ワシントンUFO大乱舞事件?65年前の全米を揺るがせた怪事件とは?







ワシントン上空に大挙押し寄せたUFOの群!!その正体は暖かい空気の塊?

ペンタゴンがもみ消そうとした、65年前の全米を揺るがせた怪事件とはいったい何だったのか!?

 

首都上空に現れた奇妙な物体群

 

1952年7月19日(土曜日)─。

ワシントンD.C.にあるナショナル・エアポート。

ひとりの航空管制官がレーダースクリーン上で奇妙な動きをする物体に気づいたのは、もう数分で日付が変わろうとする真夜中のことだった。

やがてアメリカの首都ワシントンを大狂乱に陥れる、UFO大乱舞事件はこうしてはじまった。

 

管制官は付近を飛ぶ航空機に、なにか異常なものが見えないかと問い合わせた。

すると、あるパイロットから「6つの明るい光が空を横切るのを見た」との応答があった。

しかしその時間、首都の南西部を航行する飛行機は一機もなかった。

 

 

彼はすぐさま、これを上司のハリー・G・バーンズに報告した。

バーンズは後日、次のように語っている。
「空で非常に奇妙なことが起きているのがわかりました。正体不明のなにかは普通の航空機に比べて動きが激しく、レーダーで連続して追跡することができないほどでした。まるで爆発を思わせる猛スピードでした」。




まもなく、エアポートのもう一つのレーダーも謎の物体をキャッチした。

さらに、そこから東方10マイルにあるアンドリュース空軍基地でも、通信員たちが南の空を旋回する明るいオレンジ色の物体を目撃した。

 

それは空中に突然停止した後、信じられない速度で消え去った。

もちろん、この物体は基地のレーダーにも捉えられた。

空港と空軍のレーダーは、謎の飛行体を午前3時まで追跡した。

この間、地上からも空からもUFOを見た者が続出した。

 

さて、これだけでも相当にエキサイティングな出現例だが、その後に起こるドラマに比べれば、まだほんのさわりに過ぎなかった。

 

ワシントンの熱い9日間

 

翌日の夕方、レーダーはまたも謎の飛行体を捉えた。

空軍の気象観測スタッフは、このUFOが「特別な旋回と逆転」をしたと述べている。

その後、UFOは7月27日までの9日間、断続的に現れては、多数の市民の頭上を気ままに飛びまわった。

 

民間航空機の乗員たちは「上下左右と不規則に揺れ動き、速度を突然変えたり、空中に止まったりする奇妙な光体」を眼にした。

ナショナル・エアポートに着陸する際に追跡される機もあった。

 

また、スクランブル発進した空軍のロッキードF-94B戦闘機がUFOにとり囲まれたとの報告もある。

しかし、ほとんどの場合、戦闘機が接近すると光体はかき消えた。

こうして、一週間以上にわたって空軍と光体のイタチごっこが続くことになる。

 

その正体は水蒸気の塊?

 

全米はこの珍事に騒然とし、殺到した問い合わせのために国防総省(ペンタゴン)の電話回線がつながりにくくなった。

市民の鎮静化をはかるため、やむなく空軍は「歴史上類を見ない規模」といわれるほどの記者会見を開催した。

 

この席で、軍の見解として発表されたのが、UFOを「逆転層による気象現象」(気温逆転説)だとするレーダーの専門家ロイ・ジェイムズの説明だった。

 

一般に、地上近くの大気は暖かで密度が低い。

上空にゆくほど、大気温は下がって密度は増してゆく。

気温逆転とは、通常なら上空にある冷たい空気と、地表にある暖かな大気が逆転することで、これが起こる層を逆転層(ぎゃくてんそう)と呼ぶ。




逆転層には秋や冬の夜間、風が弱いときに、地表の温度が放射冷却で低下することから形成される「接地逆転層」、また風がある場合でも、冷えた地表に温かい大気が流れこんで発生する「移流逆転層」などがある。

 

逆転層が地表近くの大気をとらえると、濃霧が発生したり、遠くの音が大きく聞こえたり、また電波の伝わり方に異常が出る場合もある。

このほか、蜃気楼が起こりやすくなったり、激しい雷雨が起きることもある。

 

こうした逆転層が、地上の光を反射しながら風に乗って移動したというのがジェイムズの説明だ。

空気の塊はレーダーにはっきり像として映ることがあるという。

要するに、空軍の立場は、温度の逆転という自然現象が、実際には存在しない影をレーダーに捉えさせたというものだった。

 

ジェームスは、会見の当日ワシントンに到着したばかりで、実際の調査に参加していなかった。

ところが翌日の全米各紙はこぞって「空飛ぶ円盤は自然現象 ペンタゴンは警報を解除」をヘッドラインにとりあげた。

 

さまざまな反論

 

当然のことだが、そんな「気温逆転」説に、レーダーでUFOをとらえたスタッフはブーイングを浴びせた。

かれらは実体のレーダー反射像と、気温逆転によるそれが簡単に見分けられるとして、軍の見解に異をとなえた。

 

アメリカ気象局や、民間研究者のジェームズ・マクドナルドも気温逆転説を否定した。

空軍パイロットは口をつぐんだが、民間航空機のパイロットと市民など、肉眼でUFOを目撃した人々もこれにならった。




そればかりか、そもそも1952年の夏、逆転層は毎日発生していたが、事件当日の逆転は、レーダーに影響するほどではなかったとの報告もある。

 

ほんとうはなにが起きたのか

 

こうなると、なにがほんとうで、なにがウソなのか、もはやさっぱりわからない。

 

ただ、UFOが現れた際、海軍のレーダー管制室にいあわせたデューイ・フォーネット少佐とそのスタッフが気温逆転説に賛成しなかったため、記者会見から締め出されたという事実がある。

とすれば、国防総省がなんらかの理由から早々に事件の幕引きをはかったと考える者がいても不思議ではない。

 

その正体が宇宙人の乗り物にせよ、敵国の秘密兵器にせよ、国防総省の立場からすれば、首都上空という絶対的な防空圏にやすやすとその侵入を許してしまったわけで、これほどまでにプライドを踏みにじられる出来事はまたとあるまい。

多数の目撃者を無視した、そのあわてぶりが、この事件の<真実性>を間接的に裏付けているとしたらまったく皮肉なことである。










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