上司には部下を育てる責任があります。
それに際して、厳しく叱ることは出来ても、上手にほめるのは難しいと感じている人も多いでしょう。
適切にほめることができれば、部下も嬉しくてやる気も一層高まります。
しかし、下手なほめ方をすると、「こちらの顔色を窺っているだけじゃないか」「どこを見ているんだ」などと、部下は不信感を抱くでしょう。
そこで、部下のほめ方で悩んでいる上司に向けて、この記事では、部下をほめる時に注意すべき5つのポイントをご紹介します。
部下と日々接する中で、少し意識を改めるだけで、部下を上手くほめられてやる気を向上させられます。
そうなれば部下の生産性も高まり、業務の効率化にもつながるので、ぜひ実践してみて下さい。
1.タイミングを逃さずに、すぐにほめる

部下がよい仕事をした時に上司がほめたとしたら、その行為自体は適切です。
しかし、部下がその仕事をしてから1週間も1か月も経ってからほめたのでは、「なんで今頃になって?」と部下に違和感や不信感を持たれてしまいます。
このようなピント外れの時期にほめないように、部下が良い仕事をしたらタイミングを逃さずにすぐにほめるべきです。
例えば、部下の営業に同行した時、部下がわかりやすいプレゼンを出来たとします。
その場合は、顧客先を出た後にでもすぐに「あれはわかりやすかったよ」などとほめましょう。
このように適切な時期にほめれば、ほめることの効果が倍増して、部下のやる気を倍増させられます。
2.他の部下がいる前で、あえてほめる

部下をほめる時には、上記の例のように二人きりの時にするのでも、たしかに効果はあります。
ただ、他の部下がいる前でほめた方が、より一層効果が出て来ます。
例えば、ある部下が新商品のよいアイデアを提案してきた時に、他の部下がいる前で「これは〇〇の点が顧客のニーズに合致していていいね」などとほめます。
このように、他の部下にも聞こえるようにほめることで、その部下の自尊心を高めてやれます。
それと同時に、どうすれば評価されるのかというポイントを、他の部下にもさり気なく知らせることができるのです。
3.結果だけに着目せず、そこに至るまでのプロセスを重視してほめる

部下が仕事で失敗した場合、その結果だけに着目して厳しく叱責しがちです。
たしかに結果は大事ですが、部下のせいだけではないこともあるのに、結果だけで判断されては部下もやる気を失います。
そこで、結果に至るまでのプロセスも重視してほめるべきです。
例えば、今期の営業目標を達成できなかったとしても、顧客へのアプローチの仕方の改善や商品のバージョンアップを図ったら、そこは見逃さずに評価しましょう。
このように過程もきちんと見てもらえるとわかれば、部下も引き続き過程も重視して取り組もうと思います。
そうすれば今度こそ結果につながる可能性も高まります。
4.何がなぜどのようによかったのか、事実をもとに具体的にほめる

部下に対して「すばらしい!」「よくできた!」などと言うだけの上司がいます。
自分ではほめたつもりでも、部下からすれば「何がどうすばらしいのか」「どこがいかによくできたのか」がわかりません。
そういう疑問を抱くだけでなく、「この人は本当に自分のことを見てくれているのか。
部下の機嫌をとろうとしているだけじゃないか」などと不信感も持ってしまうでしょう。
それを避けるためにも、部下の行為について、何がなぜどうよかったのか、事実をもとに具体的にほめることが大切です。
例えば、部下が資料を作った時に、「必要な内容が見やすい形で盛り込まれていて、見る側にとってわかりやすいよ」などとほめましょう。
具体的にほめるからには、きちんと見ていることが前提なので、部下はそれ自体を嬉しく思いますし、どこが評価されたのかも明確になって今後の指針にもなります。
5.上司の自分ではなく、部下を基準にしてほめる

部下の行為を判断する時、未熟な部下ではなく習熟した上司である自分を基準にしがちです。
しかしそうなると、「なぜこんなこともできないのか」と厳しく判断することが多くなり、なかなかほめることはできません。
そうならないように、部下を基準にして判断し、積極的にほめるようにしましょう。
特に、過去の部下と比較して現在の部下がどれだけ伸びているか、といった時系列でみるようにして下さい。
例えば、部下が顧客の真のニーズを探ろうとした場合、経験豊富な上司からすれば物足りないかもしれません。
しかし、半年前の部下と比べて上手くなっていれば、その成長ぶりをほめるべきです。
部下のいい所を少しでも見つけてほめるという姿勢が大事です。
その点では、部下自身の成長度合いに着目する方が、より一層ほめやすくなります。
部下を上手にほめることで部下の能力を伸ばし、会社の発展につなげる
部下がよい行動をした時は、タイミングを逃さずにすぐにほめることが大切です。
また、出来る限り他の部下が見ている前でほめて、本人の自尊心を高めさせ、他の部下にも評価ポイントを伝えるようにしましょう。
ほめ方としては、結果ばかりに着目せず、そこに至るまでのプロセスを重視するべきです。
また、漠然とほめるのではなく、何がなぜどうよかったか、事実に基づき具体的にほめる必要があります。
さらに、上司の自分ではなく部下自身を基準にして、どれだけ伸びたかに注目してほめることも大事です。
このように、ほめる時期、場所、ほめ方などに気を付けて、部下が納得するようにほめなければなりません。
それが上手く出来れば、部下のモチベーションは高まり、仕事の生産性も上がります。
それがひいては、会社全体の業務の効率化にもつながり、より一層発展していけるでしょう。
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