上司としては、部下がずっと平社員のまま担当職務をこなすだけでは、いつまで経っても自分の代わりにはなりません。
それでは中間管理職が育たず、組織全体としても非効率で、拡大し発展していくのは困難です。
管理職は、担当部門の目標を達成するだけでなく、自分の代わりが務まるような次世代の管理職候補を育てる責任も負っています。
その責任を負いつつも、それが十分果たせずに困っている人もいるでしょう。
そうした問題を抱えている方へ、この記事では、部下を平社員から管理職候補へとレベルアップさせるための4つの方法をご紹介しましょう。
専門知識は特に必要とせず、部下の意識をいかに変えてやるかに注意すればよいのです。
組織全体を効率化させ、将来にわたって発展させていくためにも、ぜひ実践しましょう。
1.部下の意識を、「自分でやる」から「他人に任せる」へと変える

部下もそれなりに経験を積んでくると、自分の担当する仕事は一人前に出来るようになります。
それはたしかに望ましいことですが、いつまでもそのレベルで満足してもらっては困ります。
いずれ昇格して課長や部長などの管理職になり、部下を率いて部門全体をマネジメントしてもらう必要があります。
そのためには、仕事への意識を「自分でやる」から「他人に任せる」へと変えていってもらわなければなりません。
そこで普段から、例えば後輩に仕事を任せて、自分は指導やチェックに回るといったことをさせてみましょう。
それを通じて、単なる自己満足よりも、役割分担をして組織を効率的に回していくことの重要性を実感させるべきです。
「自分でやった方が早い病」から脱却して、面倒でも他人に任せる姿勢を身に付けさせることが大切です。
2.実際に他人をマネジメントする機会を与えて、経験を積ませる

上記のように、日々の仕事の中で後輩に指導する経験をさせることは、たしかに意義があります。
しかしそれだけでは物足りません。
もっと本格的に、他人をマネジメントする機会を与えて、その経験を積ませる必要があります。
そこで、例えば小規模なプロジェクトについて、部下にリーダーを担当させてみましょう。
期間限定で、スタッフも少人数で、達成しやすい目標から任せ、成功や失敗の体験をさせるのです。
その後、徐々に任せるプロジェクトの規模を大きくしていき、責任と権限の範囲を広げていきます。
このように少しずつステップアップしていく過程で、マネジメントの重要性を体感させ、ノウハウを身に付けてもらいます。
こうすれば、いずれ部門の管理職に就く時にも、違和感なくスムーズに役割を果たせるようになるでしょう。
3.上位者の会議やマネジメント研修に参加させて、目線を上げさせる

部下に現場でマネジメントを経験させることは、もちろん重要です。
ただ、その意識を高めさせる方法は、社内で他にもあるはずであり、利用できるものはどんどん利用すべきです。
例えば、マネージャー会議は、普段は実際のマネージャーだけが参加するはずです。
しかし、そこに部下を参加させて、部門目標の見直し、営業戦略の策定、部下の評価などをしている所を見せれば、新鮮な驚きがあり、意識もさらに高まるでしょう。
あるいは、社内でマネジメント研修を実施していれば、それに参加させます。
外部の専門講師が来て実施していれば、現場でわかったことが知識として整理されて、より身に付くはずです。
これらを通じて、部下の目線を上げさせることで、マネジメントへの意識が一層強くなるはずです。
4.視野を広げて社内全体を見渡し、幅広く交流するようにさせる

部下は現時点では、基本的に部門内の人間関係を中心に仕事をしているでしょう。
しかし、管理職になると、組織の中で中間層に位置するため、上下や横の関係で関わる人がもっと多くなります。
例えば、課長が1つ案件を通すにしても、部長や役員の承認を得たり、関連部署と協議したりして、話をまとめる必要があります。
さらに、それをふまえて部下に指示もしなければなりません。
そこで、部下に視野を広げさせ、社内全体を俯瞰して幅広く交流させるように仕向けましょう。
上層部や他部署の仕事内容に関心を持たせ、顔と名前を覚えさせ、話をして自分のことも覚えてもらうようにさせるとよいでしょう。
早い段階から人脈を広げておけば、管理職になった時にスムーズに仕事を進められます。
プレーヤーからマネージャーへと、部下の意識を変革させることが大事

部下が自分の仕事を問題なく出来るようになってきたら、管理職候補としてステップアップさせなければなりません。
そこで、後輩への指導などを通じて、徐々にマネジメントの大切さを実感させましょう。
それだけでなく、実際にプロジェクトリーダーを任せるなどして、本格的にマネジメントの経験も積ませます。
また、マネージャー会議やマネジメント研修に参加させて、目線をより一層上げさせることも効果的です。
さらに、視野を広げて社内全体を見渡し、上層部や他部署の人々と幅広く交流するように仕向けましょう。
このように、早い段階からマネジメントに関する経験をし、意識を高め、人脈も広げておけば、管理職に就いた時にスムーズに仕事が出来るようになります。
部下をそのように管理職候補へと育成できれば、社内でマネージャー層の厚みが増し、より多くの人材を活用できるようになります。
その結果組織全体で効率的に業務を回せるようになり、会社の発展につながるでしょう。
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