今や日本人のほとんどが知っている台湾の首都、台北市。
交通が充分に発達し、物や情報にもあふれ、日本で育った私でも生活の上で何不自由なく快適に暮らすことができます。
そんな都会の台北市内には、台湾の元総統ご夫妻が住んでいた所で、今では現地で暮らす人々の憩いの場になっている公園があります。
その公園は「士林官邸公園(スーリングワンディーゴンユエン)」と言う名前で、現地では通常、士林官邸(スーリングワンディー)と呼ばれています。
観光地としても人気があるのですが、何故か日本の観光客はほとんど見かけたことがないので、今回は日本の皆さんに士林官邸をご紹介したいと思います。
台湾にある「士林官邸」が公園になるまで

士林官邸がある場所は、たくさんの日本人が訪れる「士林夜市(スーリンイエス)」 から、タクシーで約10分ほどの距離のところにあります。
台湾のタクシーは日本に比べて安いので、気軽に利用できます。
タクシーの他にも、台北市内にはMRTという電車が走っており、路線図も色分けされていて非常に見やすく、乗り方が簡単なので、初心者にもおすすめの交通手段です。
そして士林官邸に行く時は、このMRTの「士林(スーリン)」という最寄駅から歩いて約10分。
道路には歩く方向を示す看板もあるので、とてもアクセスしやすいです。
大通りから少し入ったところにある、士林官邸の公園入り口から中に入ると、まるで植物園のような景色が目に飛び込んできます。
こちらの公園の土地の面積は約130,000平方メートル、これは東京ドームの約2.8個分に相当する大きさです。
そしてこの敷地内にある「正館(ゼングワン)」と呼ばれている青い建物に、1950年から住んでいらっしゃったのが故・蒋介石(ジャンジエスー)総統ご夫妻。
正館を建物ごとでみると「官舍(グワンシャ)」と「招待所(ザオダイスオ)」に分かれています。
1975年に蒋介石総統がお亡くなりになられた後、1996年に正館の周りが士林官邸公園として庶民に開放されました。

正館
また、2011年には正館の1階が、そして2012年には2階が一般公開されました。
正館の入り口にある窓口で、チケットを販売しています(一般100TWD=約364円)。
注意しなければならないのは、こちらの正館も含め、士林官邸の中にある建物は毎週月曜日が休館日です。
旧正月など台湾の休日も同様なので、士林官邸の正館を見学をしたい人は、訪れる日に見学できるのかどうかを事前に確認しておいた方が良いでしょう。
また、正館の中では携帯電話が使用できないことや、撮影も禁止されていることにも注意しましょう。
士林官邸にある必見の建物
台湾にある士林官邸で私たちが見られるものは、蒋介石総統ご夫妻が暮らされていた建物だけではありません。
台北市内の生態公園だけあって、中は全部が植物園かと思うくらいに緑に囲まれ、花も咲き乱れています。
「生態園(ションタイユエン)」

こちらは、士林官邸のある一角が、まるで熱帯雨林の中にいるようになっており、1日中生き物の鳴き声が鳴り響いています。
とても台湾の首都にいるとは思えません。
「新蘭亭(シンランティン)」

こちらの台湾らしい建物は、外から見ても何があるのか分からないのですが、中に入ると非常にたくさんの蘭の花が咲いています。

私は花に詳しい方ではないのですが、見たこともないような種類のものがあり、色も様々なので、私のような人間でも充分に楽しむことができます。
「園藝展覽館(ユエンイーザンラングワン)」

建物の中は、花や植物だけではなく、色々な素材で作った動物などの生き物が飾られています。
中は美術館のような雰囲気が漂います。
新蘭亭と園藝展覽館も、正館と同様に毎週月曜日は休館なので、士林官邸を訪れるのは、月曜日以外がおすすめです。
古跡もある公園、士林官邸
士林官邸では、大自然に触れるだけではなく、なんと古跡を見ることもできます。
現在、国が指定した古跡は4つの建物です。
それらの古跡は、蒋介石総統ご夫妻が住んでいた正館の建物である「官舍」 と「招待所」の他に、「凱歌堂(カイガータン)」「慈雲亭(ツーユィンティン)」と呼ばれる建物を含めた4つを指します。
「凱歌堂」

凱歌堂は蒋介石総統ご夫妻が礼拝されていた教会で、蒋家の親族の中には、こちらの凱歌堂で洗礼を受けられた方もいらっしゃいます。
建物は1階のみなので、台湾の総統が使用していたわりには意外と質素な印象です。
凱歌堂の中にあるシャンデリアは蒋介石総統の奥様のお好みで選んだものなのですが、控えめながらも美しく、その質素な建物によく合っているので、ぜひ天井を注意して見て頂きたいと思います。
「慈雲亭」

慈雲亭は蒋介石総統のお母様が亡くなられた後の1963年に、士林官邸の敷地内で最も高い場所に作られた白い建物です。
公園の入り口から近いところにある、石の階段を上って慈雲亭まで行きます。
私のように運動不足で体力がない人だと、その建物に着く頃には息切れをしているほど階段が多いです。
当時、蒋介石総統は、こちらの慈雲亭から周りの大自然を見ていらしたとのことですが、今は周囲に茂っている高い樹木に目隠しをされている状態なので、上から見える景色はあまりよくありません。
まとめ

今回は、台湾の首都台北市内にある、士林官邸公園をご紹介しました。
台湾の元総統ご夫妻が住んでいた場所でありながら、その建物の周りは無料で出入りできる公園として、今では台湾で暮らす庶民の憩いの場所になったほか、観光地としても人気があります。
台湾旅行が初心者にもおすすめの、市内を走るMRTという電車を利用すれば大変アクセスしやすいです。
お天気の良い日には、花や植物にあふれていて、のんびりできる士林官邸公園にぜひ足を運んでみて下さい。
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