近年、肩こりで悩む方が増えてきています。
その要因としてはデスクワークの増加や長時間の不良姿勢、現代社会におけるストレスにより自律神経の乱れなどです。
それらの要因によって血行が滞っていたり、肩周りの筋肉がうまく使えなくなるので慢性的に肩が辛く感じる方も多いのではないでしょうか。
肩こりは原因いろいろ
肩こりの原因は人それぞれです。
もちろん、そのまま肩が原因の方もいます。
しかしそれ以上に腕や鎖骨付近の筋肉、中にはふくらはぎに原因がある方もいるのです。
なぜこのようなことが起きるのかというと全身の筋肉は繋がっているからです。
正しくは筋膜ですね。
筋肉の表面には膜が張っており、これが筋膜です。
筋膜は大きく分けて胴体部の4つのライン(前、後ろ、両外側、螺旋状にクロスするライン)と腕の4つのライン(前、後ろのそれぞれ浅層部と深層部)の合計8つに分かれています。
筋膜はコラーゲンとエラスチンという2種類のタンパク質からできており、お互いがクロスする構造になっていて均衡を保っています。
しかし、なんらかの原因で不調が起きてしまうと膜が縮んでしまったり、柔軟性がなくなってしまったりします。
筋膜のつながりを感じていただくために1つ例をあげてみます。
前腕の筋膜は肘関節を介して肩関節にまで繋がっています。
そこでまず、腕をしっかり伸ばして両手の指先を胸の前でくっつけます。
次に片方の前腕の筋肉をほぐして緩めてあげると、もう一度胸の前で指先を合わせたときに緩めた方の腕の長さが指関節1つ分くらい変わっています。
これは日常的に使われて縮まってしまっていた筋膜が緩むことでその分長さが変わるというものです。
この仕組みによってある筋肉の筋膜のコンディションが低下すると、同じ筋膜のラインにある別の筋肉にも影響を与えて原因とは異なる筋肉が辛く感じてしまうということが起きるのです。
特に肩こりの場合は前腕、大胸筋、鎖骨下筋、胸鎖乳突筋、上腕三頭筋、肩甲挙筋のコンディション低下が原因になることが多く見られます。
肩が辛い時は辛く感じるところを揉んだり押したりするだけではなく、他の場所をケアしたり、普段からストレッチしたりすると効果的です。
肩こりに効く!日々のセルフケア
セルフケアと聞いて1番はじめに思い浮かぶのはやはりストレッチだと思いますのでまずはストレッチをご紹介します。
僧帽筋(そうぼうきん)ストレッチ
僧帽筋は肩や背中の1番表層にあり、首から腰にかけて繋がっているとても大きな筋肉です。
肩がすくむときに働きます。
ではやり方です。
- 伸ばしたい側の腕を下から後ろに回し手の甲を腰辺りに当てるようにします。
- 逆の手で頭を対角線上の斜め前に倒していきます(右側を伸ばす場合、右手を後ろに回しているので左手で頭を左斜め前に倒すような感じです)
- すると首から肩にかけての斜め後ろの筋肉が伸びてくるのを感じられるかと思います。(バリエーションとして首の倒す角度を前や横に変えてみると伸びる筋肉の繊維が変わってくるので是非そちらもお試しください)
- 真後ろを伸ばしたい場合は、両手を組んで頭をそのまま俯くように真下に倒していきます。(このとき、イメージとしてはヘソを覗き込むような感じで伸ばせると首の付け根から下方に向けて伸びてきます)
上腕二頭筋のストレッチ
普段なかなか伸ばす箇所ではないので意外と疲労が溜まっています。
ではやっていきましょう。
- 肘を曲げずに気を付けの状態から腕を横に広げる。
- 手のひらが正面を向いているなら、手の甲を正面に向けて親指が下になるように前腕を回す。
- そのまま腕を後ろに伸ばしていく。
ストレッチのポイントと注意点
※秒数は30秒伸ばせるとGOOD!
筋肉は伸ばされると切れないように逆に収縮しようとする防衛反応が起きます。
その反応が解除されるまでに約20秒かかると言われているのでプラスで10秒できると理想です。
硬い方だと最初は伸びている感覚より突っ張ってる感覚が強かったりしますが、そこで痛いからといってすぐにやめず、少し強度を落として頑張ってみましょう。
呼吸は自然に
息が止まると筋肉が緊張して効果が半減するので、上にも書きましたが痛くて息が止まるくらいなら痛気持ちいいくらいでOKです。
筋肉を意識する
ストレッチの原理としては筋肉がくっついている起始と停止と言われる2箇所を引き離すのですが、どこを伸ばしているのかわからずとりあえずポーズだけとるのと、しっかりイメージしながらやるのとでは全然効果が違ってきます。
是非どこの筋肉をストレッチしているのか意識しながらやってみて下さい。
まとめ
マッサージやもみほぐしに行ってもすぐに元の状態に戻ってしまう方も多いと思います。
マッサージやもみほぐしはもちろん気持ちいいですし筋肉の緊張も取れるのですが、そこで終わってしまうことが多いんですよね。
さらに押すや揉むとなるとセラピストの力量に加えて、お客様が上手くリラックスできずに無意識のうちに力んでしまうとアプローチできる筋肉の深さに限界ができてしまいます。
しかしストレッチでは深層部の筋肉からアプローチしていくことができるので筋肉をほぐす効果も高いのです。
是非ご自分でできる上記のストレッチを習慣化させて、つらい肩こりとおさらばできるように頑張っていきましょう。
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