ペンブルックシャー怪事件~40年前少年少女たちを驚かせた銀色UFOの謎







1977年冬、イギリスの小村の小学生たちがUFOを目撃した。

教師はそれを信じなかったが、40年後の今年2017年、今度は村に顔のないエイリアンが出現した。

イギリスのUFO出没のメッカ「ウェールズ・トライアングル」で起きた伝説の怪事件の謎にせまる。

 

海辺のリゾートの怪事件

ウェールズ州の南西部に位置するブロードヘブン地方─。

ここにある小さな村ペンブルックシャーを訪れる者のほとんどは、美しいその砂浜が目当てだ。

そう、この村は伝統的なウェールズのたたずまいを今に残す、のんびりした海辺のリゾート地なのだ。


 

ところが、事件などとは一見、無縁そうな穏やかな姿とは裏腹に、この村は、あのTVドラマ『Xファイル』シリーズが取り上げてもちっともヘンじゃない、奇妙で混乱した物語の舞台でもある。

 

40年前の事件

いまから40年前の1977年のその日─。

それまで校庭で遊んでいた地元の小学校の子どもたちが、突然何かに脅えて、教室になだれこんで来た。

外には彼らが今まで一度も見たことのないあやしげな銀色の物体が浮遊していた。

 

けれど、校長のラルフ・リーワレン(Ralph Llewellyn)は、生徒たちのことばを信じず、校舎から出ようともしなかった。

やがて彼はこれを一生後悔することになるのだが。

 

そのときの子供たちは、大人になった今でも、彼らが眼にしたものが間違いなく、「未確認飛行物体」だと主張しつづけている。

 

その日

─2月のとある金曜日の午後のことだった。

小学生のデヴィッド・デイヴィス(David Davies)は遊び場に立ったまま、あれはなんだろうと、空中を近づいてくるおかしな物体に見とれていた。

それがその後の生涯、彼を強く呪縛することになろうとは夢にも思わずに─。

 

「物体真珠のように輝く銀灰色だった」と後に彼は語っている。

「長さは約12.2メートル(40フィート)、魚雷や葉巻を思わせる形で、上のところに、乗り物の3分の1をおおうドームみたいな部分があって、脈動する赤い光でつつまれていた」。

 

校長が彼の報告を無視したため、デヴィッドとクラスメートはこれを警察署に請願書として手渡した。

 

困惑した校長はとりあえず、子供たちにかれらが見たというものを絵に描かせることにした。

そうしてできた絵は彼を心底、驚かせた。それは互いによく似た、奇妙な飛行体を表していたからだ。

事件から40年後に現れたエイリアン

 

さて、今年2017年2月、世界中のUFO愛好家たちは事件の40周年を記念し、大挙してブロードヘブンに押し寄せた。

ブロードヘブンはイギリスにおけるUFO出没のメッカ「ウェールズ・トライアングル」の一角にある。

 

このイヴェントを多数のメディアが取り上げたことから、地元の小さな農業コミュニティは一種の狂乱状態に陥り、これがきっかけで次々とUFOの目撃情報がもたらされることになった。

 

それから数週間して、事件は起きた。

ある夜ふけ、ポーリン・クームズ(Pauline Coombes)と彼女の夫のビリーが、人里離れた農場でTVを見ているときのことだった。

窓の外に突然あらわれた、銀色の服を着た、7本足のヒューマノイドにかれらは言葉を失った。

その生物には、しかも顔がなかった。

 

現場検証に駆けつけた警官は、一家が恐怖のあまり、どうしても外に出ようとしなかったことを後に認めている。

 

けれど、一連の奇妙な出来事のうちで最も謎めいた事件は、同じ年の後半に起きたものだ。

農場にいた牛の群れがいつのまにか消えてしまい、しばらくしてから、遠く離れた野原に再び現れたのだ。

 

その後もエイリアンの目撃は増え続けた。

小学校近くのホテルに勤めるローザ・グランビルは夜遅く、ホテルに隣あう野原に現れた逆さまの皿のような物体が放つ光で眼が覚めた。

物体は炎を放ち、2人の尖った頭の顔のないヒューマノイドが乗っていたという。

 

ローザが事件を当局に報告すると、近くにあるRAF ブラウディー空軍基地(RAF Bawdy)の飛行隊長の訪問を受けた。

彼は基地には彼女が見たような不思議な飛行体は存在しないと言い、なぜか目撃情報を決して口外しないようにと頼みこんだ。

 

一帯には秘密軍事基地が散在

このことから地域の人々は事件の背後に軍が絡んでいる可能性を疑いはじめた。

事実、ブロードヘブン一体には、RAF ブラウディー空軍基地をはじめ、多数の警戒厳重な軍事基地が散在し、中でも海洋研究センターと偽った、実はアメリカの対ソビエト潜水艦偵察局の存在は知る人ぞ知るトップ・シークレットとされていた。

時はまだ冷戦下にあった。

 

村人たちは次第に、地域一体が実験用飛行機やドローンのプロトタイプの発着点として軍事的に利用されてきた事実に気づきはじめた。

 

かれらは40年以上前から、不思議な出来事の答えを求め続けている。

 

ウェールズの小村に現れた謎の物体ははたして、宇宙からの訪問者の乗り物なのか。それとも軍がひそかに開発をすすめる秘密兵器の実験機なのか。

 

いや、『Xファイル』の決めゼリフのように、「真実はそれとはまた別のところにある」のだろうか?










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