部下のモチベーションが低くて悩んでいる上司の話を耳にします。
部下のやる気が出ないと、その空気が職場全体に伝わり、士気が低下してしまいます。
そういう状況では仕事も捗らず、業務の改善も見込めないため、仕事の効率も悪くなりがちです。
たしかに、部下も自分でやる気を出して仕事に取り組まなければなりません。
しかし、上司には部下を適切に管理する責任があります。
また、部下の力ではどうしようもないことが原因で、やる気をなくしているケースもあります。
そこで、部下がやる気を失っていて、職場の沈滞ムードに悩んでいる上司に向けて、この記事では、上司自身が取るべき対策を6つご紹介します。
部下に接する時の意識や行動を変えるものであり、それほど難しくはありません。
部下の立場に立って、少しずつ取り組んでいきましょう。
1.目標を自分で設定させ、ゴールを明確にし当事者意識を持たせる
人間はゴールがはっきりすると、そこに向かって頑張ろうという気になります。
しかも、それを一方的に押し付けられずに自分で考えて決めれば、他人事ではなくなり、責任感も湧いてきてやらなければならないと思います。
それを生かし、上司も部下自身に考えさせて目標設定させることが大切です。
例えば、営業担当の部下に対し、ノルマを押し付けるのではなく、部下自身に考えさせて「来期は新規開拓数を10件多く増やす」などと目標を定めさせましょう。
なお、目標が高すぎると達成困難になり、かえってやる気をなくします。
かといって低すぎると、余裕でクリア出来るため本気を出そうとしません。実力より少し高めの目標を持たせるのがよいでしょう。
2.部下の関心の高まりを見て、タイミングよく仕事を振る
部下がある仕事に関心を持ち始めているのに、それに気づかずだいぶ遅れてその仕事を任せると、部下のやる気を削いでしまいます。
普段から部下の様子をよく観察し、関心が高まったタイミングを見計らってそれを任せましょう。
例えば、部下が顧客の前でプレゼンして、もっと上手くなりたいと思い始めたとします。
その場合は、個別の顧客へのプレゼンや、セミナーのような大勢の前での講師の仕事を、これをきっかけにどんどん増やしてやるべきです。
そのように、関心のある時期にやること自体モチベーションが上がります。
また、上司がそのように自分のことをよく見てくれているということもわかるので、それも部下のやる気をさらに高めるでしょう。
3.仕事の全体像を明らかにして、安心感を持たせてやる
人間は、自分が今どこにいるのかがわからないと不安になります。
その点、地図があり、全体を俯瞰して、今自分がいる位置がわかれば、ここからどの道を通っていけば目的地に着けるかわかって安心し、動こうと思えます。
仕事でも全体像がわかれば、その中で自分が果たすべき役割がわかり、安心して果たそうと思えるでしょう。
例えば、プロジェクト全体の流れを把握できれば、その中で今どこまで進んでいるか、今後何をどこまでやればいいかがわかり、安心して取り組めます。
「いいから言われたとおりにやれ」と命令するだけでは、部下は不満と不安を抱きます。
全体像を明らかにし、その中での部下の役割を示してやることで、部下も安心して仕事に打ち込めるでしょう。
4.部下の性格に合わせて接し方を柔軟に変えてみる
部下も人間なので、それぞれ性格が異なります。
それを無視して杓子定規に接すると、一人の人間として見てもらえていない気がして、部下はストレスを感じてやる気を失うでしょう。
それを避けるためにも、部下の性格を見抜き、それに合った接し方をすべきです。
例えば、部下がライバル心の強いタイプなら、他の部下と競わせましょう。
部下が承認欲求の強い性格なら、積極的に褒めるのが効果的です。
このように、部下に応じた接し方をするためには、普段から部下の考え方や行動をよく観察しておく必要があります。
5.部下がモチベーションを高められる環境を整備する
人間は環境に左右されやすい生き物です。
最初自分にやる気があっても、周囲の人たちのモチベーションが低いと、それに染まって自分まで意欲を失ってしまいます。
職場でも、周囲の部下全員のやる気をいきなり高めるのが難しければ、まずは上司である自分が身をもって示すべきです。
例えば、自ら率先して新たなアイデアを出したり、部下の営業先に進んで同行したりしましょう。
上司自身がやる気を示すことで、職場全体に前向きな姿勢が波及し、部下も刺激を受けて意欲が出て来るはずです。
6.部下とコミュニケーションを十分に取り、しっかりフォローする
部下が上司からほったらかしにされていて、何をやっても評価されないとしたら、投げやりな態度になるでしょう。
せいぜい言われたことだけを無難にこなし、さっさと仕事を切り上げて終わらせようという気にしかなりません。
そうならないように、日頃から部下と意思の疎通を十分に図り、仕事ぶりをよく見守り、適切にフォローすべきです。
例えば、営業のやり方について、普段から部下と話をし、その成果をチェックし、成績低迷で悩んでいたら自分の知見をもとに具体的な助言をしましょう。
そのような上司の姿勢を感じて、部下は期待に応えようとして、自ら意欲的に仕事に取り組むはずです。
部下と意思の疎通を十分に図り、責任感や安心感、信頼感を持たせる
部下は自分で目標を設定することで、責任感が生まれ、そこに向かって頑張ろうという気になります。
また、何かに関心を持ったタイミングで仕事を与えられると、より一層意欲が高まります。
その際、仕事の全体像が明らかになっていれば、その中で果たすべき役割も明確になり、安心して取り組めます。
そして、上司が自分の性格を見抜いて接してくれると、ストレスもなく有難い気持ちにもなります。
加えて、上司が率先して仕事に取り組み、コミュニケーションも十分にとってしっかりフォローしてくれれば、その信頼と期待に応えようという気になります。
こうした部下の心理を理解し、それに応えるように上司が接することで、部下のやる気を引き出せます。
その結果、職場は活性化し、仕事がどんどん捗って、効率的に業務をこなせるようになるでしょう。
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