退職したり人事異動が決まったりした場合、今の仕事を誰かに引き継ぐ必要性が出て来ます。
その引継ぎがうまく行かないと、後任は引き継いだ後にわからないことが次々出て来て困ってしまいます。
そうなると、それへの対応に迫られて、職場全体の業務が停滞します。
また「これはどうすればいいのか」と後からいちいち聞かれると、自分も新しい仕事に専念できません。
つまり、誰にとっても非効率になってしまうのです。
そこで、仕事を後任に引き継ぐ方に向けて、この記事では、その引継ぎをスムーズに行うための4つのポイントをご紹介しましょう。
特に、引継ぎ資料の作成、後任への説明に関して、注意点をご説明します。
その注意点を意識して行うかどうかで、引継ぎが確実に出来るか、後々面倒なことになるかが変わってきます。
急がば回れの精神で、是非ひと手間かけて実践してみて下さい。
1.資料は文章だけでなく、図なども入れてわかりやすくする
後任が仕事を引き継ぐうえで、これまでと似たような仕事だったとしても、関係者や仕事の進め方が異なり、わからないことがたくさんあります。
仮にこれまでと違った仕事なら、その内容も未知なので、さらに困惑するでしょう。
そのため、引継ぎ資料をしっかり作ることが大切です。
その際、後任の立場に立って、初めてその仕事を経験する人でもイメージできるように、わかりやすい内容にしなければなりません。
具体的には、文章だけで長々と説明するのは避け、表形式も取り入れるとよいでしょう。
仕事の名称、内容、関係者、期限、特記事項、優先順位などを一覧表にまとめ、一目でわかるようにすると効果的です。
また複雑な仕事は、作業の流れをフローチャートにし、手順書も作ると親切です。
自分は仕事内容をよく知っていますが、後任は知らないのです。
自分の立場で「この程度でわかるはずだ」などと思わずに、後任の立場に立って一目瞭然にしましょう。
2.実際の作業を想定して、細かいポイントも漏らさず書く
上記のように、表や図などを用いて、全体の様子や流れを俯瞰してイメージできるようにすることは大切です。
しかし、実際に仕事をする時は、細かい点でどうしていいか迷うことがよく出て来ます。
後任が迷わなくて済むように、細かいポイントも漏れなくチェックし、書き留めておく必要があります。
上記の表の特記事項欄を生かし、そこで明示しておいてもよいでしょう。
例えば
- 「〇〇のファイルは△△のフォルダに保管してある」
- 「この件は必ず先方の□□部長にも了承を得ておく」
- 「この会社はデータを提供してもらうのに時間がかかるので、早めに提出をお願いする」
などと注意書きします。
これらは、いざまとめて書き出そうとしても思い出せず、漏れてしまいがちです。
引継ぎの必要が出てきた時点で、日々の仕事で気づいた点をメモしておきましょう。
また、上司や同僚にも、自分では気づいていない注意点がないか確認すると、より完璧になります。
3.予め資料を渡し、疑問点をリストアップしておいてもらう
以上のように資料を作成して後任に説明し、質問はないか確認します。
しかし、いきなり資料を渡されて、その場で説明されながら目を通しても、すぐに理解できる人はまずいません。
そのため、質問はないかと言われても、そもそも何が疑問なのかもわからない状態です。
それを避けるためにも、資料が出来たら予め後任に渡しておき、まず内容をよく理解してもらうことが大切です。
そうすれば、自ずと疑問点も湧いて来るはずなので、それをリストアップしておいてもらいましょう。
そのうえで、改めて日時を設定し、資料を用いながら口頭で説明します。
そのうえで、予め整理しておいた疑問点に加え、その場で湧いてきた疑問点も含めて質問してもらい、自分が答えて解消しましょう。
このように、お互いに事前準備をしっかりしておけば、説明と質疑応答が有意義になります。
4.自分の言葉で言い直し、実際にやってみてもらう
上記のように、疑問点まで解消してもらえれば、しっかりと理解してもらえたと思いがちです。
しかし、いざ仕事をやろうとすると、頭ではわかっていたのに、実際には手間取ったり出来なかったりすることがあります。
そうならないように、後任自身に「これはつまり、〇〇ということですよね」などと自分の言葉で言い直してもらい、腑に落ちる段階にまでなってもらうことが大切です。
さらに、時間の許す限り、実際に手を動かして試しにやってもらうのも効果的です。
一回でも実践しておけば、どこでつまずくか、どうすればいいかもわかり、理解度がより深まります。
ここまで入念に引継ぎをしておけば、後任もかなり安心して仕事に取り組めるはずです。
引継ぎは形を整えて終わらせるのでなく、後任が安心できるまでにする
後任に仕事を引継ぐ際は資料を作成すべきですが、長々とした文章だけにせず、図や表を用いてイメージしやすくすべきです。
それと同時に、実際に仕事をするうえで引っ掛かりそうな細かいポイントも、漏らさず盛り込む必要があります。
また、そうして作成した資料は、予め後任に渡しておき、内容の理解と疑問点のリストアップをお願いしましょう。
そのうえで、その資料を用いて説明し、理解を深め、疑問点を解消してもらうことが大切です。
その際、自分の言葉で言い直し実際に試しもらうことで、真に理解してもらうと尚よいでしょう。
引継ぎは、資料を作って説明すれば終わりというように、形式的に済ませるだけは意味がありません。
後任が安心して仕事が出来るレベルにすることが大切です。
そのくらいになれば、後任もスムーズに仕事が出来、職場や自分も本来の仕事に専念出来て、全体の効率がよくなるでしょう。
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