上司なら、部下が仕事で悩んでいる様子を見かけることがあるでしょう。
特に真面目で仕事熱心な部下ほど、壁にぶつかって悩みを持つことが多いものです。
それに対して、見てみぬふりをして放置したり、逆に過剰で不適切な励まし方をしたりすると、かえって部下を苦しめることになります。
その結果、部下は意欲を失い、仕事も滞り、業務全体の効率が悪化しかねません。
それを避けるためにも、悩みを抱えた部下への接し方で困っている上司に対し、この記事では、部下の悩みを適切に解消して仕事に集中させるための4つのポイントをご説明します。
部下の側に立って考えれば難しくないことなので、日頃からそのように意識を変えて取り組んでみて下さい。
1.悩んでいること自体、モチベーションが高い証拠であると評価する
仕事に対して「言われたことだけやっておけばいい」「できなくても仕方ない」などと思っている人は、悩みを抱くこともなく、当然それを解消する必要もありません。
必要最小限のことだけ行い、結果にもこだわらないのです。
一方、真面目で仕事熱心な人は「どうすれば顧客に喜んでもらえるか」「費用対効果を上げるにはどうすべきか」などと考えて取り組みます。
しかし、それらはなかなか難しいため、壁にぶつかって悩みを持つわけです。
だとすれば、仕事に悩んでいること自体、モチベーションが高い証拠と言えます。
よって、そのように苦悩している部下がいたら、まずはそのこと自体を認めて評価してあげるべきです。
それを言われるだけでも、部下は視界が開けて、悩みを解消できなくてもそれを持っていること自体無駄ではないと思えるでしょう。
2.闇雲に励まさず、話をよく聞いて悩みの内容や原因を把握する
そのように評価することは大事ですが、もちろんそれだけで部下の悩みが解消されるわけではありません。
そこでどう接するかが問題になりますが、ありがちなのが「そんなの気にするな!」「諦めずに頑張れ!」といった励ましです。
しかし、そう言われて気にならないくらいなら、最初から気にしていません。
また、真面目な部下なら既に諦めないで頑張り、悩みも解消してきたはずです。
それなのに、闇雲にそう励ますのは、部下の実情を考えておらず安易です。
よって、まずは部下の話をよく聞いて、悩みの内容や原因を把握することに努めましょう。
顧客のニーズを上手く引き出せない、目標を達成できそうにない、後輩が言う事を聞いてくれないなど、いろいろ事情が異なるはずです。
それらを真摯に聞く姿勢が部下の心を開き、それらをきめ細かく把握することが悩みの解消につながります。
3.悩みを打ち明けるだけですっきりする場合は、聞くことに徹する
上記のように悩みの内容や原因を聞いていると、解消するのが難しいこともあります。
例えば、営業をやっている部下が、本当は商品開発がしたいのに、それが出来なくて悩みを抱えていたとします。
その場合、直属の上司である自分も、その異動の希望を叶えてやるために推薦したりすることはできます。
しかし、最終的な人事権は人事部や上層部にある場合が多く、自分に出来ることには限りがあります。
また部下もその辺はわかっていて、悩みを解消してもらうつもりはなく、愚痴を聞いてもらいたかっただけかもしれません。
それならば、「大して力に慣れなくてすまない」などと言いながら、ひたすら聞き役に徹してあげましょう。
そうすれば、部下も言いたいことを言えてすっきりし、また聞いてもらったことに感謝して、気持ちを切り替えて今の仕事に取り組めるでしょう。
4.解消法が必要な場合も、一方的に押し付けず、部下から引き出す
そうした場合とは異なり、実際に解消でき、また解消すべきである悩みもあります。
例えば前述のように、顧客のニーズを上手く引き出せないといった悩みもよく聞かれます。
その場合、自分の営業経験をふまえて、上から目線でやり方を押し付けてしまうと、部下も納得できないでしょう。
そうではなく、「お客さんにどういう聞き方をしているの?」「なぜ上手くニーズを引き出せないと思う?」などと問いかけてみます。
それに対して部下が答えたら、また問い返すというように、問答を繰り返していきます。
そうやって、部下自身の中から答えを導き出すようにするのです。
そうすれば、自分で考えて出した悩みの解消法なので納得でき、自ら進んで実行しようと思えるに違いありません。
悩んでいること自体を評価し、部下の立場に立って解消を手伝う
部下が仕事で悩みを抱えている場合、それは意欲の高さの表れなので、その姿勢自体を高く評価すべきです。
そのうえで悩みの解消を手伝いますが、闇雲に励ましても有害無益です。
何についてなぜ悩んでいるのか、話をよく聞いて把握することに努めましょう。
その場合、自治は話を聞いてもらうだけで気が晴れるケースもあります。
そうとわかったら、悩みを聞くことに徹してあげるべきです。
一方で、悩みを解消でき、またそうすべき場合もあります。
ただそれについても、自分のやり方を押し付けるのでなく、部下とのやり取りを通じて部下自身の中から解消法を引き出してあげることが大切です。
このように、部下の立場に立って悩みの解消を手助けしていくことで、部下は納得し、仕事に集中して取り組めるようになるでしょう。
そうすれば部下自身の仕事は捗り、会社全体の業務の効率化にもつながります。
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