2007年に公開されたホラー映画「ミスト」
ホラー小説の帝王、スティーブン・キングの小説を映画化したこの作品は、映画史に残る「トラウマ映画」として知られています。
テレビドラマ化もされたこの作品について紹介します!
「ミスト」とは?
ある田舎町に起こる恐怖を描いたホラー映画
「ミスト」は、アメリカのとある田舎町を舞台にした物語です。
夜の町を嵐が襲い、悪天候が明けた翌朝から事態は始まります。
主人公はこの町で暮らすイラストレーターのデヴィッド・ドレイトン。
妻と一人息子と暮らす彼は、嵐の翌朝、家の壊れた部分を応急修理するための道具や当座の水と食料を買うために近所のスーパーへ向かいます。
他にも多くの人が訪れて混雑する店内でしたが、そんなとき、謎の霧が発生して町を覆います。
さらに、その霧の中には人を襲う「何か」がいて…
そんな物語が展開される「ミスト」ですが、見どころは霧の中から襲ってくる怪物だけではありません。
スーパーの店内に取り残された生存者たちが次第に余裕をなくして対立し、泥沼の争いを見せていく過程もじわじわと観客の恐怖を煽ります。
むしろ、恐怖に取り憑かれた人間同士の争いこそが物語のメインといえます。
いつ助けが来るかも分からない、いつ店のガラスが破られて怪物が襲ってくるかも分からない状況で冷静さを失い、正気とは思えない思考に染まっていく人間の脆さや残酷さ。
そんな「人間の方が怪物よりよっぽど怖い」と思わされるストーリー展開が秀逸です。
衝撃的なバッドエンディングで有名
「ミスト」は、「バッドエンドな映画ランキング」などでよく1位に輝く作品です。
2007年の公開以降、そのあまりにも救いのない結末にバッドエンド映画の帝王として王座に君臨し続けてきました。
それはもはやバッドエンドの域を超えて、観る人によっては「トラウマ」となるかもしれないほどの衝撃的な結末です。
その結末に至るまでのストーリーには様々な裏設定があります。
キリスト教に基づいた展開が多く見られるので、その教義について知っているとより物語のシニカルさが理解できるようになっています。
どんなストーリー展開なのか、どんな結末が待っているのか。
それは観た人だけが体感できる後味の悪さです。
原作者 スティーブン・キングとは?
モダンホラーの第一人者
「ミスト」の原作となった小説「霧」は、スティーブン・キングによって執筆されました。
日常的な風景の中で起こる恐怖の物語を描いた「モダンホラー」の第一人者として知られるスティーブン・キング。
彼の作品は、これまでいくつも映画化されてきました。
その中には「キャリー」や「ミザリー」、「シャイニング」といった、カルト的な人気を誇る映画も多くあります。
さらに、感動的な名作として有名な「グリーンマイル」や「ショーシャンクの空に」も実はスティーブン・キング原作です。
ホラーテイストの作品ばかりでなく、人間の心を巧みに描き上げて共感できるドラマを生み出す点も彼の作家としての高評価のポイントですね。
そんな数々のスティーブン・キング原作映画の中でも、「ミスト」は原作者が太鼓判を押した作品として知られています。
その衝撃的なラストは実は映画オリジナルの結末となっていて、これを観たスティーブン・キングが「自分が思いついていたら小説をこのラストにしたのに」と悔しがったという逸話があります。
そう聞くと、ますますこの映画の結末が気になりませんか?
「ミスト」の監督・脚本を務めたフランク・ダラボンは、これまで「グリーンマイル」「ショーシャンクの空に」というキング原作の2大ヒット作を手がけた監督です。
スティーブン・キングの世界観を何度も映像化してきた彼だからこそ、原作の設定やテーマを最大限に活かした、「原作をも超えた」映画を生み出すことができたのかもしれませんね。
「ミスト」はドラマも公開!
Netflixで配信中
秀逸すぎるストーリー展開と結末で一躍人気カルト映画の仲間入りを果たした「ミスト」ですが、実は最近、ドラマシリーズになって公開されました。
映画のテーマでもあった「人間の恐ろしさ」にフォーカスを当てたこのドラマは、全10話をかけて恐怖心が人間の心を壊し、集団心理が善良な人々を狂わせていく様をじっくりと描きます。
まるでじわじわと首を絞められているような嫌な緊張感・圧迫感が襲ってくる、良作ホラーサスペンスに仕上がっています。
現在はNetflixオリジナル作品として配信されています。
Netflixに加入している人は是非チェックしてみてください。
また、これを機にNetflixを体験してみるのもいいのではないでしょうか。
まとめ
モンスターパニック。サスペンス・スリラー。ホラー。「ミスト」はそんないくつものジャンルの表情を見せて観客に気を休める隙を与えない映画です。
普通の映画ならプラスに働いていくはずの登場人物たちの努力がことごとく空回りし、余計に事態を悪化させ、救いのないラストへと物語が突き進んでいく様は、幽霊や殺人鬼といったダイレクトな恐怖とはまた違った恐ろしさに満ちています。
ホラー映画好きの方は是非一度はこの作品を最後まで観て、伝説のラストをその目でご覧ください。
ただし、トラウマになるかもしれないのであくまで自己責任で…
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