いものを買わねばならないわけではない》
ということ。
魔術や占いの道具ってなんとなく「高ければ高いほど良いもの」という印象がありますが、必ずしもそうとは限りません。
また時間についても「長くかければかけるほど良い」とか「この時間内にやらないといけない」という規則はありません。
日曜大工や手芸と同じように、日々の営みにある楽しみの一環として、くらいがちょうどいいのです。
例えば、作りたい気持ちはあるのにお財布が厳しかったり時間がなかったりするときは、もしかしたら「今はそのタイミングじゃないよ」というメッセージなのかもしれません。
かける時間やお金に囚われず、今の自分にできる範囲で行いましょう。
②一番大切なポイントは “心地よさ”
使い勝手、サイズ、手触り、デザインなど、DIYは色んなことがカスタム可能です。
占いはそれなりに知識もいりますが、何よりも大切なのは精神状態。
どんなときでもニュートラルな気持ちで使えることは想像以上に占いの質(メッセージの解釈や受け止め方)を左右します。
まずは《自分仕様がたくさん詰まった心地良いもの》を意識して行ってみてください。
いざ実践!手順に沿って占い道具を作ってみよう!
①何を作るか決める
《何占いの》《何を》《何を使って》作るかを明確にします。
例えばタロット占いの道具を作るなら、カードを作るのか、カードを広げるマットを作るのか。
カードなら紙と画材が必要です。
紙が画用紙なのか羊皮紙なのか、画材がペンなのか絵の具なのかの違いでもかなり風合いが変わってきます。
アイテムに描かれたシジルからご神託を受けるルーン占いなら、さらに選択の余地が広がります。
石、貝、木のチップなど色んなもので作れるぶん、素材から地水火風=四大元素を意識したり、採集した土地のエネルギーを込めたりと、占い以外の魔術要素も含めることができますね。
またこのとき、費用や製作にかかりそうな時間も考えておきましょう。
天然石や羊皮紙などはそれなりにお金がかかります。
通販で買うなら送料・手数料、届くまでの時間も踏まえておかねばなりません。
細かい絵を描いたり刺繍を施す場合「生活のどのくらいの時間を割けるかな」という部分まで思いを巡らすとより効率的です。
②作業開始日を決める
何を作るか決めたら、次は作成日を決めましょう。
新月や満月、各サバトをはじめ魔術が大切にする節目の日を狙ったり、誕生日などの記念日に作るのもいいかもしれません。
材料調達も決めた日にちに合わせて行うと便利ですね。
また、この日にちはあくまで作業開始日。
その日じゅうに全部を作りきらねばならないわけではないことを補足します。
③材料を集める
お財布・時間と相談して決めましょう。
例えば海が近い人は貝やシーグラス、山が近い人は小石や枝、というように、わざわざ買わなくとも ちょっと散歩がてらに拾ったものを活用すれば、まずコストがかからないし、心安らぐ土地のエネルギーをいただくことにもなります。
刺繍や絵画、陶芸など特技を活かして作るのも素敵ですね。
何度も言うように、《あなたの手で作る》を大切にして下さい。
生活やお財布に合わせて無理なく行うことを心がけてくださいね。
④いよいよ作ってみよう!
②で決めた作業開始日が来たら、いよいよ実践です!
