戦争映画といえば、歴史映画・アクション映画の中で古くから一定の人気があるジャンルです。
モノクロ映画の時代から作られていた戦争映画は、映像技術の発展とともにその迫力がどんどん増しています。
今回はそんな「臨場感が凄すぎる戦争映画」を紹介します。
ブラックホーク・ダウン

2002年公開の「ブラックホーク・ダウン」は、ソマリア内戦に介入した米軍の戦いを映画化した作品です。
ゲリラの幹部を捉えるために米軍部隊およそ100名が動員され、ある誤算から作戦が崩れて敵地のど真ん中で兵士たちが孤立するという最悪の事態が凄まじい臨場感で描かれます。
145分という長い尺の半分以上が戦闘シーンというこの映画は、まるで本物の戦場の中に放り込まれたような迫力が続きます。
前からも後ろからも上からも敵が波のように押し寄せて襲ってくる様、銃弾や砲弾が飛び交って目の前で人体が吹き飛んでいく様は、戦争の恐ろしさを生々しく見せつけてきます。
「ブラックホーク・ダウン」で描かれる戦いは、1993年に実際に行なわれた「モガディシュの戦闘」をモデルにしています。
作中で戦死した登場人物は実際に作戦で犠牲になった兵士たちの名前となっていて、この映画のリアルさをさらに際立たせています。
ローン・サバイバー

2014年に公開された「ローン・サバイバー」も、実際に行なわれた戦闘が映画化された作品です。
タリバンの幹部を暗殺するために敵地に少数で潜入した米軍特殊部隊と彼らの救出に向かった部隊から計19名の犠牲者が出た「レッド・ウィング作戦」を映画化した本作では、タリバンとの熾烈な戦闘と、唯一の生存者となった兵士が味方に救出されるまでのサバイバルが描かれます。
主人公のラトレル軍曹を演じたのは「テッド」や「トランスフォーマー」の主演でも知られるマーク・ウォールバーグで、普段見せるコミカルな表情とは違ってシリアスな演技で戦場の過酷さを描いています。
絶え間なく襲ってくる敵の前に味方が一人ずつ倒れていって、最後には自分一人だけになってしまう流れはかなりの怖さです。
ハート・ロッカー

アカデミー賞作品賞も獲得した「ハート・ロッカー」は、戦争映画としては珍しく、爆弾テロなどに対処する米軍の「爆弾処理班」を描いた作品です。
一歩間違えればそれが即命取りになる危険な現場での静かな戦いが描かれて、砂埃が舞う中東の空気や肌に刺さる熱まで伝わってくるような緊迫感が印象に残ります。
さっきまで会話していた仲間が一瞬の爆発で体ごと消え去ってしまう描写は、戦場の恐ろしさやそこで扱われる命の軽さを残酷なほど生々しく物語っています。
爆弾処理の描写もですが、中盤で描かれるスナイパー同士の数分にも渡る一騎打ちは、息をすることもためらわれるほどの張りつめた緊張感が続く名シーンです。
プライベート・ライアン

スティーブン・スピルバーグが監督を務めた「プライベート・ライアン」は、言わずと知れた戦争映画の名作です。
製作からおよそ20年が経った今でも、その凄まじすぎる戦闘シーンは伝説として語り継がれています。
特に冒頭のノルマンディー上陸作戦のシーンは、実際にその作戦に参加していた退役軍人が映画を見て「これに匂いがつけば本物の戦争と同じだ」と評価したと言われています。
映像に手ぶれをわざと入れて臨場感を出した撮影方法や特殊メイクなど、まだCG技術が今ほど発展していなかった時代だからこその様々な技法で表現された戦場の描写は、アナログだからこその生々しさがあります。
グロテスクな描写が苦手な方は鑑賞に注意が必要な作品ですが、戦場をそのまま切り取ってきたかのような世界観は圧巻です。
キングダム 見えざる敵

「キングダム 見えざる敵」は正確には戦争映画ではありませんが、対テロ戦を描いた現代ならではの作品として一度は見る価値のある名作です。
サウジアラビアの首都リヤドで外国人居住区を狙った大規模爆弾テロが発生し、その捜査のために現地入りしたFBIが様々な困難に直面する様を描いたこの映画。
観た人の印象に最も強く残るのは、おそらく冒頭の爆弾テロの描写でしょう。
年間100本以上は映画を観ている筆者ですが、人生でこのテロ描写より恐ろし爆発シーンを見たことはありません。
たった一度のテロでここまで恐ろしいことが起きるのか、と思わず背筋が凍ります。
無差別テロが先進国でも決して人ごとではない今の時代では、より作中の描写の恐ろしさがリアルに感じられます。
また、描写のショッキングさだけでなく、戦争の無意味さ・やるせなさを感じさせる結末も印象的な名作です。
まとめ
いかがでしたか?
現代日本ではほとんどの人が戦争を知らない時代となっていますが、映像技術の発展でどんどん迫力や臨場感を増す戦争映画は、そんな私たちに戦争の恐ろしさをよりリアルに体験させてくれます。
観ていて明るい気分になれるジャンルではありませんが、「戦争」というものがどんなものか知るためにも、たまにはこんな映画を手に取ってみてはいかがですか?
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