上司も人間なので、つい感情に流されて八つ当たりし、また好みで特定の部下をえこひいきするなどして、部下に不公平に接する恐れがあります。
しかし、そうした態度をとっていては、部下は当然不満を抱き、「こんな上司の下では、納得して仕事をすることなどできない!」と反発するでしょう。
これでは人望も得られず、仕事にも支障が出かねません。
このように部下から反感を買ってしまっている人に対して、部下に公平に接することで人望を上げるための3つの方法をご紹介します。
日頃からの地道な取り組みが、自分への大きな人望を生み出すので、ぜひ試してみてください。
1.目標設定や指導、評価の際に、部下の状況を考慮する
上司は部下に対し、期初に目標を設定させ、期中に指導をしていき、期末に評価を行います。
その際に、感情に流されたり好き嫌いで対処したりすると、不公平に接することになり、部下から人望は得られません。
そこで、それらをする際には、部下の置かれた状況を考慮することが必要になります。
例えば、ある程度経験を積んでいて、知識やスキルもある部下には、少し高めの目標を与えます。
そのうえで、細かい指導は控え部下の自主的な判断力を養わせます。
さらに、近いうちに管理職になることを見据え、やや厳しめに見て評価を行いましょう。
一方、経験も浅く知識やスキルも不足している部下には、自信をつけさせるために達成しやすい目標を与えます。
また、指導もきめ細かく行い、評価もやや大目にみて行うのが望ましいでしょう。
このように、部下の経験や知識及びスキルなど、その状況をしっかり把握し、各部下にとって妥当な目標を与え、指導と評価をすることが、部下に公平に接することになり、人望獲得につながるでしょう。
2.普段から、評価基準と部下の状況をしっかり把握しておく
以上のことをいきなりその場になってしようとしても難しいでしょう。
そこで、部下に公平に接するには、普段からの心がけが大切になります。
まず、普段から評価基準をしっかり把握しておく必要があります。
例えば、経験や能力が十分な部下には、「後輩への指導をする」「一人で新規開拓を行う」「売上前期比〇%アップという高めの目標を達成する」などの評価基準をしっかり頭に入れておきます。
それが頭に入っていれば、その部下の期中の行動を見る際も、常にその評価基準に照らして十分かの視点でチェックすることが可能になり、客観的な判断ができます。
それを他の部下にも行うことで、公平さを維持できます。
また、普段から部下の状況をよく把握しておくことも大切です。
上記の例なら、部下が日頃から後輩の面倒をよく見ていて、積極的に新規開拓を行っているものの、売上が十分に上がっていないとします。
その様子を観察していれば、「現状では、後輩への接し方や仕事ぶりは評価基準を満たしているが、成果の面では満たしていないな」などと判断できます。
そのような客観的な判断をすべての部下に対して行えば、公平になります。
3.普段から感情をコントロールし、客観的に判断する訓練をしておく
以上のようにして、普段の仕事の際に、部下に対して公平に接することができるようにすべきではあります。
ただ、仕事の時だけでなくプライベートでも、それができるように訓練しておくとなお望ましいでしょう。
まず、普段から感情をコントロール出来るように訓練しましょう。
例えば、家族や友人などと話していて、苛立って怒りを爆発させそうになることもあるはずです。
その際に、大きく深呼吸したり数秒間黙ったりして、気持ちを落ち着けてみましょう。
また、相手の立場で考えてみる、自分にも非はないか振り返るなどして、冷静沈着な態度をとれるように心がけましょう。
さらに、普段から物事を客観的に判断する訓練もすべきです。
例えば、ある一定の基準を立てて、事実をそれに当てはめて結論を出す癖をつけておけば、評価基準に照らして部下の状況を判断することに役立ちます。
あるいは、ある意見があったら、その反対意見を考え、さらに両者の折衷意見を考える練習も効果的です。
これにより多面的な見方が可能になり、部下を評価する際も様々な意見を参考にして客観的かつ公平に判断できます。
評価基準と部下の状況を把握し、感情に流されず客観的に判断する
上司は部下に対し、目標設定と指導及び評価を行います。
その際に、部下の経験や知識及びスキルなど、その状況をよく把握したうえで、それに応じた妥当な目標を与え、指導や評価をすべきです。
そのためにも、普段から評価基準を頭に入れておき、部下の状況をよく観察して把握しておかなければなりません。
また、プライベートでもそのための訓練をしておきましょう。
感情をうまくコントロールし、物事を客観的に判断する練習をしておくと、仕事でもすぐに生かせます。
行き当たりばったりで、部下のこともよくわからないまま好き嫌いで判断すると、部下に不公平に接することになり、部下の不満はたまっていきます。
そうならないように、評価基準と部下の状況を十分把握し、感情に流されず客観的に判断することが、部下に公平に接するうえで大切になります。
それを地道に続けていけば、部下の信頼と人望も得られ、コミュニケーションも円滑になり、お互いの仕事もスムーズに進んでいくでしょう。
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