骨盤が痛い!骨盤の歪みによる痛みを緩和させる治療法を紹介します!







デスクワークや飛行機などで長時間座り続けると、骨盤が痛くなることはありませんか?

それは、正しい姿勢で座れていないのが原因かも知れません。

骨盤の痛みは、スポーツや事故による骨盤の打撲骨折腫瘍内臓疾患婦人科疾患生理周期に関連してもおこります。

 

また、現代社会ではストレスや運動不足、悪い姿勢での長時間のパソコンやスマホも、骨盤の痛みの原因になります。

寄りかかったり、足を組んで座る、片側の肩に重いバッグをかけて歩いたときなどに、背骨や骨盤が歪んでるなと感じる人も、多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、巷でよく言われる「骨盤の歪みによる痛み」を緩和させる、医学的根拠に基づいた治療法をご紹介していきます。

 

上体を支える骨盤の仙腸(せんちょう)関節に注目!

骨盤は、左右の寛骨(かんこつ:腸骨・坐骨・恥骨)と、背骨の下の仙骨と尾骨からなります。

体重を背骨から大腿骨(太ももの骨)に伝え、骨盤内臓(膀胱・子宮・直腸など)を保護しています。

腸骨は腸を入れる、骨盤の左右の大きな骨で、腸骨前面の骨の出っ張りを上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)、後面の出っ張りを上後腸骨棘と呼びます。

 

骨盤の後面では、腸骨と腰椎の下の仙骨が靭帯で固定された仙腸関節をつくり、前面では恥骨が軟骨結合しています。

上半身の体重を支える「仙腸関節」は、数ミリしか動かない珍しい関節ですが、この関節の動きが悪くなると、さまざまな症状の原因になると考える整形外科医も増えてきています。

 

何もしていないのに、骨盤の後側が痛い

 

ぶつけたり転んだりしていないのに、骨盤の後側が痛むときは、仙腸関節や仙骨、尾骨の障害が考えられます。

 

仙腸関節障害は骨盤の関節が痛み、椅子に座るのがつらい

仙腸関節障害による骨盤の痛みは、主に仙腸関節を中心とするお尻や脚の付け根(そけい部)に多く、太ももやふくらはぎ、すねなどにも生じることがあります。

慢性的な痛みの他、起床時や寝返りの痛み、立ち上がりや歩き始めの痛み、椅子に長時間座るとつらい、仰向けや痛む側を下にして寝られないなどの症状がみられます。

 

骨盤の仙腸関節の痛みは、運動不足や長時間の悪い姿勢なども影響するので、出産前後の女性に限らず、幅広い年齢層の男女でみられるようになりました。

仙腸関節が何らかの原因でずれたり動きが悪くなると、仙腸関節の靭帯が硬くなり、神経を刺激して痛みが生じると考えられています。

 

仙腸関節は、骨盤の後面で仙骨と腸骨がつくる関節で、位置は背骨の下にある仙骨の外側になります。

骨盤の前上部にある左右の骨の出っ張り(上前腸骨棘)に親指を当て、両側から骨盤を挟むように、他の指を骨盤の後面に沿わせてください。

そのとき中指や薬指が触れる骨の突起が上後腸骨棘で、仙腸関節はそのやや内方に縦長に存在します。

 

患者さん自身が、普段痛む箇所として、仙腸関節を指差し、仙腸関節や上前腸骨蕀の内方を押すと痛みが増強することで、仙腸関節障害と診断します。

特に仙腸関節障害が疑われる患者さんの82%が、患部の仙腸関節を指差したとの報告があります。

X線やMRIなどの画像検査では、仙腸関節障害の診断は難しいとされていますが、同様の症状をおこす疾患(腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など)との鑑別には必須でしょう。

 

骨盤の痛みの軽症例や予防には、骨盤ゴムバンドを使用し、仙腸関節を安定させます。

痛みが軽減しない場合は、仙腸関節に局所麻酔剤の注射(仙腸関節ブロック)が施されるでしょう。

また、関節運動学的アプローチ(AKA-博田法)という、仙腸関節を微調整する手技が有効とされています。

まれに日常生活に大きな支障がある症例では、仙腸関節を固定する手術が検討されることもあります。

 