今回は冒頭で述べた『道具作り=儀式』を意識して、筆者が実践した一例をご紹介します。
⑴ 作る材料を並べて始まりの儀
普段お世話になっている存在やこれから作る占い道具に宿っていただく存在に挨拶します。
※存在=神様、天使、悪魔など。特定した何かではなく漠然としたエネルギーでも◎
⑵ 準備・作る
材料を広げて道具作りに取り掛かります。好きな場所で行う、好きな音楽を聴くなど、リラックスを心がけましょう。
作り終わった場合は⑶へ。
作り終わらない場合は、材料を綺麗にまとめ、あまり人目につかないところに保管します。
⑶聖別
完成した占い道具を改めて聖別します。
冒頭でも述べたように、聖別とは「これは作り主の私が、魔術や占いだけに使う神聖な道具です」と宣誓し道具に命を吹き込む儀式です。
祭壇を作って儀式をするのが難しい場合は、ひとまずお祈りをするだけでも良いでしょう。
占い道具やそこに宿るもの、それを駆使して世界に関わっていく自分について丁寧に祈り、感謝します。
オカルトDIY実践録!ルーンストーンを作ってみた
オカルトDIYの一例として、筆者が4年前……17歳のときに作った占い道具・ルーンストーンの製作過程をご紹介。
上記の手順に則って辿っていきます。
ルーン占い/ルーンストーンとは?
そもそもルーンとは古代ゲルマン人たちが使っていた文字のこと。1~7世紀頃北欧で使われていました。
これらを書いた石=ルーンストーンを袋に入れ、おみくじのように引いてご神託を受ける占いです。
①何を作るか決める
《ルーン占い用のルーンストーン》
材料
石は何かしらの粘土。こねて作りたい
文字は血を混ぜた絵の具
袋はあまり大きすぎない巾着タイプ
費用
数百円(粘土のみ)
製作期間
粘土を乾かす時間も入れて2日間
②作業開始日を決める
春分=オスタラのサバトに合わせて作りたい!
オスタラに作り始め、次の日に完成+聖別をするくらいのペースが理想。
(サバトの日に合わせて行うと、サバト+聖別を一緒にできるので楽です!笑)
③材料を集める
▼近くの文房具屋さんで手早く購入できる材料
▼持ち歩きやすさ+扱いやすさ=軽い素材
▼高校生のお財布的に1000円以下が嬉しい
▼不器用な人でも失敗を気にせず作れる気楽さ
以上の条件を叶えてくれる素材を探したところ、フィギュア製作などにも使われる石粉粘土に辿り着きました。
石粉粘土を選んだ理由
▼安い(300~400円くらいだった気がします)
▼手がベタベタしない。硬化後もさらさらした感触
▼乾けば乾くほど強度が増す
▼硬化すると軽くなる
クラフトに慣れている方・金銭的に余裕がある方は、銀粘土やブロンズ粘土などを使っても素敵かもしれません。
ちなみに絵の具は速乾性と発色の面からアクリルガッシュを選びました。
④いよいよ作ってみよう!
⑴ 作る材料を並べて始まりの儀
サバトのお祈りのあとに立て続けに開始。まだ祭壇らしい祭壇もなかった頃ので、とりあえず簡単なお祈りをしました。
⑵ 準備・作る
粘土で石を作るのに1~2時間+約1日乾燥させてから絵の具で文字を書きました。
字はとてもシンプルなのですぐ書けます。
色は血を混ぜても汚くなりすぎないようにシンプルな赤をチョイス。
⑶聖別
絵の具が乾いたらルーンストーンを一通り並べ、蝋燭を灯してお祈り。
終わったら実際に何回か使って楽しみました。
まとめ
今回は《DIY占い道具》をテーマに手順と留意点をご紹介しました。
占い道具に限らずDIYって、どんなに費用を削っても時間も体力も使う……結果的にコストがかかることです。
でもそのなかで色々な知恵や感覚を得られることこそDIYのいいところ。
この《DIY精神》は儀式、おまじない、祭壇作りなどあらゆる魔術に通じています。
ぜひ、オカルト体験・実践魔術の一環として
占い道具DIYを試してみてください!
むれ きくの
現代魔術/占師/BARDS_Tokyo/UPHYCA
1996年生。
18歳から日本の現代魔術シーンに出現。ルーン、トートタロット、西洋占星術など占術を中心に基礎を学ぶ。現在は ボディピアッシング、ファッション、ヨーガ、アンダーグラウンド/カウンターカルチャーとの遭遇、暗黒舞踏などの実践を通して魔術を探求。普段は大学生。
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