食卓に、お弁当に、いつも大活躍の梅干し、保存食としても、民間薬としても、これほど馴染み深い食べ物はないのではないでしょうか?
漬けてある梅干しを購入して食すのも良いですが、手作りの梅干しなら自分好みの味に漬けることもできますし、安心感もあり良いものです。
今回は、自然塩を使用した美味しい梅干しの漬け方を詳しく解説したいと思います。
皆さんの中には梅干しはたくわんや浅漬けのような漬け物よりも、ずっと難しいイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、皆さんが考えているよりも簡単に漬けることができます。
さあ、今年こそご自分で梅干しを漬けてみましょう。
梅干し作りの時期はいつ頃から?
梅干しをつくる時期は、梅の収穫時期である6月中旬頃から7月上旬頃と言われています。
最初に小梅が出回り、しばらくして梅干し用の梅が出回ります。
梅干し用には、南高梅がおすすめです。
実が厚く、皮が薄いので食感も良く、梅干しには向いた梅と言えます。
お目当ての南高梅が出回りましたら、まず下処理をして塩漬けにします。
そして、すぐに赤シソが出回りますから、赤シソを加えましょう。
さらに、7月20日頃に土用干しをして、容器内に出てきた梅酢を保存します。
この流れを梅干しの漬け方カレンダーとして把握しておくといいです。
それでは、梅干しカレンダーを把握したところで、梅干しを漬けるに当たって準備するものを考えてみましょう。
梅干しを漬けるために必要な材料
今回は、南高梅を2キロ用意いたしました。
梅干し用の梅は、産地の気候風土によって色々な品種がありますが、傷がついているものや斑点のあるものは、カビの原因になることもあるので避けたほうが良いでしょう。
そして、なるべく粒の揃った中粒のものを選ぶようにしましょう。
また、梅干しには、青くて固い梅よりも、少し熟してほんのり香りが出始めたものが向いています。
まだ青いものでしたら、梅自体が重ならないように、お皿などに並べて黄色くなるまで常温にしておいてください。
梅が熟するにつれ、桃のようなうっとりする甘い香りが広がります。
塩は、健康のために自然塩を使いましょう。
今回は皆さんに是非ともおすすめしたい自然塩の粗塩を使います。
粗塩は、粒子が粗くてしっとりとして梅に塩自体がからみやすく、しかも梅酢が早く上がり始めるのでカビが生えにくくなります。
しかも、自然塩ならではのカリウムなどのミネラルがたっぷりで塩分を体外に排出する効能をも期待できることから、高血圧や腎臓の弱い方にもあまり心配なく梅干しを食べられます。
普段、ご家庭でよく使用されている精製塩は、イオン樹脂膜法で化学的に塩化ナトリウムを海水から取り出す方法で作られており、こういった精製塩はミネラルがほとんど含まれず、バランスが悪いことから高血圧などの副作用もあることから梅干しつくりには向きません。
梅干しを美しい紫紅色に染める為にも赤しそも用意しましょう。
梅干しを漬ける容器は、陶製のかめが最適です。
梅干しは、塩分や酸を含むので、それに強い材質のものがいいです。
もし陶製のかめがなければ、ホウロウ引きの容器や漬け物用のポリ容器でもよいです。
梅干しの漬け方を詳しく解説
- 梅は2キロ、塩は360g~400g(梅の重さの18~20%)、焼酎約1/2カップを用意します。梅を傷つけないように気をつけて水で洗いますそして、たっぷりの水につけてひと晩置いてください。
- 梅をザルにあげてよく水切りをします。竹串を使用して梅を1粒ずつ丁重にヘタを取り除きます。
- 梅を1粒ずつ、ふきんで水を十分にふき取り、乾いたボールまたはポリ袋に入れます霧吹きを使ってボールまたはポリ袋内の梅に焼酎をまんべんなく吹き付けて下さい。
- 梅をポリ袋に入れて、用意した分量の塩の半分を入れます。そして、ポリ袋の口を閉じて、梅が傷つかないように動かして、塩をまんべんなくまぶして下さい。
- 用意した容器の底に残りの塩を少し振り、ポリ袋の梅を取り出して容器内に並べ、その上にまた、塩を少し振ります。2段、3段と、同様に梅と塩を交互に重ねて漬け込み、最上段は多めの塩で覆います。
- 最上段の梅の上に押しぶたをはじめとして、その上から梅の重さの2~3倍の重さの重しをかけます。重しの上から透明なビニール袋などで覆い、その上に布の帽子をかぶせて冷暗所に置きます。
- 3~5日したら、白い梅酢(梅から出る汁)の上がりを確認して、そのままの状態で赤シソが出回るまで待ちます。
- 赤シソ1束(葉が200g取れる量)と塩36~40g(葉の18~20%)を用意します。赤シソは、茎から葉を1枚ずつちぎり取っておきます。そして、赤シソをボールに入れて水を取り替えながら、きれいになるまでよく洗います。
- 赤シソをザルに上げて十分に水切りして、ふきんで水気をふき取ります。乾いたボールに赤シソを入れて、塩の半量を葉に振りかけて両手でよくもみます。もんでいくと、濃紫色の汁(アク)が出るので絞ってアクを捨てます。
- 赤シソの葉を傷つけないように、指の腹でほぐしていきます。そして赤シソに残りの塩を振りかけます。指の腹で押すようにして、もう一度赤しそを揉んで出たアクを捨てます。
- 容器内の梅から上がっている白梅酢を玉じゃくしで1杯くみ出す。くみ出すた白梅酢を赤シソの入ったボールに入れ、葉を傷つけないように指の腹で揉みます。これで赤シソは美しい紫紅色に変わります。
- この赤シソを手でほぐしながら、梅と白梅酢の上に平らに広げます。そして、先程の紫紅色の汁も赤シソの上に入れます。
- 押しぶたをして、これまでの半分の重量の重しをのせて透明なビニールなどで覆い、その上から布の帽子できれいに覆います。さらに、蓋をかぶせ、その上に紙の蓋をしてゴムひもで止めて冷暗所で保存します。
- 土用(7月20日頃)天気の良さそうな日を選んで梅を取り出し、3日ほど天日に干します。
- 3日ほど天日干したら梅干しの完成です。梅酢は瓶から取り出し、梅干しとは別に保存しましょう。3か月ほど梅干しを寝かせると熟成が進んで美味しい梅干しになります。
まとめ
いかがでしょうか。手順が多く感じるかもしれませんが、やってみると難しいことはなく、簡単に漬けることができます。
梅干しを漬けた時に出てくる梅酢は、酸味の強い汁です。この梅酢には殺菌作用があり、カビの発生を防ぐ効果があります。
これらの手順を間違いなく踏んでいくことで失敗なく梅干しを漬けることができますよ。
是非自然塩を使った自家製梅干しを漬けてみて下さい。
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