整形外科で診断と治療を受けても、なかなか症状が改善せず、主に仙腸関節に痛みがある人は、専門医を受診してみてはいかがでしょう。

※仙腸関節障害の治療が受けられる病院はコチラ

日本仙腸関節協会HP http://www.sentyo-kansetsu.com/jp/hospital.php

 

AKA治療は仙腸関節を調整する、整形外科医や理学療法士による手技です

関節運動学的アプローチ(AKA-博田法)とは、1979年に博田節夫医師により開発され、「日本AKA医学会」が認定した医師・理学療法士・作業療法士が行う手技療法です。

 

関節の大きな動きに伴い、関節包(関節を覆う袋)の中でおこる小さな骨の動きを、関節包内運動と呼びます。

この関節包内運動がスムーズに動かなかったり炎症をおこして、痛みや痺れなどのさまざまな症状を引き起こす状態を関節機能障害といいます。

AKA-博田法は、関節運動学に基づいて、仙腸関節をはじめ全身の関節包内運動を調整し、関節機能障害を治療する手技です。

特に、仙腸関節の機能障害が原因でおこる関連痛(離れた箇所に生じる痛み)の治療に役立っています。

 

手技そのものは、仙腸関節の場合、横向きに寝た患者さんの仙骨と腸骨に触れ、弱い力でソフトに調整していきます。

症状によっては仙腸関節の調整後、他の関節に手技を加えることもありますが、手技による痛みはほとんど感じないでしょう。

近年は、良質なAKA治療が受けられる整形外科が増えてきています。

なお、神経の障害や内臓疾患、感染症や悪性腫瘍などが原因の骨盤の痛みには適応しませんので、各専門医にご相談ください。

 

※AKA治療が受けられる病院はコチラ

日本AKA医学会認定指導医 http://www.aka-japan.gr.jp/index2.html

 

※日本関節運動学的アプローチ医学会 理事長 片田重彦医師による、AKA治療の実際の手技が公開されていますので、参考にしてください。

「たった5分間で9割の腰痛がよくなる本 AKA-博田法で、腰痛が消えた!」

 

 

骨盤ゴムバンドで、骨盤の痛みを和らげよう

骨盤ゴムバンドは、適度に骨盤を締め付ける、幅10cmほどの天然ゴム素材のバンドです。

マジックテープで簡単に着脱でき、薄い素材なので着衣への影響もさほどありません。

なにより、天然ゴムの絶妙な締め付け感が、仙腸関節を安定させ、骨盤の筋肉の働きを助けてくれます。

ただし、夏は蒸れやすいので、頻回の着脱が必要で、また天然ゴム特有の匂いも気になる人がいるかもしれません。

 

価格は2,000円前後から、ネットやドラッグストアなどで販売されていますので、手軽に入手できます。

骨盤の仙腸関節周辺の痛みや慢性的な腰痛、坐骨神経痛などでお悩みの人は、ぜひお試しください。

産後の骨盤安定にも効果が期待できますが、必ず担当医にご相談のうえご使用くださいね。

 

 

山田仁医師が提唱する、「ゴムバンド運動療法」を併用すると、より効果的なのでおすすめです。

骨盤後面の上端から約5cm下に、ゴムバンドの上端がくるように当て、左右同じ力でバンドを引っ張りながら骨盤に巻き、前で止めます。

ゴムバンドは下着や洋服の上から装着し、巻く強さは、両親指を入れてスムーズに動くぐらいがよいでしょう。

寝るとき以外は、1日中巻いていても問題ありませんが、肌が弱くかぶれやすい人は、数時間で外して肌を休ませてあげてください。

 

ゴムバンド運動療法

  1. 骨盤にゴムバンドを巻いて、足を肩幅くらいに開いて立ち、両手を腰に当てます。
  2. フラフープを回す要領で、骨盤を前後左右にゆっくりと回転させます。

※このとき、膝が曲がらないように気を付け、腰などが痛かったら中止しましょう。

最初は小さい円から始め、徐々に円を大きくしていきます。

片側30~50回転ずつ、1日3回を目標に、症状や体力に合わせて無理せず始めてください。

 

