登山靴のメンテナンスの重要性 山登り初心者が気を付けることVol.8







登山用品の中で登山靴は比較的高額なものに入ります。

普及品で20,000円前後、皮製の高級品になると40,000〜50,000円もします。

 

しかも、消耗品ですから、数年に一度は買い替えなければなりません。

それだけに、大切に使って少しでも長く持たせたいところですが、手入れ次第で登山靴の寿命は大きく変わります。

といっても、登山靴の正しい手入れ方法は意外に知られていません。

この記事を参考にして、あなたの登山靴のメンテナンスを習慣化させて登山靴を長く、大事に使ってください。

 

山から帰ったら真っ先に登山靴の汚れやホコリを落とします

雨のあとだったりすると泥道を歩きますから登山靴は汚れます。

しかし、そうでない場合は見た目にはほとんど汚れていません。

そのため、そのまま保管場所に移動させる人が少なくありません。

 

ところが、目には見えなくても土ボコリをたくさん浴びています。

そこで、目立った汚れがなくても靴ブラシをかけてホコリを払ってください。

靴底も同様です。山によっては酸性土壌のところがあります。それをそのまま放置していると劣化が早く進みます。

注意しなければならないのがベロと靴ひもの下に当たる部分です。

どちらもブラシをかけづらいためそのままにしている人が多いのですが、ここは特に汚れやホコリが溜まりやすいところです。

できれば靴ひもを外し、念入りにホコリを払ってください。

 

汚れが激しいときは水洗いをします。

特に、靴底の溝の部分は丁寧に洗い流し、挟まっている小石はマイナスドライバーなどの尖った金属で抜き取ります。

 

登山靴のインソールを出して内部を乾燥させます

インソールとは中敷のことです。

大きな石が入ればすぐ気づきますが、ホコリや砂粒が靴の中に入ってもわかりません。

そこで、インソールを出して内部のゴミをすべて出します。

このとき、古い歯ブラシを使用すれば便利です。

 

それが終われば靴ひもを外した状態で大きく広げ、風通しのいい日影で乾燥させます。

湿気を残したままにしておくとカビが発生しやすくなります。

気温や湿度によりますが、ほぼ2日ほどで乾燥しますからその時点で本来の保管場所に移します。

 

その保管場所も日影で風通しのいいところが望ましいのですが、家庭事情によってはそうもいかない人が多いのは確かです。

やむなく通気性の悪いところに収納せざるを得ない場合は、定期的に外へ出して風に当てましょう。

週に一度は山へ行ければ理想的です。

 

登山靴メンテナンスのチェックポイント(金具・靴ヒモ)

山登りは見た目以上にハードです。

特に、疲れてくると繊細な動きはできなくなります。

足の動きは乱雑になり、あちこちぶつけることは珍しくなくなります。

その結果、靴ひもを引っ掛ける金具=フックが曲がったり取れたりしたりします。

靴ヒモをしっかり結べなくなると靴の中で足が動き、靴ズレしやすくなります。爪を傷めることもあります。

可能なら曲がったフックを元に戻しましょう。取れてしまったら修理に出します。

 

靴ヒモも登山靴のメンテナンスでは要チェックポイントの一つです。

いうまでもなく、足を入れたら力を入れてギュッと締めます。

それも、山登り中は何度も緩めたり締めたりします。

そのため、靴ヒモにかかる負担はかなり大きくなります。

もともと、登山靴用の靴ヒモは丈夫にできていおり、かなりハードな使用下でも簡単には切れないようになっています。

ところが、靴ヒモの編み目に汚れが溜まると伸縮性を失うため、本来の強度を発揮できなくなります。

それを防ぐには、登山靴の靴ヒモがひどく汚れたときは靴から外して洗濯します。

 

切れたときの用心のため、予備の靴ヒモを持参するのはいうまでもありません。

雪山では靴ヒモが凍って折れる場合もあります。

 

使わなくても登山靴の靴底は剥がれる?

登山靴は下からアウトソール、ミッドソール、アッパーという順に構成されています。

アウトソールをわかりやすくいうと靴底です。

アッパーは足を包む部分です。

そのアッパーと靴底の中間にあるのがミッドソールになります。

この3つは強力な接着剤で一体化されています。簡単に靴底が剥がれることはありません。

ところが、永久に剥げないわけではありません。

原因は経年劣化です。

長い年月が経過するうちに製品の性能がダウンし、本来の能力を発揮できなくなるのです。

その結果、山登り中に登山靴の靴底が剥げるというアクシデントが発生します。

これは重大な問題です。厚い底がなくなれば山道の凹凸が直接足に伝わります。それでは満足に歩くことができません。

 

 

一般に、登山靴の寿命は3〜5年といわれています。

その年数で経年劣化が生じ、靴底が剥げる可能性があります。

3〜5年と幅があるのは保管条件や手入れによって異なるからです。

したがって、何年も使わず、ずっと仕舞っておくと風通しが悪いままで経年劣化が進み、久しぶりに山へ行って靴底が剥げるというトラブルに見舞われる可能性が高くなります。

そこで、3年以上経過した登山靴はメーカーに底の張り替えを依頼するのが通例です。

接着剤だけではなく、ミッドソールに使用しているポリウレタン樹脂も劣化するからです。



登山靴の底が剥げたときの応急処置

不幸にして山登りの最中に登山靴の靴底が剥げてしまったとします。

そのままでは満足に歩けません。

自分ひとりだけならまだしも、同行者のみんなにも迷惑をかけることになります。

そんなときのために、応急処置の方法を知っておきましょう。

 

簡単なのはビニールテープです。

靴の甲の部分と靴底を一緒に巻き込めば固定できます。

つま先、カカトも同様です。

ただし、ビニールテープは長くは持ちません。

布テープなら多少は長持ちしますが、面積が広いためグリップが力が弱まって滑りやすくなります。

ベストは針金です。50㎝ほどの細めの針金を2本用意していれば他の用途にも使えます。予備の靴ひもも利用できます。

 

まとめ

手入れ方法によって先延ばしすることはできますが、登山靴の靴底が剥げるのを防ぐのは不可能です。

本文中で少し触れたように、3年ほど経過した時点で底の張り替えをメーカーに依頼すれば間違いはないのですが、費用は安くはありません。大体10,000円前後はすると思っていいでしょう。

しかし、今は10,000円も出せば安価な登山靴は購入できる時代です。

そこで、安価な靴を3年で処分し、また新しいものを購入するという方法もあります。

次回記事:山登り初心者が気を付けることVol.9 登山中の水分補給について










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