ターンの練習というのは、泳ぎこみの練習などに比べとても地味なので、感覚で行っている人が多い気がします。
水泳の競泳というものが、当然タイムを競う競技であることは皆さま良く理解していると思いますが、ターンがそれに大きくかかわってくると感じている人は一握りでしょう。
もしくは、わかっていても何に気を付けて練習すればよいのかわからない人もいるかもしれません。
ネットで見かけるターンについての情報の多くは
- 「小さく速く回って、力強く壁をけることが重要」
この一文に要約されています。
それがターンの究極系であることはわかっているけれど、その方法が書いていないことが多いです。
この記事では、そのターンの方法を中心に書いていきます。
クイックターン
まずは、練習でも多用するであろうクイックターンから説明していきます。
自分の理論としては、壁をしっかりけって浮き上がった後の泳ぎがスムーズにできるようにする、ことが一番重要だと思っています。
ターンの動作自体を短くして、その他の時間を泳ぎに使うというのはもっともな意見だとは思いますが、速く回ることに重点を置きすぎて浮き上がりが雑になってしまっては意味がないのです。
浮き上がってくるまでがターン動作の一環です。
ターン動作は、次のように分けられます。
- 回り始める直前
- 回って、壁をける直前
- 壁をけってから浮き上がるまで
自分の理論だと、ターンで1番重要なのは③の壁をけってから浮き上がるまでです。
そして、少し②も重要という感じですね。
それぞれ見ていきましょう。
回り始める直前
回り始める直前の動作は、ぶっちゃけた話個々人がやりやすいようにやればいいと思っています。
理由としては、回転しているときの感覚の違いです。
普通に生活していれば、縦に回転するなどという動作は行いません。
なので、体を思うように回転させることは、かなり難易度が高いのではないのでしょうか。
自分は、そういった感覚が無いほうだと自覚があるので、回る直前は、腕を両方とも掻ききってから、回る準備をしています。
これで十分だと思います。
回転する際の3つの注意点
1つ目は、回るときに勢いをつけて回らないこと。
いざ回るというときに、首を勢い良く動かして反動で回ろうとする人がいますが、疲れるのでやめましょう。
体操の前回りの要領で、首を中に入れ、体を小さく丸めることによって、勝手に回ります。
2つ目は、体を小さく丸めること。
回転半径をなるべく小さくすることによって、回転スピードが上がります。
また、体を小さくしておかないと、壁をけるフェーズになったときに、ひざがのびていて勢い良くけれないということになりかねません。
3つ目は、腕をじたばたさせないこと。
腕はどちらも掻ききって、体の横にある状態で泳ぐと思います。
この位置のまま動かさなければ、体は方向転換しているので、勝手にストリームラインの位置においてあるはずです。
無駄な体力は使わないようにしましょう。
回って壁をける直前
ここについては、ほんの一瞬の状況でしかありませんが、この部分の状態が壁をしっかりけって、いい浮き上がりができるかに影響してきます。
一番いい状態は、壁キックでスタートするときと同じ姿勢になること。
ターン後の浮き上がりと、壁をしっかりけってスタートした時の浮き上がりでは、全く違うと思います。これをできるだけ近づけたほうがいいことは、わかりますよね。
ですが、下を向いた状態で、壁をける準備ができていて、かつそこまでの時間が短い。
これをクリアするには相当な、感覚が必要だと考えています。とても難しいです。
それを練習するのであれば、体の向きは違くてもしっかりけれる体勢であればいい、そう考えています。
壁を蹴る直前の2つの注意点
1つ目はひざが90度よりも曲がっていること。
2つ目はストリームラインが作られていること。
すぐに壁をけるので、ストリームラインが作られていないと、抵抗になってしまします。
壁を蹴ってから浮き上がるまで
壁をける準備ができたときには、まだ体は半身の状態でしょう。
ここから壁をけっていきます。
けのびの姿勢をとっているわけですが、普通であれば、その姿勢のままでいるのはもったいないので、ドルフィンをけって浮き上がる準備をしたほうがいいのですが、少し待ってください。
体が完全に下を向くまでは、ドルフィンキックは我慢しましょう。
横向きのまま、ドルフィンキックを打って有効なのは、欧米人などのドルフィンが強い選手のみだと言われています。
横向きでけるのは、推進力が下向きでけるより多く得られるのですが、水の抵抗が多くなってしまっているようです。
その抵抗を上回るようなパワーがない限りは、多くの推進力を得られるというメリットはほぼないと言っていいでしょう。
そういうわけで、体の向きが戻るまでは、辛抱強く待っていたほうがいいのです。
浮き上がるときの姿勢などは、練習あるのみです。スムーズに上がってこられるようにしましょう。
まとめ
今回は、クイックターンについて解説しました。
ターンの練習というのは、練習後に行うものではなくて、練習中に行うものです。
100mを8本というメニューであれば、それだけで24回のターン練習ができます。
意識しなければ、ただの休憩ポイントです。
意識をすれば、ものすごい練習ポイントになるのです。是非練習の中でターンについても意識して行ってみて下さい。
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