目標に向かってがむしゃらに練習すること、これはこれでとても重要な要素ですが、すべてではありません。
また、フォームを徹底的に直し試合に臨むこと、これも大切ですが、一つの要素に過ぎません。
これらをうまく組み合わせてメニューを作っていき、練習するべきですが、具体的にどうすればいいのかわからない方も多いと思います。
この記事ではその具体的な水泳練習メニューの組み立て方についてお教えしたいと思います。
重要なのは、まずは長期的な視点に立ってトレーニング計画を立てること、そしてそれをどんどん細かく細分化していくことです。
まずは、長期的な水泳トレーニング計画を立てる
ターゲットの大会まで6カ月あるとして計画をしていきましょう。
大体次のように分けられます。
- 練習のための練習の期間(8週間)
- 基礎持久力をつけるためのトレーニング期間(8週間)
- レースに耐えるための練習をする期間(4週間)
- スプリント・パワー系期間(1週間)
- テーパー期(1週間)
6カ月ということは24週ありますが、2週間は余裕を持たせています。
基本的な形はこれでよいと思いますが、中長距離の選手であれば、スプリント・パワー系の期間はあまり必要ではないでしょう。
テーパー期をもう少し長くとって、レースのための練習を増やしてもよいと思います。
逆に、短距離の選手が、基礎持久の練習をやりすぎるとよくないので、そこの部分は距離を減らして、質の高い練習を加えてもいいでしょう。
以下で、それぞれの期間の練習メニューの組み方を詳しく見ていきましょう。
水泳練習のための練習の期間
シーズン中の本格的な練習に向けて、体づくりなどを行っていきます。
短距離の選手であれば、筋トレなどをして、体を大きくし、中長距離の選手は、筋トレは体幹トレーニングなどにとどめます。
また、どちらの選手であっても柔軟などを入念に行い、筋肉をしなやかなものにしていきます。
固い筋肉は、競泳には不要です。
スイムのメニューに関しては、EN1を中心に呼吸器系、循環器系を重点的にきたえます。
ドリルなどを混ぜて、フォームの改善やスタート、ターンの改善などもこの時期に行います。
ダッシュ系のメニューも適宜組み込み、スプリント力は維持できるようにします。
週に1、2回程度EN3やAN1の高強度トレーニングを入れ、次第に強度を上げていくとよいでしょう。
『EN1』や『EN3』、『AN1』などの水泳トレーニングのカテゴリーについてはこちらの記事をご覧下さい。
基礎持久力をつけるためのトレーニング期間
レースのことを頭の片隅に置きながら練習する期間です。
EN2やEN3を取り入れる頻度を増やし、筋持久力、基礎持久力、筋力をきたえていきます。
自分の種目で行うことにより、レースで使用する筋肉をきたえます。
筋トレに関しては、体幹などの基礎的なものは引き続き行い、長距離選手は筋力が落ちないようにほかの部分のトレーニングも行います。
短距離選手は、負荷を大きくし各部位の筋力を強化していくようにします。
疲労が蓄積していく期間なので、高強度のメニューを行ったあとは、リカバリーメニューを組み込みましょう。
また、スプリント力を強化する期間でもあるので、AN2をたまに取り入れ、しっかりと刺激を入れましょう。
練習自体はかなり地味になりがちな期間であるので、モチベーションの維持が重要です。
レースに耐えるためのトレーニングを行う期間
ここからは、本格的にレースを意識して練習していかなくてはなりません。
レースプランなどをたてながら練習すると有意義な練習をすることができるようになるでしょう。
前の期間よりは質重視になりますが、まだトータルの距離を落とし過ぎてはいけません。
レースペースの練習を中心に行っていきましょう。
EN3はあまり入れず、AN1を行って、レースペースの平均泳速を上げていきましょう。
レースペースの練習では、実際のレースプランを実施してみましょう。
目標ラップよりも速く泳ぐことを目標にして、練習しましょう。
目標ラップよりも速く泳げなければ、ベストが出ないと思って、しっかり追い込みましょう。
また、この期間では、リカバリーメニューの頻度も増やしていきましょう。
スプリント・パワー系期間
トータル距離を次第に減らしつつ、速筋刺激系のAN3のトレーニングを増やしていきます。
前までの期間で、しっかり追い込むことができていれば、次第に調子が良くなってくるはずです。
ただし、あまり距離を泳がなすぎるのも問題ですので、ある程度の強度をもった距離のある練習も取り入れましょう。
だらだら泳ぐのは絶対にダメです。
フォームが崩れやすい期間でもあるので、そこは気を付けましょう。
テーパー期間
練習してきた成果を無駄にするか生かすかはここの期間での練習にかかってきます。
勘違いしないでほしいのが、テーパー期間は休養期間ではないということです。
トータルの距離を減らして、練習の質は落とさないことが最もよいテーパーであると言われています。
中長距離の選手であっても、スプリントをしっかり取り入れることで、大会でいいパフォーマンスができると言われています。
そう考えると、スプリント・パワー系期間もテーパーの一環といえるかもしれません。
まとめ
メニューをどのように立てていくのかということも戦略の一つです。
しっかり考えてメニューを考えてみましょう。
今回ご紹介した計画を基本計画として、アレンジしながら細かく練習メニューについて設定してみて下さい。
また、練習にメリハリをつけることで、練習する側のモチベーションも保つことができるでしょう。
こちらの記事も是非参考にしてみて下さい!
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