※ゴムバンド運動療法の医学的根拠と詳細はコチラを参考にしてください

山田式ゴムバンド健康法 https://www.yamada-clinic.com/band.html

 

背中や腰、お尻の筋肉への負担でも、骨盤の仙骨が痛みます

前に屈んだり、腰を反らしたり、重い物を持ち上げたときに、骨盤の仙骨の後面が痛むことがあります。

背筋のなかの脊柱起立筋は、背骨の両側に縦長にあり、背筋を伸ばしたり、中腰の姿勢を保つときに働きます。

背腰部の脊柱起立筋が強く縮んだり引き伸ばされると、筋肉の腱が付着する骨盤の仙骨後面に大きなに負担がかかり、炎症をおこして痛みます。

 

仙骨の痛みが強いときは、消炎鎮痛剤(貼り薬や塗り薬)を使い、症状を増悪させるような姿勢や作業は避けてください。

痛みが軽減してきたら、温熱療法と脊柱起立筋のストレッチや筋トレなどの運動療法を始めましょう。

椅子の背もたれに寄りかかったり、座椅子やソファーに長時間座ると、骨盤の仙骨が痛くなりやすいので気を付けてください。

 

骨盤の仙骨の外縁には、股関節を動かすお尻の筋肉の腱が付いています。

股関節に負担のかかるような作業や長時間の姿勢で、仙骨の外側や前側が痛みます。

運動療法は、大殿筋や梨状筋などのストレッチと筋トレでよいでしょう。

 

腰掛けると、骨盤の尾てい骨が痛い

骨盤の尾骨痛では、一般に尾てい骨と呼ばれる、背骨の一番下の尾骨周辺に痛みが生じます。

転倒や転落、スポーツ外傷などで、尾骨の打撲や骨折が生じます。

骨盤の尾骨に触れると痛みが強く、内出血や熱感と腫脹があり、立ち座りがつらいでしょう。

 

直腸の損傷に注意しますが、通常は消炎鎮痛剤による保存療法になります。

椅子の座面に尾骨が当たると痛いので、ドーナツ型のクッションやネックピローなどが有用でしょう。

子供や高齢者も尻もちなどで受傷しますので、尾骨の強い痛みを訴えるときは、整形外科を受診してください。

 

ぶつけた覚えがないのに、尾骨が痛むときは、座り方が悪いのかもしれません。

背筋を伸ばして骨盤を立て、椅子に深く腰掛けたときは、骨盤の坐骨が体重を支えます。

しかし椅子に浅く腰掛けたり、ソファーや座椅子に寄りかかって座ると、坐骨より上の尾骨や仙骨に負担がかかってしまいます。

長時間の悪い姿勢が、尾骨に付く腱や靭帯、滑液包などの炎症をおこし、慢性的な痛みをおこすのです。

 

悪化する前に、消炎鎮痛剤などを使用し、普段から坐骨で座るように心掛けることで、痛みは軽減するでしょう。

ただし、原因がないのに、だんだん痛みが強くなるときは、腫瘍や内臓疾患が原因の場合もあるので、専門医を受診しましょう。

また出産後に尾骨の痛みが強くなるケースも多いので、担当医にご相談ください。

 

慢性的な腰痛や脚の痺れの原因は、骨盤の仙腸関節障害かも……

 

よく「骨盤が歪んでいるから、腰痛や脚が痺れる」という表現を耳にすることが多いですよね。

もちろん優れた施術者(DC:ドクター・オブ・カイロプラクティックなど)による、正確な診断と的確な手技により、治癒することもあるでしょう。

 

しかし、手技療法は玉石混交で、残念ながら一部では危険で未熟な手技を行う施術所があることも事実です。

今回ご紹介した「仙腸関節障害の治療」や「AKA治療」は、医学的根拠に基づいた骨盤の関節の治療です。

整形外科の診察を受け、さまざまな治療を続けても、腰やお尻の痛みや脚の痺れが思うように改善せず、お悩みの人も多いかと思います。

もしかしたら、その症状は仙腸関節に原因があるかもしれませんので、一度専門医にご相談されてみてはいかがでしょうか。










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